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2006年2月 9日 (木)

学校給食のあり方、検討開始

最近は内輪ネタの投稿が続いているせいか、一時期の白熱ぶりが嘘のようにパタッとコメント件数が減りました。ずっとハイテンションの議論が続くのも息切れしそうですので、このような凪の期間も時には必要だろうと思っています。

一方、「公務員」論議の仕掛人だった若手経営者さんのブログは非常に精力的です。現在、ホームレスの話で賛否両論のコメントが飛び交っています。また、若手経営者さんは数多くの方のブログへトラックバックをされている様子であり、そのバイタリティにも驚かされます。

中には「テーマに関連のないトラックバックはご遠慮ください」とコメントを返される方がいますが、多くの方が「トラックバックありがとうございました」と返事をされています。やはりブログを開設している大半の方は、自分のブログへ一人でも多くの方からアクセスいただくことに対して悪い気がしないようです。どちらかと言えば私も、明らかに営業目的や迷惑なものでない限り、新規訪問者からのトラックバックを歓迎しています。

さて、私ども組合の各調理職場の代表が集まり、学校給食のあり方を検討する委員会が発足しました。昨日夕方、その第1回目の会議が開かれ、委員会の位置付けや役割分担などを決めました。今後、毎月1回は会議を開き、学校給食のあり方について現場を熟知した職員の目線で検討を加えていくことになります。

現在、小学校給食は直営(自校方式と共同調理場方式の併用)で、後から始まった中学校給食は民間業者へ委託しています。今年度策定された市の行革プラン(5か年計画)の中で、「小学校給食も民間委託化を検討」と書き込まれました。そのプランに基づき労働条件の変更が伴う場合、組合と事前に協議する確認を交わしています。

したがって、当局側から学校給食の見直し提案が示されるのは必至と判断し、今回、現場組合員が主体的に参加した「学校給食のあり方検討委員会」を立ち上げる運びとなりました。今後、どのような提案が当局側から示されようとも、しっかり対峙できる組合側の橋頭堡となる組織に位置付けています。

以前の記事「学校給食への安全責任」でも述べましたが、組合は「民」の役割そのものを否定している訳ではありません。また、「民」が担うとBSE問題などで食の安全が脅かされ、給食の質も低下するなどと言った話は民間の方々へ失礼だと思っています。

耐震強度偽装や東横インの問題などは一部の不届き者の仕業であり、例外なのかも知れません。しかし、利益追求を目的とする「民」へ、今まで行政が責任持ってきた分野を委ねる場合、慎重かつ多面的な検討が欠かせないものと考えています。

食の安全や食育の問題などを踏まえれば、学校給食に対して直営責任を貫くことは非常に重要であるはずです。イギリスの事例として、1980年代から急速に学校給食の民営化が進み、今ではフライド・ポテト、チキン・ナゲット、ピザ、ハンバーガーが主流となり、材料は冷凍食品か缶詰、野菜や果物はほとんど付かない給食内容となっていました。

その結果、肥満児童が急増し、野菜が畑から取れることを知らない子どもが出るほど、食に対する教育の貧弱さを招いていました。ようやくイギリス国民も危機感を持ち、昨年あたりから給食改善運動が全国的な広がりをみせてきました。元毎日新聞の阿部菜穂子さんが、その動きをレポートしていますので、参考までにリンク先をご覧になってください。

また、学校給食職場においても「変わるべき時は変わり、守るべきものは守る」が当てはまります。自分たちの仕事に対し、付加価値を高めていくためにも学校が休み期間の業務のあり方が問われています。その期間、メンテナンスや研修などを集中的に行なっていますが、どうしても給食実施日との労働密度の差は否めません。

この問題が取り沙汰されるため、以前から民間委託化の話がクローズ・アップされがちでした。その指摘に対し、組合側として一つの案を検討しています。夏休みなどに、学童保育所への給食サービスの実施です。夏冬春休み、朝から学童保育所は開いていますが、その期間は弁当持参となります。このサービスが実施できれば、とりわけ働いているお母さんたちから大歓迎されるものと思います。

