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2006年4月29日 (土)

いつも盛況な三多摩メーデー

前回記事「とんでもない法律、共謀罪」で懸念した法案の強行採決は、とりあえず昨日時点では見送られました。決して政府・与党側が断念した訳ではありませんので、ゴールデンウイーク明けの国会の動きを注視しなければなりません。また、自治労を経て各単組へ平和フォーラムから共謀罪新設法案の廃案を求める打電行動の要請があったことも補足させていただきます。

ところで本日、三多摩メーデーが約3万人の参加者を集め、盛況な雰囲気の中で開かれました。心配した雨にも降られず、河川敷の市民運動場に集まった組合員やその家族、地域の住民の方々が楽しいひと時を過ごしました。

メーデー、つまりMayDayは毎年5月1日に行なわれる世界中の労働者の祭典です。1886年5月1日にアメリカの職能労働組合がシカゴを中心に8時間労働制を要求したデモンストレーションを行なったことが起源とされています。

三多摩メーデーは連合中央よりも一足早く、5月1日開催からゴールデンウイークの初日となる4月29日を中心に開くよう改めました。「メーデーなのに4月開催では様にならない」などと変更した当初は批判もあったようですが、そのような声はほとんど聞かれなくなりました。

変更した理由は、組合員の参加しやすさを優先したと言われています。ゴールデンウイークに長期休暇を取る組合員への配慮もそうですが、5月1日が平日だった場合、仕事を休んでの参加が年々難しくなってきた事情があったものと思います。その変更が大きく功を奏し、加えて組合員と一緒に家族の方の参加も急増しました。

福祉や環境問題の展示、防災体験コーナー、物産展や各種模擬店、子どもの広場など、硬軟織り交ぜた「お祭り」を前面に押し出しているのが三多摩メーデーの特色です。主催者や来賓挨拶などの式典が45分程度あり、それ以降は本当に「お祭り」を満喫できるイベントです。ちなみに今回、第2部のステージは歌手の柏原芳恵さんがゲストでした。

このような楽しさや親しみやすさがあり、私どもの組合の参加者数は年々、ウナギ登りに増えていました。空模様が怪しかった今年も、700人近くの方にご参加いただきました。いろいろな場面で組合への結集力が問われている中、これだけ多くの方の参加は非常に喜ばしく、貴重な機会でした。

組合員向けの独自抽選会も恒例となっていますが、A4判の抽選券の裏側には組合活動のPRを掲載するようにしています。今回は「一人ひとりの力を結集して大きな力にできる組合運動」の趣旨をアピールさせていただきました。したがって、当選した抽選券は番号だけ確認し、お持ち帰りくださるようお願いしていました。

最後に、貴重なお休みの日にご参加いただいた組合員の皆さん、ご家族の皆さん、ありがとうございました。また、組合役員と書記局の皆さん、事前準備から本当にお疲れ様でした。

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2006年4月27日 (木)

とんでもない法律、共謀罪

昨日、連合地区協議会の幹事会に出席しました。「カラオケの席で組合員の方からブログの話が出て、夜、遅くなったんですね」と民間組合の委員長さんから声をかけられました。最近の記事「多様な価値観 Part2」で書いたエピソードをお読みいただいたことが、すぐに分かりました。

地区協議会の事務局長を務められている方で、このブログをかなり前からご覧いただき、会うたびに話の種にしてくださっていました。いろいろ具体的な感想も聞かせていただき、たいへんありがたく、いつも感謝しています。

組合の委員長になったことにより、お付き合いいただく範囲が広がりました。特に民間組合の役員の方々との交流の機会が増えました。どちらかと言えば社交的なタイプではなかったため、就任前は委員長の役割が充分務まるか心配でした。それが今では委員長になって、幅広い組合の皆さんと貴重な交流ができたことを本当に良かったと思っています。

さて、本題です。現在、開会中の国会で、とんでもない法律が作られようとしています。共謀罪法案です。実際、犯罪に手を下していなくても数人で集まって「犯罪」の話をしただけで罪に問われる法案です。

もともとは2000年11月、国連総会で「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約」が採択され、日本も署名したことから話が始まりました。これを受けて国内法の整備のために提案されたのが共謀罪です。

多くの人たちが「国際的な犯罪組織が対象で、自分たちには関係ない」と思われているかも知れませんが、労働組合、宗教団体、職場のサークルなど組織の形態は問われていません。また、仲間同士の冗談話でも逮捕される恐れがあります。

