ダメ職員を守る組合?
前回記事「組合事務所の扉」へエニグマさんとハマーさんから真摯に受けとめるべき内容のコメントをいただきました。韓国旅行から帰られた若手経営者さんからも、さっそく公務員に対する辛口記事のTBをいただきました。ありがとうございました。
ハマーさんの言われるとおり自分たちの職場の問題は、自分たちの知恵と努力で解決できることを私も願っています。それはゴタゴタを隠蔽したいからではなく、同じ職場で双方がスッキリ働き続けられることが理想だからです。
エニグマさんから「三多摩の役所には非常識な人間はいないのですか」と言われましたが、少なくとも私の知る限り意図的に極端な怠け方をする職員は見当たりません。このように主張するとエニグマさんから、また「典型的なお役所発言」と批判されるかも知れません。
もしかしたら私の市の職員からも「そのように言い切れるのか」と指摘があるかも知れません。前回と前々回記事「公務員は働いていない!? リターンズ」で書いてきましたが、ある程度働き方に個人差が出ることは当然だと考えています。
その差が極端なのか、意識的に働いていないのかが大きなポイントだと思っています。その意味で、私の職場では「非常識な職員は見当たらない」と信じています。誤解されないよう前回記事でも述べましたが、決して働かないことを擁護した意見ではありませんのでご理解ください。
ところで、どうしようもないダメ職員がいた場合、エニグマさんらは「税金の無駄使いだから駆逐せよ」と言われるものと思います。そして、ダメ職員を組合が守ることは両刃の剣であり、無差別に労働者を守る組合は問題だとエニグマさんは主張されていました。
これから述べることも非常に誤解を招きそうですが、仮にダメ職員だったとしても即クビとなる事態を避けさせるよう組合は動くことになります。このことで「ダメ職員を守る組合」と決め付けられるのは悩ましいことですが、とにかく組合員の雇用を守ることが組合の一番の責務であるため即決の回避に向けて努力します。
当然、その職員が実際に大きな問題を抱えていた場合、そのままの状態を組合が是としていく訳ではありません。弁明の機会と再起のチャンスを与えた上で、その職員の問題点の改善に向けた役割を組合の立場から間接又は直接関わることになります。
きっとsakiさんともりさんの職場の問題は、このような方法論で今さら対処できないレベルだろうと推察しています。したがって、深刻な思いでコメントをくださったお二人は「何を能天気に…」と失望されているかも知れず、たいへん申し訳なく思っています。
いずれにしても、以上のような私の考え方が絶対的なものだとは思っていません。歯切れが悪かったり、建前論ではないかの指摘があっても否めません。その意味では、このブログを通して率直な意見交換ができ、より良い方向性が見出せることを願っています。
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コメント
実際に行動を起こせないでいる私がコメントをするのはどうかとも思いましたが、自分の悩みではなく、組合活動についてのお話なので、別の話題として考えをお伝えしたいと思います。
「ダメな職員が存在する」という前提でお話しすると、その職員が必ずしも平の職員であるとは限りません。それが公用車を乗り回すような立場の人間である可能性、「処分を決定する側の人間」である可能性もあります。公用車を私用で使うような上司に対して「こんなことは納得できません」と部下が正論で立ち向かった場合、「目障りだから自分の権限で何とかしてしまえ」ということも起こるかもしれません。いきなりクビにはできませんが、不当な人事や不当な処分が行われる可能性はあります。組織と個人の間に入って「人事や処分が適切なものであるか」を直接監視する機関は、今のところ組合しかありません。私の所属する組合は、全ての人を無条件で守るわけではなく、処分されても仕方がないと判断した職員については、それを受け入れているようです。(個人情報などを含むので、そういった情報が意図的に公開されることはないようですが---)
組合の活動はその性質上、圧力や不公平を監視するという部分が強いと思います。現実の世界では、弁護士・裁判所・検事・警察など、様々な組織があって初めて均衡がとれます。有能な人材の評価や無能な人材の処分など、組合に全ての機能を求めるのは酷だと思います。
私自身、自分のことでは組合の方に何度も相談して、現実の選択肢の中でどうしていくべきか、いろいろな助言をいただいています。組合は過去の様々な事例や情報をストックしているので、一人で悩んだりしている人にとっては、とても心強い相談相手です。理想としては、真面目な働き手を守る組合と、不誠実な職員を相互監視して対応できる体制、そして公平な判定を下す独立機関があればいいのでしょうが、現実には難しいと思います。
投稿: saki | 2006年3月12日 (日) 14時14分
sakiさん、いつも貴重な提起となるコメントありがとうございます。
人事権などがあるダメ職員の問題、さらに組合とも相談されていたことをお聞きすると、ますます私の記事内容がピント外れだったと赤面しています。「わらをもつかむ」思いだったかも知れないのに「わら」にもなれず、たいへん申し訳ありません。
何の力にもなれませんが、モヤモヤ感を発散する場でも結構ですので、よろしかったら今後もコメントをお寄せください。お待ちしています。
投稿: OTSU | 2006年3月12日 (日) 22時18分