このブログを始めたイキサツ
すみません、また「イキサツ」かと思われた方は読み流してください。さて、実際に「公務員のためいき」を始めたのは昨年8月で、その経緯は以前の記事「秋、あれから2か月」シリーズで報告させていただきました。
実は春闘本番を迎えた最近になって、昨年2月に開かれた会議の中での自分自身の発言内容を改めて思い出しました。と言うよりもメモを見つけました。その会議とは春闘方針を議論した自治労都本部の中央委員会でした。その時に発言した要旨は次のとおりです。
最近、マスコミによる社会保険庁や大阪市へのバッシングが強まっています。そこで疑問に思うことは自治労の存在感の無さです。当該組合の判断や意向を尊重しているのでしょうか。もしくは反論することにより、火に油を注ぐという考えなのでしょうか。
例えが適当かどうか分かりませんが、「従軍慰安婦」関連の番組への政治介入問題で、現在、真っ向から対立しているNHKと朝日新聞の例を考えてみます。真実は一つなのでしょうが、どちらか一方の報道だけ見聞きすると相手が悪いとの印象を持ってしまいます。
要するに、この間の一方的な報道だけでは大多数の国民が「労働組合は悪」とのイメージを抱き、自治労の組合員さえも同様に思い込んでしまう心配があります。確かに組合側も襟を正すべき点は即座に正す必要があります。
しかし、福利厚生や安全衛生の面など組合員のために確信を持ち、労使交渉のルールの中で決めてきた事項が多いはずです。オールorナッシングで否定されていく動きは非常に憂慮すべきことだと思います。
ぜひ、このような時だからこそ、一単組だけではどうすることもできない重大な問題に対して、本部機能を発揮し、言われ放題、打たれ放題の事態から反撃してもらいたいと強く願います。
関連して付け加えさせていただきますが、組合員動員型の決起集会、地域や駅頭でのビラ配布行動も重要ですが、単組の役員や組合員の負担が大きいわりに多くの人たちへのアピール効果が薄いものと感じています。
従来型の汗をかく、体を動かす運動の大切さを否定するものではありませんが、効果的な方法によるマスコミ対策、影響力のある学者や議員団との連携、インターネットの利用など、予算を集中的、効率的に使う費用対効果を考えた運動の工夫、検討も行なっていただきたいと考えています。
以上は自治労都本部に対し、このような趣旨の意見反映を自治労本部へ行なうよう求めた発言でした。この発言内容は比較的、好感を持って受けとめていただけたようでしたが、全体的な運動スタイルに大きな変化をもたらす一石にもなり得ませんでした。
このような1年前の経緯があり、ささやかな試みとして、このブログを始めたのが昨年夏のことでした。本当に自己満足的な取り組みですが、「襟を正すべき点は正す」ための率直な意見を聞く場であり、「主張すべき点は主張する」ブログとして半年が過ぎました。
最近、大分県日田市の共働き職員の給料を2年間2割削減の問題、共済年金を改悪する動きなど、この「公務員のためいき」の題材とすべきニュースが立て続いています。当然、様々な見方があり、多面的な議論があり得るものと思います。しかし、このブログでは残念ながら力不足、時間不足で、すべてフォローできないのが現状です。
最後に、自治労本部に大きな期待を持っているからこそ、改めての要望です。ぜひ、臨機応変にマスコミを通して自治労の考え方がアピールできる機能を備えてください。また、従来型の運動だけではなく、ぜひ、費用対効果、労力対効果が目に見える運動を築いてください。一単組役員の僭越で、身勝手な難しい要望かも知れませんが、ぜひ、よろしくお願いします。
| 固定リンク
コメント
おっしゃる通りです。全く同感です。
私も同内容の事を、県本部役員時代に同じ役員やお会いした中央執行委員のみなさんに言い続けて来ました。もちろん一石も投じ得ませんでしたが。
もう時代遅れの運動では、何も動かないです。公務員の組合だから世情に疎いのは仕方ないかも知れないけど、これだけ時代が動いている中で、その時代に即した運動論というのがあるはずです。
中央本部の書記さんの中にも同様の意見があって、試しとして、インターネットを活用したPRをしたこともあったようです。それこそ投じる費用が貧弱なので、あまり目にはつきませんでしたが。
たぶん近々に労働基本権が回復してしまい、手遅れかも知れませんが、自治労しか本当の意味での地域労働運動を再生する産別はないのですから、どうにかして頑張って欲しいです。
投稿: 今は自治労の一組合員 | 2006年2月12日 (日) 11時51分
今は自治労の一組合員 さん、コメントありがとうございました。
私の組合の出身で、自治労本部の役員だった方がいます。今は連合本部へ派遣されていますが、時々、このブログを見てもらっているようです。その方とも以前、今回の記事のような話をしたことがありました。したがって、本部の皆さん一人ひとり、たいへんな任務を負っていることも聞いていました。