与党側は「非常識な運用はされない」と説明しているようですが、ひとたび法律ができてしまえば、その運用の幅は警察や裁判所の判断に委ねられてしまいます。自衛隊官舎へビラを投函しただけで逮捕され、控訴審で有罪判決が出る中で、与党側の話に説得力を到底感じることはできません。

政府案に対して民主党は本日、共謀罪の対象を「組織的犯罪集団」や国際的な犯罪に限定する修正案を提出しました。それに対し、与党側は徹底的な慎重審議が必要な法案にもかかわらず、明日には審議を打ち切り採決を強行する姿勢を示しています。

戦前の治安維持法は思想・信条の自由などの民主主義を否定した悪法でした。共謀罪も同じ危険性をはらんでいると見られています。それにもかかわらず、マスコミの取り上げ方が極めて小さいように思われます。政府が全マスコミに報道自粛の圧力をかけている噂も耳にしますが、事実なのかも知れないと思えてしまいます。

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2006年4月23日 (日)

地方公務員は天国?

このブログの記事を投稿する際、内容の点検や誤字脱字の推敲を行なってからウェブ上へ送信しています。さらに投稿した後も、なるべく読み返すようにしています。すると言い足りなかった点や、その時には見つからなかった言葉が思い浮かぶ時もあります。

全面的な補足記事となる場合は「Part2」として、シリーズものとしてきました。前回記事「組合に入らないデメリットは?」も翌日以降、改めて読み返してみました。どうも組合に加入している肝心なメリットについて、今一つ強調できていない文章だった気がしてきました。

「直接的なメリットを求めた場合、確かに見合ったものとは言い切れません」と書きましたが、言葉が不足していたようです。労働組合の役割は組合員の福利厚生のみが中心ではありませんので、年間数万円となる組合費の額に見合った直接的なメリットを組合員全員にお返しすることはできません。

つまり働き続ける上で特に困ったことがなく、平穏に過ごせている場合、このような関係性となります。しかし、ひとたび、組合員が何か困難な事態に直面した際、組合は持っている機能をフル回転させ、困った組合員の力になれるよう全力を尽くします。この組合の役割が前回記事で紹介した「一人は皆のために、皆は一人のために」の言葉につながっていきます。

要するに組合費は「いざと言う時の安心」を得るため、皆で負担する「保険料」的な意味合いがあることも強調すべき点でした。参考までに以前の記事「組合事務所の扉」をご紹介します。ぜひ、仕事上の問題などでお悩みの組合員の方は、お気軽に組合へご相談いただけたらと思っています。

またまた記事タイトルと異なった内容が長くなり、たいへん恐縮です。さて昨日、「はじめまして。地方公務員は天国だと聞きますが、本当ですか?」と短い質問のコメントが寄せられました。そのコメントには「公務員って最高じゃん?」のURLも貼ってありました。その直前、過去の記事(「はめられた公務員の警告」)にも同じURLを貼っただけのコメントがあり、両方とも匿名の方でした。

この「公務員のためいき」を開設している目的を考えれば、即座に答えるべき率直なご質問だと受けとめました。1回目の返信の時、「意見交換をスムースに行なうためにも、できれば名前欄をご記入いただければ助かります。もちろん、ハンドル・ネームなどで結構ですので…」ともお願いしました。

その返信コメントを投稿した直後、今度はnikkiさんという方から「公務員と民間とを平等にするだけで、激しく抵抗する公務員。やはり既得権の味を知ってしまうとやめられないのでしょうかね」とのコメントが届きました。やはり同時に「公務員OB90万人の年金減額」を報道したニュースのURLも添えられていました。

最初のコメント2件の投稿もnikkiさんだと思われましたので、お願いに対して即反応していただいたことにお礼申し上げました。2件の単刀直入なご質問に対して取り急ぎコメント欄でお答えしましたが、簡潔な答え方は非常に難しく、言葉が足らず誤解を招く恐れもありました。いずれにしても大事な問いかけでしたので、改めて記事本文でも取り上げさせていただきました。

まず天国という言葉が適切かどうか分かりませんが、確かに公務員の労働条件は基本的に確立しています。「勝ち組」「負け組」の格差社会が広がる中、急激に「公務員は恵まれすぎている」の声が強まってきました。加えて、公務員の存在そのものが財政破綻の元凶のような見られ方をしています。

