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2006年2月26日 (日)

黒岩祐治さんのマグネット講演

先週木曜の夜、「2006春季生活闘争を成功させる連合三多摩の集い」に参加しました。1,500人近く入る会場がほぼ満杯となる盛況さでした。主催者挨拶、連合東京の春季生活闘争方針の提起の後、1時間ほどの記念講演がありました。

“どうなる日本?「報道2001」の現場より”を演題とし、講師はフジテレビジョン報道局解説委員でキャスターの黒岩祐治さんでした。さすがに話すことがプロである黒岩さんは聞き手を決して飽きさせず、それでいて「なるほど」と共感させるお話をしていただきました。

黒岩さんは医療現場をテーマにした報道に力を入れてきたそうです。さらに実の父親の癌の体験から中西医結合医療について紹介されました。耳慣れない言葉でしたが、西洋医学と中医学(漢方など中国伝統医学)双方の特性を活かした医療を呼ぶそうです。

癌患者に対して西洋医学では手術や放射線治療、体がボロボロになるリスクを負った抗癌剤投与が中心となります。中医学は身体全体の「ひずみ」を正し、本来誰もが持っている治癒力を強力に引き出すことを目的としています。

黒岩さんの父親は病院で末期癌と診断され、食事もとれず痩せていき、激痛に苦しんでいました。それが中医学に切り替えた後、食欲が回復して体重が戻り、痛みからも解放され、今では自宅で晩酌までしているとのことでした。

黒岩さんは西洋医学が駄目と言っている訳ではなく、両方の利点を活かすためにも患者の視点が医療現場で必要であると訴えていました。さらに講演の中で強調された点は「マグネット」という考え方でした。マグネット病院、マグネット自治体、マグネット国家など、人をひき付ける磁力を持つためには、対象とする人たちの視点が大切であると話されました。

その具体的な成功例として、熊本県の黒川温泉が紹介されました。温泉客の数を復活させるため、都会から来るお客の視点に立ち、徹底的な辺鄙さ、つまり自然そのものを街全体のカラーに打ち出しました。温泉もすべて露天風呂に切り替え、その結果、都会から訪れるお客の評判が広まり、観光客が急増しているそうです。

顧客や当事者の視点に立つ大切さ、よく言われることですが、分かりやすいエピソードと合わせて聞くと説得力を持って改めて考えさせられました。マグネット○○との言葉は黒岩さんのオリジナルなようで、著書「日本を再生するマグネット国家論」(新潮社)を昨年秋には出されています。黒岩さんの講演を聞き、磁力のある市役所、もしくは労働組合になるため、改めて市民や組合員の視点に立ってみることが大事だろうと思いを新たにしました。

集会場の出口で「日本を再生するマグネット国家論」が販売されていたため、さっそく買って帰りました。残念ながら何かと忙しい日が続き、まだ頁をパラパラとめくった程度です。読み終えて、さらに感じるものがありましたら、またブログの題材にしたいと考えています。

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2006年2月22日 (水)

労働組合の使命

エニグマさん、前回記事「公務員組合の春闘」へコメントありがとうございました。このブログは多様な意見、特に民間の方からの厳しいご意見を謙虚に受けとめる場としていますので、いつも貴重なご指摘をいただき本当に感謝しています。

公務員連絡会(自治労など公務員産別組合の組織)は、人事院総裁あての「民間企業給与等実態調査において、100人未満の小規模企業を加えることについて反対を求める署名」活動に取り組みます。呼びかける対象は組合員やその家族が中心となりますが、エニグマさんのようなご意見をお持ちの方にも共感いただける運動が求められているはずです。

その広がりが不充分なままでは公務員の既得権を守るためだけの運動とみなされ、結局のところ公務員組合側が劣勢な立場に追い込まれてしまいます。その意味で、このブログを通して人事院の官民比較調査方法のあり方について、議論を交わせることは意義深いものと思っています。

公務員連絡会が取り組む反対署名の主な要請事項は次のとおりです。

  1.  歴史的・制度的に確立された官民比較方法の基本的な枠組みの見直しを意図する小規模企業調査を実施しないこと
  2.  官民比較方法のあり方の検討にあたっては、2005春闘回答並びに2005人勧期要求提出の際の総裁見解を堅持し、公務員連絡会と充分交渉・協議し、合意すること

昨年6月に示された人事院総裁の見解は「現行の比較企業規模は民間会社の従業員の過半数をカバーしており、このような状況に大きな変化がなければ適当なものと考えている」とのことでした。

今年になって、その見解を示していた総裁が交替した訳ではありません。強いて「大きな変化」をあげれば、公務員の総人件費削減を計画している政府が人事院へ圧力を加えている点です。人事院は公務員の労働基本権制約の代償機能として存在し、中立・第三者機関でなければなりません。その人事院が政府の圧力に屈することは言語道断であると公務員連絡会は強く抗議しています。