そのことを理解した上で、あえて今回のような要望をブログでも投稿してみました。賛否両論の受けとめ方があるだろうと思っていましたが、さっそく賛同のコメントをいただけ心強く感じました。ぜひ、これからも、お気軽にご訪問ください。
投稿: OTSU | 2006年2月12日 (日) 20時42分
はっきり言うと、
最近の新採の加入率は最低です。
ぜんぜん組合に魅力無し。
投稿: | 2006年2月12日 (日) 23時48分
そうですね。同感です。
一組合員の立場になって、個人的に自治労本部どころか県本部すら遠い存在に感じることがあります。
市町村合併がすすんだ広島では、単組数が約1/3まで減り、県本部役員の選出に支障をきたしている実態があるようです。
事実、県本部専従をしている人と話すと「専従の数が足りていない。なんとかしてほしい・・・」と言っています。これも合併による悪影響の一つだと思います。
そうした状況の中で、自治労本部・各県本部においても運動の在り方・進め方を本気で考える必要があります。
昨年、数回にわたって行われた日比谷での「地域給反対集会」に参加した私の単組の若者は「回数を重ねる度に状況は悪くなっているように感じる。『地域給導入ありき』って感じで集会をしてどうなるのかと思う」と感想を言っていました。
本部・県本部・単組問わず、役員のみなさんは一生懸命に活動し、取り組んでいただいていることは分かっていますが、その取り組みをきちんと組合員に返していかないと、やられた結果だけが見えてしまい、組合員の組合離れを加速させると思います。
基本に据える理念は同じでも、方法や対応については時代や状況に即したものにならなければいけないと思います。
投稿: アンディ・ベム | 2006年2月13日 (月) 15時25分
アンディ・ベムさん、前回記事へのコメントも含めて、いつも貴重な内容のご意見や情報提供ありがとうございます。
自治労への期待値が高い分、もっと頑張ってほしいと願う方が少なくないことに力付けられています。これからも率直な悩みや問題点を発信し、具体的な改善につながることを信じてブログを続けていきます。ぜひ、また貴重なご意見をお寄せください。
投稿: OTSU | 2006年2月13日 (月) 17時52分
私も労組に入っていますが,役員でもなく,特に熱心な組合員でもありません。ただ,労組の必要性は絶対だと思ってはいます。
そんな私から組合を見ていると,従来型の運動をする人たちと若い人たちの考えがかみ合わず,すこしもどかしく思うことがあります。
組合というものは「団結」が絶対必要なものであり,おそらく「一体感」を高めるためにもみんなで汗をかいて運動するのは効果的と従来は考えられていてそれを実践している人たちがいます。
でも,若い人たちにはそのような運動がムダに見え,そのために団結の必要性も伝わらず,彼らは批判的になってしまうという泥沼にはまっている気がします。私も労力の割りに効果のなさそうなことはやりたくないと思うので,役員の人には悪いなあと思いながらも見かけは不熱心な組合員です
団結の必要性,運動の必要性,そして効率向上の必要性のすべてを全員が理解するのはなかなか難しいなぁと感じています。
投稿: WontBeLong | 2006年2月13日 (月) 21時24分
はじめまして。
貴ブログへの突然の書き込みの非礼をお許しください。「運動型新党・革命21」準備会の事務局です。
この度、私たちは「運動型新党・革命21」の準備会をスタートさせました。
この目的は、アメリカを中心とする世界の戦争と経済崩壊、そして日本の自公政権による軍事強化政策と福祉・労働者切り捨て・人権抑圧政策などに抗し、新しい政治潮流・集団を創りだしたいと願ってのことです。私たちは、この数十年の左翼間対立の原因を検証し「運動型新党」を多様な意見・異論が共存し、さまざまなグループ・政治集団が協同できるネットワーク型の「運動型の党」として推進していきたく思っています。
(既存の中央集権主義に替わる民主自治制を組織原理とする運動型党[構成員主権・民主自治制・ラジカル民主主義・公開制]の4原則の組織原理。)
この呼びかけは、日本の労働運動の再興・再建を願う、関西生コン・関西管理職ユニオンなどの労働者有志が軸に担っています。ぜひともこの歴史的試みにご賛同・ご参加いただきたく、お願いする次第です。なお「運動型新党準備会・呼びかけ」全文は、当サイトでご覧になれます。rev@com21.jp
投稿: 革命21事務局 | 2008年10月14日 (火) 14時03分
革命21事務局さん、はじめまして。お誘いありがとうございます。
所属を明らかにした労働組合の役員の立場で運営していますので、参加の是非については留保させていただきます。なお、ご紹介いただいたサイトはブックマークさせていただきました。
投稿: OTSU | 2008年10月14日 (火) 23時27分