しかし、自治体職員の勤務条件は地方公務員法によって社会一般の情勢に適応させる原則があり、本来、処遇が突出する社会的な仕組みになっていません。それでも社会情勢の変化の中で、過度な厚遇だと指摘された点は全国の各自治体で見直しを進めている最中です。

また、既得権イコール悪との見方にも少し疑問があります。見直すべき権利、守るべき権利、その判断は民間も公務員も共通な原則として、労使交渉で決めるべきものと考えています。労使で充分話し合い、その結果、既得権が大胆に削られることもやむを得ないものと思っています。

このブログを通して再三訴えてきたフレーズとして、「襟を正すべき点は正し、主張すべき点は主張する」「変わるべき時は変わり、守るべきものは守る」があります。さらに今までも同様な趣旨のコメントを多数いただき、真摯な議論を重ねてくることができました。

初めて訪問された方へ「以前の記事にも答えが書いてあります」のような言い方は失礼なことだと思っています。と言いながらも、ぜひ、お時間がある時、バックナンバーやコメント欄にも目を通していただければ幸です。よろしくお願いします。

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2006年4月19日 (水)

組合に入らないデメリットは?

昨夜、fufunyanさんのブログ「fufunyanの日記」と相互リンクさせていただきました。fufunyanさんは公務員試験関連のSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)を運営している方で、たくさんの公務員関係のブログともリンクされていました。ちなみに「困ったときの用語集」で調べたところ、SNSとは参加者を明確にした会員しか利用できないブログや掲示板のサービスだそうです。

私のブログへは、できれば一人でも多くの方にご訪問いただけたらと願っています。したがって、fufunyanさんからのリンクの呼びかけに対し、二つ返事でOKしました。このようなつながりや広がり方ができることは、ブログの魅力の一つだと思っています。fufunyanさん、これからも、よろしくお願いします。

さて、最近の記事「新入職員の皆さんへ」に対して、エニグマさんから「公務員の組合って入らないとデメリットって何かあるのでしょうか?」とご質問をいただいていました。取り急ぎ、コメント欄で「基本的な労働条件の違いはありません。いろいろな意味で、貴重なご質問ですので、近いうちに記事本文でも取り上げようと思います」とお答えしていました。

少し間を開けてしまいましたが、改めて組合に入らないデメリットについて考えてみます。なお、「fufunyanさんの日記」のリンクから初めてご訪問された方もいらっしゃるかも知れませんので念のため、このブログで組合と言った場合、労働組合のことを指しています。

その記事「新入職員の皆さんへ」で紹介したとおり公務員の組合加入はオープンショップ制であり、民間組合で採用されているクローズドショップ制と異なり、組合に入らなくても解雇されることはありません。入る入らないは本人の自由意志が尊重されます。

以前の記事「組合の魅力アップへ暗中模索」でも取り上げましたが、ここ数年で片手ほどの未加入者を出しています。全体的な加入率は99%を維持していますが、ここ数年の新規採用者だけ見ると加入率は95%を割り込む計算です。

組合へ加入しない理由として「組合費を払いたくない」「組合へ入るメリットを感じない」などがあげられています。確かに組合に入っていなくても労働条件は同一です。最近は賃上げなどプラスの成果は出しづらくなっていますが、組合交渉があるからこそマイナス幅をとどめている成果も出しています。当然、組合費を払っていない職員も同様な恩恵を受けとることができます。

一方で組合加入のメリットとしては、組合独自の福利厚生、スケール・メリットを活かした自治労の共済制度、いざと言う時に親身になって相談できる労働金庫の利用などがあります。月3千円ほどの組合費に対する直接的なメリットを求めた場合、確かに見合ったものとは言い切れません。

だからと言って、皆が皆、直接的なメリットを感じないことを理由に組合に入らなかったら当然、組合はつぶれます。組合があったからこそ今の労働条件があり、組合があるからこそ厳しい行革の時代でも職員の目線でのチェック機能を持つことができます。ここで以前の記事「組織の力、大事な力」をご紹介し、昔から組合に伝わる「一人は皆のために、皆は一人のために」の言葉もご紹介させていただきます。

最後に報告です。この4月に入所された新人の皆さんは、今のところ順調に組合加入していただいています。今のところと申し上げましたが、出先職場に配属された何人かの方から加入届を受け取れていないと聞いているだけです。つまり現時点では単なる実務上の遅れであり、今年は新人の皆さん全員が早期に組合加入していただけるものと期待しています。