ここまで書き込んできましたが、公務員組合側からの言い分に過ぎないと思われている方も多いはずです。「公務員の賃金は高すぎる」「賃金水準に見合った仕事をしていない」と日頃から感じられている方たちは、この機会にドンドン下げるべきと政府や人事院側にエールを送られるのかも知れません。

またまた、この議論は果てしない平行線をたどる心配があります。が、そもそも公務員賃金は社会一般の情勢に適応するよう求められています。その趣旨のもとに人事院勧告があり、調査対象の企業規模を今まで100人以上としてきました。

今回、公務員連絡会が問題視している点、つまり私も同様ですが、長年の経緯の中で定めてきたルールを一方的に破ろうとしていることが問題だと考えています。財政が厳しいことは承知し、公務員組合側も襟を正すべき点は正してきています。ただ財政が厳しいから「賃金を下げるため、明日からルールを変えます」と言われ、「はい、分かりました」では労働組合の存在意義が疑われてしまいます。

労働組合の「物分かりの悪さ」は、ある面で社会全体の労働条件の水準維持や底上げの役目を果たしてきたはずです。いろいろ関連したバックナンバーが思い浮かびましたが、ここでは「ニューヨークで25年ぶりのストライキ」を一例として紹介させていただきます。

この間の議論から簡単に答えが出せないことは経験済みでしたので、あえて公務員賃金の水準がどうあるべきかの問題には触れませんでした。とにかくポイントは重大なルール変更に際し、当事者の代表と充分交渉・協議し、合意を前提とすべきであることが不可欠だと考えています。また、そのことに力を尽くすことが労働組合の重要な使命だとも考えています。

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2006年2月20日 (月)

公務員組合の春闘

「よくまめに更新できますね」と言われる時があります。組合員であったり、よその組合役員の方だったりしますが、「忙しいのに…」との思いから発せられているようです。確かにブログでの議論が盛り上がり、コメントを立て続けに頂戴していた時期は毎日のように更新していました。

個人的なブログとはいえ組合ニュースなどでもPRしていますので、いつも記事内容には気を使いながら投稿しています。また、インターネットを介した不特定多数の方への発信ですので、表現方法や誤字脱字などにも充分注意してきました。

したがって、一つの記事を仕上げるのに最低でも1時間程度はかかります。資料などを調べながら投稿する場合、3時間以上かける時もあります。ただ義務感で続けている訳ではありませんので、時間を有効活用して、それほど負担なく投稿できています。

このブログを始めたことによって「日常の組合活動が疎かになっている」とは見られていないと思いますが、前述のとおり無理のない範囲で続けていますので大丈夫なはずです。逆に組合活動のプラスαとなるようなブログをめざしているつもりですが、その評価は組合員の皆さんにお任せするしかありません。

さて、今年の春闘は具体的なベースアップ要求を数多くの産別や組合が行ない、連合は非正規労働者の賃金改善も要求の柱としています。また、連合は「株主配当への配分は6年前の3.3%から昨年は5.2%に上昇し、内部留保も45.1%から47.2%になった。だが、人件費は51.5%から47.5%と減っている」と主張し、業績改善分を労働者へ回すよう攻めの春闘を進めています。

民間組合の賃上げ要求に対する回答は春闘期に示され、妥結内容をもとにベースアップなど賃金改善が直ちに実施されます。一方、公務員賃金は人事院や各自治体人事委員会が民間水準との比較を行ない、8月以降に示される調査結果を反映した勧告内容に基づき決められていきます。さらに勧告内容を受け、年末にかけて多くの自治体で賃金確定闘争が取り組まれます。

このような賃金決定の年間サイクルのため、公務員組合にとって春闘は具体的な賃上げを決めるタイミングではありません。しかし、自分たちの賃金水準に直結する春闘相場の底上げをめざした民間組合と連帯した運動、人事院や総務省との中央交渉、賃上げ以外の課題に対する各自治体での交渉など、公務員組合の春闘も非常に重要で多忙な季節となっています。

2月に入って行なわれた公務員組合の代表と人事院との交渉で、公務員賃金の大幅削減につながる調査方法の変更案が明らかになりました。今年の勧告に向けた民間企業給与実態調査において、100人未満の小規模企業も調査対象に加える検討を行なっているとのことでした。それに対し、公務員側の組合は長年の経緯の中から確立された官民比較方式を一方的に見直す動きに猛反発しています。

ここで以前の記事「国より厳しかった都人勧」で紹介した昨年10月の参議院総務委員会での質疑内容を再掲します。質問者は民主党の高嶋良充参議院議員で、答弁者は人事院総裁でした。