学校給食の直営責任の意義を広く市民の皆さんへご理解を求めながら、このように職員側が率先して市民サービスの向上に努めていくことが非常に重要です。単に「自分たちの職場を守る」だけの運動では、市民の皆さんからの共感は得られづらいものと思っています。今後、「官から民へ」の激しい流れに対抗するためには、学校給食職場にとどまらず、改めて自分たちの足元を見つめ直す機会とする必要性を痛感しています。

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コメント

 学校給食がテーマのようなので私もひと言発言させていただきます。ときたま学校給食が話題になりますが、そのときは誰が学校給食の主役なのかが曖昧な様な気がします。市民・公共サービスの重要性は十分認識してますが、学校給食の主役は「子どもたち」であり、その子どもたちのためにどれだけ「安全でおいしい給食」が提供できるかが学校給食業務に携わっている職員の使命ではないのでしょうか。
 安易に委託を推進する市側は「子どもたちの食の安全は責任を持って私たちが守っていきます」という認識がないように感じられます。昨年5月に食育基本法が制定され食は教育という位置づけが明確にされました。その教育を市がコストのみで業務を委託しようとしていることに疑問を抱かざるを得ません。
 また雇用されている職員も学校給食委託反対運動をを行っていますが、その守るべきモノがはっきり見えてこないことが往々にしてあります。本来守るべきモノは自分たちの「職」や「雇用」ではなく、「子どもたちの命」だと思います。BSEや環境ホルモン、食品添加物、残留農薬など食に関する問題が多々あります。そういうことを自分たちで考えていかなければならないのではないでしょうか。長々と取り止めのない話で申し訳ございませんでした。

投稿: カフェオレ | 2006年2月10日 (金) 20時44分

カフェオレさん、コメントありがとうございます。
ご指摘のとおり学校給食の主役は「子どもたち」であり、「安全でおいしい給食」のためにどうしたら良いのか、その視点を大事にしながら今後の検討を進めていきます。
これからも貴重なご意見をよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2006年2月10日 (金) 20時54分

ご無沙汰しております。

学校給食の件でいくつか質問があります。ニュース等で報道されているのかもしれませんがご教示願います。

学校給食に従事している方々は完全な公務員の方なのですか?
夏休みなどはその方々は何をしているのですか?その間、仕事も休みだった場合給与は出ているのですか?

私は食の安全を考えた場合、給食という子供が主役の部分においては利潤追求という考えには疑問を感じます。利潤を追求する以上、必ずどこかにしわ寄せが生じます。普段はそれが私たちのサービス残業だったりするわけです。それは我慢できます。しかし、それが子供の食の安全を脅かすような事につながる可能性があるなら民間委託には反対ですね。
自分が子供を持ったから、考えるようになったわけですが子供は大人が守ってあげなければならないと思います(過保護とは違います)。
自分勝手な意見ですが、子供に関する事は多少の不採算であっても有益なことなら実施、継続していってもらいたいです。ただ、そうも言ってられない財政状況なのでしょうね。
でもイギリスのようにはなって欲しくないですね。

投稿: エニグマ | 2006年2月11日 (土) 12時48分

エニグマさん、久しぶりのコメント、ありがとうございました。
まずは、ご質問にお答えします。直営と言った場合、調理員は公務員となります。その中には勤務日数などが短い非常勤職員の方もいらっしゃいます。
また、学校が休み期間も常勤調理員の仕事がない訳ではありません。その時期に機材や施設のメンテナンスや清掃、衛生研修などを集中的に取り組んでいます。しかし、記事でも書きましたが、給食実施日とそうでない日の労働密度に差があることは否定できません。
「その時期があるから普段のきつさを乗り切れる」との声もありますが、この間の「公務員」論議を踏まえれば、職員自ら「変わる」必要性を感じなければなりません。
子どもたちに安全でおいしい給食を行政が責任持って続けていくためにも、私たち自身、知恵と汗を惜しまず努力します。
その上で、このようなエニグマさんからのご意見は、たいへん心強く思います。ぜひ、これからも、よろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2006年2月11日 (土) 17時13分