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2006年4月15日 (土)

多様な価値観 Part2

金曜の夜、職場の歓送迎会がありました。2次会のカラオケまで大勢が参加し、ますます宴は盛り上がっていました。その席で「ブログ、ずっと読んでますよ」と声をかけられ、意外な場所で思いがけない会話ができました。

かなり以前の記事の内容までしっかり覚えている熱心な読者だったことが分かり、とてもうれしく手応えを感じる場面でした。だからという訳ではありませんでしたが、久しぶりに遅い時間まで飲んでしまいました。そのため、翌土曜は一日、頭の中がモヤッとしたままでした。

さて本題ですが、こちらも久しぶりに「Part2」としました。投稿した記事で不充分な点があっても、次の記事で補えるのが日記風ブログの良い点だと考えています。それでも、その記事だけに訪れる方も多いと思いますので、一つ一つの記事に対して「一期一会」の気持ちで作ることも忘れていません。

本題と言いながら、またまた余談が長くなり申し訳ありません。前回記事「多様な価値観」に対し、ハマーさんの記事(怒りを、実質的な力に変えるのが「運動」だ!フランスのたたかいから)をトラックバックいただきました。ありがとうございました。

そのハマーさんの記事の行間から「国民の約半分は小泉首相の支持者である事実を謙虚に受けとめる」と書いた私の記事への叱咤激励を感じることができました。決して「逃げ腰」や「あきらめ」で前回記事を書いていませんが、積極的に「運動」を作ろうとしているハマーさんから見れば「歯がゆさ」を感じられ、私の「多様な価値観」へメッセージを送っていただいたものと思っています。

また、WontBeLongさんの記事(日本人は、もっと「数の力」を信じるべきではないか?)への私のコメントに対し、WontBeLongさんから次のような返事をいただきました。

OTSUさんのような、労組をリードする立場というような方は、小泉さんの高支持率を謙虚に受け止めるという慎重な姿勢は大事なのだろうと思いますし、それができるOTSUさんには敬服します。しかし、私のような一市民としては、このブログで2005/11/10に書いたように、世論調査の結果はちょっと眉唾ものだと思っています。実際は、小泉路線に反感を持つ人の「数」は結構多いのではと期待しています。もし、そうであれば、「見せかけ」の高支持率に惑わされないように気をつけなければと思います。

私のまとまりのないコメントに対し、ていねいな返事をいただき、たいへん恐縮です。おほめの言葉が少々照れくさくもありますが、確かに組合員1,500人の単位組合の代表である立場から発言している側面も否めません。個人の責任による個人的なブログとはいえ、組合のニュースなどでもPRしていますので常に「組合委員長」の立場も意識した記事に努めています。

今回の事例で考えれば、1,500人の中には小泉首相を支持している組合員の方がいても不思議ではありません。だからと言って、発信する言葉の歯切れが悪くなったり、主張する内容を薄めようとは考えていません。大事な点は「小泉首相支持者」からも共感を得られる言葉や中味を意識することだと思っています。

当然、答えや正義は一つであることが多いかも知れません。けれども、その答えに異論を持っている方々へ「これが正しいのだから従うべきだ」とストレートに訴えても、感情的な対立を招く場合が多いはずです。お互い「多様な価値観」を認め合いながら「そうですね。だけど、こうではないですか」としたYES&BUT方式が、見知らぬ者同士や不特定多数の間で議論できるブログの世界では特に重要だろうと考えています。

したがって、ハマーさんやWontBeLongさんらの問題意識や考え方は、まったくその通りだと思っています。その上で、ある面では軟弱に見られるかも知れませんが、私の「運動」の進め方はYES&BUTを心がけようと意識しています。さらに蛇足ですが、決してブログの「炎上」が怖くて言っている訳ではありませんので…。(「炎上」しないのに越したことはありませんが…)

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2006年4月13日 (木)

多様な価値観

相互リンク「ド素人の政治・経済Q&A」のWontBeLongさんがご自身の記事(日本人は、もっと「数の力」を信じるべきではないか?)の中で、前回記事「フランス政府が若者雇用策撤回」をご紹介いただきました。、私の「怒るべき時に怒らない、もしくは怒ることができない国民にならないよう心がける必要性を感じています」に共感された内容でした。合わせてトラックバックもいただき、たいへんありがとうございました。

