黒岩祐治さんのマグネット講演
先週木曜の夜、「2006春季生活闘争を成功させる連合三多摩の集い」に参加しました。1,500人近く入る会場がほぼ満杯となる盛況さでした。主催者挨拶、連合東京の春季生活闘争方針の提起の後、1時間ほどの記念講演がありました。
“どうなる日本?「報道2001」の現場より”を演題とし、講師はフジテレビジョン報道局解説委員でキャスターの黒岩祐治さんでした。さすがに話すことがプロである黒岩さんは聞き手を決して飽きさせず、それでいて「なるほど」と共感させるお話をしていただきました。
黒岩さんは医療現場をテーマにした報道に力を入れてきたそうです。さらに実の父親の癌の体験から中西医結合医療について紹介されました。耳慣れない言葉でしたが、西洋医学と中医学(漢方など中国伝統医学)双方の特性を活かした医療を呼ぶそうです。
癌患者に対して西洋医学では手術や放射線治療、体がボロボロになるリスクを負った抗癌剤投与が中心となります。中医学は身体全体の「ひずみ」を正し、本来誰もが持っている治癒力を強力に引き出すことを目的としています。
黒岩さんの父親は病院で末期癌と診断され、食事もとれず痩せていき、激痛に苦しんでいました。それが中医学に切り替えた後、食欲が回復して体重が戻り、痛みからも解放され、今では自宅で晩酌までしているとのことでした。
黒岩さんは西洋医学が駄目と言っている訳ではなく、両方の利点を活かすためにも患者の視点が医療現場で必要であると訴えていました。さらに講演の中で強調された点は「マグネット」という考え方でした。マグネット病院、マグネット自治体、マグネット国家など、人をひき付ける磁力を持つためには、対象とする人たちの視点が大切であると話されました。
その具体的な成功例として、熊本県の黒川温泉が紹介されました。温泉客の数を復活させるため、都会から来るお客の視点に立ち、徹底的な辺鄙さ、つまり自然そのものを街全体のカラーに打ち出しました。温泉もすべて露天風呂に切り替え、その結果、都会から訪れるお客の評判が広まり、観光客が急増しているそうです。
顧客や当事者の視点に立つ大切さ、よく言われることですが、分かりやすいエピソードと合わせて聞くと説得力を持って改めて考えさせられました。マグネット○○との言葉は黒岩さんのオリジナルなようで、著書「日本を再生するマグネット国家論」(新潮社)を昨年秋には出されています。黒岩さんの講演を聞き、磁力のある市役所、もしくは労働組合になるため、改めて市民や組合員の視点に立ってみることが大事だろうと思いを新たにしました。
集会場の出口で「日本を再生するマグネット国家論」が販売されていたため、さっそく買って帰りました。残念ながら何かと忙しい日が続き、まだ頁をパラパラとめくった程度です。読み終えて、さらに感じるものがありましたら、またブログの題材にしたいと考えています。
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コメント
「うざね博士のブログ」にリンク、コメントありがとう。
返信として、裏話(!)などを当ブログに載せてありますのでご覧になってください。今後ともどうぞよろしく願います。
投稿: うざね博士 | 2006年3月 5日 (日) 07時54分