 エニグマさんのコメントに賛成ですね。民間の企業はどうしても利潤追求をしてしまいます。それは雇用されている社員やアルバイトのためですから否定はしません。が、子どもの安全のことを考えると利益をあげることだけを追い求めてはダメですよね。
 実際に民間委託されていることろの話を聞くと「この委託費用だけではやっていけないので品数を3品から2品にして利益を上げる」「食材はできるだけ安価なモノに変えていく」などが行われているそうです。市がそれを許してしまえば基準値以上の農薬を使用している野菜などが入ってしまい、それこそ「子どもたちの命」が脅かされません。そういうことがないように直営でやっている調理員さんたちが食材に気を配り意識を高めていかなければならないと思います。(民間に雇用されている人たちの意識がないと言っているわけではありません。ただ意識があっても会社に安全性について提言できるかが問題なんです)
 それが市が責任を持って学校給食を行っていくことであり、雇用されている調理員さんたちの責任でもあると思います。
 

投稿: カフェオレ | 2006年2月11日 (土) 18時57分

公務員専門のFPです。これから厳しくなる公務員の生活を守るためにがんばっています!HP⇒http://www.56fp.com

投稿: 公務員FP | 2006年2月11日 (土) 19時11分

学校給食の話題なのでコメントさせていただきます。
エニグマさんの問いに対し、私の自治体の場合、給食(小学校のみ)は、1980年代初頭に給食センター化され、昨年の4月から嘱託職員さんのみによる調理体制となりました。
給食における官と民の違いは、利潤を出すか出さないかです。
民間(の経営者)は利益を出すことが最大の目的です。しかし自治体からの委託料は決まっていますから、この金額の中で利益を出そうとすれば、安い食材の購入、アルバイトなどによる人件費の抑制、品数を減らすなどをしなければいけません。
私は以前、給食委託化された保育所の人から「子どもの給食にキムチが入っていた。幼い子どもの給食に刺激の強い食べ物を入れるなんて信じられない」という話を聞きました。
「民間は利益を出すのが目的だから委託はだめ」という気はありません。エニグマさんが言われるように「いかに行政が食に責任を持つか」ということでしょう。ここを労働組合も考えなければ、「職場と雇用を守る」だけでは難しいように考えます。

投稿: アンディ・ベム | 2006年2月13日 (月) 15時59分

他の記事でもコメントさせていただきましたsakiです。特別区の公務員です。
たまたま内情を知り得る立場なので、いくつか書かせていただこうかと思います。

まず、衛生面において。
病原大腸菌O-157の問題がクローズアップされたとき、国・都・区のそれぞれが学校に対して、衛生管理に関する基準を設け、各種の指示を出しました。しかしながら、ほとんどの施設はそういった基準が作られる前の施設であり、基準を満たすためには改装ではなく改築が必要です。時間も予算もかかるため、ほとんどの施設は自治体の安全・衛生基準に満たない環境です。保健所の検査でも、「施設が古いから、予算がないから」として、問題点は黙認せざるえません。改善されたのは、食肉用冷蔵庫の導入ぐらいだそうです。それまでは、夏には気温30度を超える場所に3時間も放置した肉類を調理していたのです。家庭では考えられません。

次に、人員の面について。
仮に施設の安全基準を満たしても、規定の人員では安全管理のための工程を全て分担できません。たとえば調理職員が3~4名の施設の場合、民間に委託すれば、パートも含めて7~8名の人員を充てて対応するので、行政が要求する基準に満たない施設でも、細かな衛生・安全管理が可能です。(実際にどこまでできているかは知りうる立場にないので、コメントできません)

人員を一切増やさず、施設の改善も行わずに厳しく強化された安全基準を満たすことは無理です。また、衛生管理は一人が守っても他の誰かが守らなければ食品全体が汚染されてしまうため、安全・衛生に対する完全な意識の統一が必要ですが、それはきわめて難しいことです。調理作業の民間委託は、事故が起きたときに責任を自治体ではなく委託された業者に持たせるための、一種の予防線としての性格が強いのではないかと思います。

調理作業の民間委託で、倍の人数を使いながら、なおかつ利益を出せているということは、どこかに大きな矛盾を抱えているということになります。

投稿: saki | 2006年3月 3日 (金) 11時04分

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