そのWontBeLongさんの記事へ、私から次の内容のコメントを投稿させていただきました。

確かに「数の力」は信じたいと思っています。ただ180度違った視点での情報があふれている中で、答えを一つにして国民がまとまる難しさも感じています。例えば私は小泉政権を問題視していますが、常に国民の約半分は小泉首相の支持者である事実を謙虚に受けとめるべきものとも考えています。

そのコメントの結びに「まとまりのないコメントで恐縮でしたが」とお詫びしましたが、後から読み返すと本当に分かりづらい文章だったと反省しています。他の方のブログへ投稿したコメントは自分で書き換えることはできませんので、どうしても気に入らない場合は追加コメントで補うしかありません。

いずれにしても長々と説明しそうな予感があり、追加コメントは失礼だと考え、自分の記事で言葉足らずだった点をフォローさせていただきます。

WontBeLongさんもアメリカのような格差社会を危惧し、今の小泉政権に異論を持たれているものと思われます。また、たびたび私の記事内容に賛同いただいたことも心強く感じてきました。二人の似通った価値観が多数派であり、手法を工夫することによりフランスのように大きな「数の力」に発展できることが私にとっては理想です。

ただ80%を超えていた初期の勢いはなくなったとは言え、小泉首相への支持率は一貫して50%前後を推移しています。つまり国民の約半分は常に小泉政権を支持していることになります。その事実を謙虚に受けとめる…、決して「長いものに巻かれろ」とした弱気な考え方ではありません。

自分の考え方が絶対正しく、そう考えない人たちは間違っている、「小泉劇場」に踊らされた人たちなどと発言すれば、国民の半数は不快に思うだろう事実を受けとめるべきものと考えています。加えて、小泉首相の示してきた政策や理念に賛同した結果、確信を持って支持してきた方々に対し、「小泉劇場」を強調するのは失礼なことだと思い始めています。

また、インターネットの普及により、低コストで、多種多様な情報や他人の意見を手軽に入手できる時代になっています。と同時に一つのの出来事に対し、180度違った視点での情報があふれているのが現状です。

最終的には自分なりの評価や判断を下す必要がありますが、様々な情報に対して私自身、まず第一は「多様な価値観」があることを前提に接していこうと心がけています。そして、180度違った視点での情報や意見に出会えるインターネットの普及は、たいへん貴重なことだと考えています。

そのようなインターネット環境の中で、「多様な価値観」が存在しているのにもかかわらず答えを一つに言い切った場合、建設的な議論につながらない恐れがあります。だからこそ、小泉首相を支持している方々が大勢いらっしゃることを尊重しながらも、このブログを通して「だけど私はこう考えています」と謙虚に、時には大胆に訴えていくつもりです。

本当に長々とした説明となり、たいへん恐縮でした。それでも思いが充分伝えられたかどうか分かりません。また、WontBeLongさんの「数の力」に水を差すような意見に聞こえたかも知れませんが、私も「声を出すべきときには諦めずに声を出せば、まだ今なら一部の強者に抗うことができる」のご意見に強く共感していることを付け加えさせていただきます。

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2006年4月11日 (火)

フランス政府が若者雇用策撤回

フランスのシラク大統領は10日、全土で反発を招いた若者の雇用対策を撤回する方針を明らかにした。シラク大統領の決断は、フランス経済を改革する重要な雇用創出策として初期雇用契約(CPE)を推進してきたドビルパン首相にとって打撃となった。 

同首相はテレビ演説で「若者側にも企業側にも、信頼感や冷静さといったCPEの導入に必要な条件が整っていない」と述べ、若者の雇用について労働組合と協議の場を持つ方針を示した。同首相は、CPE導入により、現在22%となっている若者の失業が低下すると主張していた。

失業はフランスで最も深刻な政治問題で、昨年末に低所得者居住区で数週間にわたって起きた暴動も失業問題が主因だった。CPEが導入されれば、企業は2年間の試用期間中に26歳未満の従業員を理由を説明せずに解雇できることになっていた。

若者の雇用を不安定にするとしてCPE導入に反対していた労働組合側は、勝利を宣言。労組FSUの幹部は「これは紛れもなく社会運動の勝利だ」と述べた。(ロイター)

冒頭からインターネット配信のニュースを引用し、自分で書き込む手間を省かさせていただき恐縮です。さて、硬直化した労働市場の改革や国際競争力を高める意図で、フランス政府は今回の政策を打ち出しました。結果的に学生や労働組合の猛反発を招き、前述の報道のとおり政府側が白旗を揚げ、2か月余り続いた社会的な混乱状態が収束に向かいました。

その政策内容の評価は横に置かせていただきますが、政府が強行した法律そのものを反対運動によって覆したフランス国民のパワーに驚かされました。参加者が最大規模で300万人を超えたデモ、2波にわたるゼネスト、それを先導したフランスの学生と労働組合員らの凄まじい団結力には感嘆しています。

300万人集めたデモは自然発生的なものではなく、その核となる部分は主要労組や学生団体が組織的に呼びかけたものでした。複数の団体があるようですが、この問題に対しては一枚岩にまとまったものと思われます。

また、略してゼネスト、ゼネラルストライキは総罷業、つまり全産業にわたる全国的なストライキのことです。日本では単発なストライキそのものが珍しくなっている中、残念ながらゼネストの言葉自体が忘れ去られようとしています。

フランス社会の中にも様々な問題や矛盾を抱え、とりまく労働環境などは日本と異なるはずです。したがって、若年層の意識や労働組合のあり方などを同じテーブルの上で比べることは適切ではありません。

それでも、かつて日本も60年安保闘争の時など、多くの国民が政府に対して怒りを一つにしたこともありました。今後、そのような場面が訪れるのかどうかは分かりません。怒る必要のない政治が続くのならば問題ありませんが、怒るべき時に怒らない、もしくは怒ることができない国民にならないよう心がける必要性を感じています。

そのためにも、社会的な影響力や組織としての力を発揮できる労働組合の役割は重要です。だからと言って、決起集会やデモを頻繁に行なえば良いとは思っていません。逆に春闘期などに開かれる公務員関係の決起集会の多さは、職場課題で追われている単組役員を消耗させ、上部団体の要請に充分応えられない精神的な負い目を生じさせている現状です。

国策を変えさせたフランスの例からも、大衆運動の大事さは充分認識しています。だからこそ決起集会のあり方について、もう少しメリハリをつけていただけたらと願っています。ぎりぎりまで大衆動員のタイミングはひき付け、300万人は夢物語としても決起する際は総力をあげ、多くのマスコミに取り上げられるインパクトある集会が開けたら最高です。

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2006年4月 8日 (土)

小沢民主党代表への期待感

昨日午後、小沢一郎さんが民主党の新代表に選出されました。菅直人さんとの一騎打ちとなり、両院議員総会での投票結果は小沢さん119票、菅さん72票で47票差をつけた決着でした。今日午後には菅さんが代表代行に就任し、鳩山幹事長らが留任した新執行部人事が決まりました。

昨年9月に菅さんを2票差で破り誕生した前原前代表は、就任当初、清新なイメージで好意的にマスコミから取り上げられていました。その一方で、私はブログの記事「前原民主党新代表に思うこと」の中で、いくつか疑念点を投げかけていました。

まず支援してきた労働組合に対して手のひらを返し、とりわけ公務員組合を突き放したような発言が不快に感じました。総選挙で圧勝した小泉首相の「二番煎じ」的な手法に思え、相手方の土俵に乗っていくような安直さも気になりました。

後日、マスコミ報道は誤解して伝わっているとの釈明があり、連合との関係を断ち切りたい訳ではないことを確認しています。さらに私どもの組合が所属する連合三多摩では「前原民主党代表と語る会」を開き、相互の不信感を拭うように努めました。

この間、結果的に信頼関係を揺るがす発言が前原前代表には目立ったように思えます。訪米して「中国脅威論」を発言し、その後の中国訪問では期待した要人と会談できなくなる結果を招きました。

前原前代表は「中国の軍事力を脅威」と言っただけで、軽率な発言ではなく、信念に基づいたものだと弁明されていました。また、この発言を高く評価している評論家やマスコミがあったことも承知しています。

それでも、もともと民主党はアメリカ追随一本ではなく、対中外交も重視していたはずです。だとすれば、中国との信頼関係を築くための戦略的な工夫も必要であり、わざわざ敵視されるような「中国脅威」発言は稚拙だったのではないでしょうか。

前原前代表は卓越した政策を持ち、とても実直な方だったと思います。ただ自分の発した言葉の重さや波及する結果に対し、僭越ながら今一つ想像力が欠けていたように思えました。その点が今回辞任の引き金となったメール問題でのつまずきへの伏線だったのかも知れません。

もう一つ、安全保障の考え方にも疑念を持っていました。平和憲法への対応は自民党と同様か、それ以上に平和主義を前提としない政策的な方向性だと危惧していました。北朝鮮の拉致問題や上海総領事館職員自殺事件への中国公安当局の動きなど、国際政治の中で相手方が善人ばかりでないことは認めざるを得ません。

だからと言って、イギリスのようにアメリカと一緒に戦争できる国に向かうことは絶対避けるべきです。安全保障や国際貢献のあり方については様々な考え方がありますが、「戦争は起こさない」という命題に対して日本国憲法の平和主義はたいへん貴重だと考えています。その意味で、小沢代表が掲げた「憲法理念に基づく国連中心の安全保障原則の確立」は非常に頼もしく感じています。

自民党時代から今までの小沢代表の過去を振り返った時、不安感がないとは言えません。しかし、自民党との明確な違いを打ち出してくれそうな期待感が強まっていることも確かです。まだまだ民主党を見限りたくない一支持者として、今後、小沢代表が実力を存分に発揮していただけるよう心から願っています。

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2006年4月 5日 (水)

新入職員の皆さんへ

今週月曜日、私どもの市役所へ36名の新規採用の職員が入所しました。社会人経験採用枠の数名の方が3月末までに今までの職場を退職できず、5月以降に入所する予定です。したがって、今年度は最終的に40名を超える新人の皆さんを迎えます。

新任研修2日目の昼休み、組合として挨拶に伺うのが毎年の恒例となっています。委員長挨拶から組合の簡単な説明、そして、早期の組合加入を呼びかける場でした。以前は組合役員と書記局のメンバー、なるべく全員が顔を出すようにしていました。

そのため、20名近くが新人の皆さんを取り囲む形となりました。迫力ある顔(?)の組合役員もいる中で、新人の皆さんへ威圧感を与えていたかも知れません。組合加入後、別な日に本格的な説明会兼歓迎会を催すことでもあり、数年前から必要最小限の人数で臨むように切り替えました。

大勢で押しかけていた頃は昼休み時間を大幅に割くことになるため、組合が新人の皆さんへお弁当も用意していました。組合側の人数を絞った際、挨拶や説明の時間も簡潔にし、お弁当を出すのもやめています。と言うことで、組合を代表した私の挨拶も非常に簡単なものでした。

職員数を一人でも削減したい市の方針がある中で、組合は市民サービスの維持・向上のためにも、職員が健康で働き続けていくためにも、必要な部署に必要な人員配置が必要だと考えています。その意味でも今回、多くの新入職員の皆さんを迎えることができたことに組合はもちろん、先輩職員一同、心から歓迎し、期待しているところです。

大阪市の問題のマスコミ報道などで、組合に対してネガティブな印象をお持ちの方が多いかも知れません。しかし、組合の存在は絶対必要なものですので、そのことにご理解いただき、ぜひ、早期に組合へ加入いただけることを願っています。

以上が新入職員の皆さんへの挨拶内容の要旨でした。配付した数多くの資料の中には、このブログの紹介記事が掲載された組合機関誌も入っていました。組合を理解してもらう一つの材料としてブログの紹介もすべきかどうか迷いましたが、さすがに気恥ずかしさが勝り、挨拶の中では一言も触れませんでした。

それにもかかわらずタイトルを「新入職員の皆さんへ」としたチグハグさには目をつぶってもらいながら、今回、組合加入の方式について取り上げてみます。改めて復習しましたが、組合加入の方式は次のとおり3種類があります。

まずクローズドショップです。使用者が雇用する労働者は組合員から雇用しなければならないとする制度です。労働者が組合員である資格を失った時、使用者はその労働者を解雇することになります。産別労働組合が中心であるアメリカなどで見られますが、日本では採用されていない制度です。

次にユニオンショップ制です。使用者が労働者を雇用する時は組合員であってもそうでなくても構いませんが、雇用された労働者は一定期間内に組合員にならなければならないとする制度です。一定期間内に組合員にならなかったり、組合員である資格を失った時、使用者はその労働者を解雇することになります。

最後にオープンショップ制です。使用者が雇用する労働者に対し、特に組合員であることを雇用条件としない制度です。公務員組合は労働基本権制約の一つとして、ユニオンショップ制が認められず、すべてオープンショップ制となっています。

若い人たちの組合離れの危機感が強まる中、確かにオープンショップ制は組合役員にとって非常に苦しく感じる時(バックナンバー参照)があります。それでもオープンショップ制は組合員となる意識付けに直結する制度であり、しっかり団結した組織となるためにも乗り越えるべきハードルだと前向きにとらえています。

今年の新人の傾向について、表面は従順でも時には大胆な自己主張する「ブログ型」と名付けられているそうです。だからと言う脈略の話ではありませんが、このブログを新入職員の皆さんが気軽に訪れ、組合を身近に感じていただけるよう密かに願っています。そして、早期の組合加入をお待ちしています。ぜひ、よろしくご検討ください。

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2006年4月 1日 (土)

地公法第36条と政治活動

今日から新しい年度に入ります。役所は4月から翌年3月までの1年間が事業や会計などの区切りとなる年度となっています。また、昨日3月31日は退職される皆さんとご挨拶させていただきました。改めて本当にお疲れ様でした。いろいろお世話になり、ありがとうございました。ぜひ、これからの新たな人生のスタート、頑張ってください。

今年は4月1日が土曜日であり、保育園や図書館など一部の職場を除き、多くの職員の実質的な新年度は3日月曜から始まります。ちなみに私自身は明日日曜、一足早い新年度を迎えます。転出転入の多い年度末と年度初めに臨時窓口が開かれるため、その当番での出勤です。

さて、前回記事「政治方針確立の難しさ」へtokoさんから地方公務員法第36条と公務員組合の選挙闘争の関係についてコメントをいただきました。お気遣いが伝わる書き方での貴重なご指摘にたいへん感謝しています。ありがとうございました。

実は組合員の方からも同じような質問を受ける時がありました。すでにコメント欄でお答えしましたが、その内容をお読みいただく場合は記事本文最後の「コメント(2)」か「最近のコメント」欄を1回クリックする必要があります。そのため、コメント欄まで読まれない方がいらっしゃるかも知れませんので、なるべく大事な問題は記事本文でも扱うように心がけています。

ご指摘のとおり地公法第36条で、地方公務員は特定の政治的立場に偏らず、中立であることが求められています。ただし、この法律をもって地方公務員の政治活動が一切禁止されている訳ではありません。公職選挙法の規定により、地位利用による選挙運動の禁止や公務員のままで立候補できない点、さらに当該職員が属する区域での選挙運動などが制限されている程度です。

付け加えると公選法に基づく選挙は事前運動が禁止され、告示日以降でないと行なえません。したがって、告示日前は日常の政治活動に位置付けられています。公選法で選挙運動は、特定の選挙において特定の候補者の当選を目的として投票を求める行為とされています。

したがって、告示日前に「今度の市議選で○○さんへの投票をお願いします」は問題があり、「○○さんはこのような考え方で政治活動を進めています。ご支援をお願いします」は許容範囲です。この違いを以前の記事「選挙運動とインターネット」でも取り上げましたので、お時間がありましたらご覧になってください。

また、地公法第36条は職員の政治的行為の制限を定めていますが、この規定は労働組合の政治的行為を制限するものではありません。組合が特定の選挙へ向けて、特定の候補者の支持や推薦を決め、組合員へ周知することは組合活動の範囲とされています。

以上のように法的に問題ないとされた一線を遵守し、組合として一定の政治活動に取り組んでいます。なお、国家公務員は人事院規則によって地方公務員より政治的行為の制限が厳しく、特定の政党を支持した運動そのものが難しい立場とされています。

ちなみに今後、地方公務員の政治活動も厳しく制限しようとしている動きがあります。背景として政権維持に危機感を抱いた自民党が、民主党の応援団である自治労など公務員組合の政治力の弱体化を狙ったものと見られていました。民主党の総選挙での惨敗やメール問題での自滅など、自民党に余裕が生まれたのか、この国会での具体的な動きはなさそうですが…。

最後に一言。今までも繰り返し述べてきたことですが、組合の政治活動は組合員の労働条件の維持・向上のための手段であり、日常の職場課題と主客逆転するようでは本末転倒なことだと考えています。そのような趣旨をご理解いただき、できる範囲内での組合の政治活動へのご協力をよろしくお願いします。

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