高嶋議員…公務員給与が民間に比べて高いとの批判がある。パート、アルバイト、派遣など、働き方の多様化が原因だからと言って、公務員の賃金を全労働者平均基準に合わすとの考え方は乱暴だ。良質の公務員採用、公務サービスの向上、働く意欲の面から公務員にふわしい給与水準でなければならない。

人事院総裁…官民比較は同質同等の職務を民間と比較するのが大原則。すべての職種、雇用形態の違う民間労働者の賃金を単純平均して、それに公務員賃金を合わせるのは論外の話だ。

以上の総裁答弁は何だったのでしょうか。公務員の総人件費削減が国策とされる中、労働基本権制約の代償措置として中立であるべき人事院が政治的な思惑や圧力に屈しているように見えてしまいます。

サッカーの試合だったのが、いきなりボールを持って走り出し、ラクビーに変えたからと一方的に言われても納得できません。最低限、人事院は当事者である公務員側の組合と充分交渉し、合意を前提とすべきであると強く訴えさせていただきます。

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2006年2月16日 (木)

自治労の力とさらなる期待

前回記事「組合の魅力アップへ暗中模索」へ、いろいろ参考となるコメントありがとうございます。また、新たに相互リンクさせていただいたサノリさんのブログ記事本文で、この「公務員のためいき」をご紹介いただきました。ありがとうございました。

ココログのアクセス解析機能の一つとして「リンク元ランキング」があります。その日に3件以上のアクセスがあったリンク元のURLが分かる機能です。この機能を利用し、目新しいURLを見つけた場合、さっそく訪問させていただいています。その機能を使い最近、「自治労ふくおか」のBBS(掲示板)で、次のような書き込みを見つけました。

愛読の「公務員のためいき」のブログに日田市の問題で「自治労本部も大きな力を発揮していました。その経緯は単組へ届いたファックスで知ることができました」とあります。末端の一組合員には自治労本部がどのように頑張ったのか、わかりません。誰か教えていただけないでしょうか?

「愛読」とご紹介いただけたのはブログの管理人冥利に尽きます。前回記事は日田市の共働き職員の給料削減問題がメインではなかったため、確かに言葉が不足していました。そのため今回、自治労の果たした役割について少し補足させていただきます。

「日田市の話って?」と思われた方は、トラックバックいただいた「やっぱり言いたい中年のひとこと日記」で詳しく紹介されていますので、ぜひ、ご覧になってください。また、相互リンク「ド素人の政治・経済Q&A」でも取り上げられていましたが、管理人のWontBeLongさんは引っ込めた理由が弁護士に「100%無理」と言われたことだそうなので、「常識」以前の問題だったと厳しく市長を批判されていました。

さて、自治労本部の大きな力ですが、各単組へ呼びかけた日田市長への抗議電報・レタックス行動も功を奏したものと思います。実際、市長本人が目を通すことはないかも知れませんが、これだけ憤りの声があるという事実を突き付けた行動だったはずです。余談ですが、それでも役所の機能に支障を及ぼす恐れがあるファックスでの抗議行動を提起しないのは、やはり自治労の良識の部分なのかも知れません。

この日田市の問題が西日本新聞に大きく報道された日、ただちに自治労本部は総務省公務員部に「地方公務員法に違反している旨を明確にして助言すべき」と申し入れていました。それに対し、公務員部は「条例の内容が地方公務員法に定める平等取扱いの原則や職務給の原則に反する内容であれば、問題となりうる。当該団体において、地方公務員法等の趣旨に基づき適切に判断するよう、県を通じ助言している」と答えていました。

この総務省の回答を踏まえながら大分県本部とも連携し、自治労本部は全国的な抗議行動を呼びかけていました。このように日田市の問題を自治労本部が傍観していた訳ではありませんでした。ただ残念ながら、その経緯を綴ったファックスが都本部経由で単組に届き、ようやく自治労本部が果たした役割を垣間見ることができました。

今回、自治労本部の総務省への働きかけがなくても、結論は同じだったかも知れません。しかし、この申し入れ行動は以前の記事「組織の力、大事な力 Part2」でも触れましたが、意義ある本部機能の発揮だったと大きく評価できるはずです。やはり即座に総務省へ直接話をできる機能を備えている自治労本部は、掛け替えのない貴重な存在です。

この間、自治労本部への歯がゆさが示されたコメントをいただいていました。最近の記事「このブログを始めたイキサツ」で水を向けておきながら何ですが、私自身、自治労の本部機能そのものに信頼感を薄くしていた訳ではありませんでした。

日田市のような問題が生じた際、自治労本部の力は貴重です。強調したかったのは「その力を上手にアピールしてほしい」と願った上で、さらなる期待を込めた記事のつもりでした。今回の問題でも大手マスコミを通して、自治労の見解と総務省へ申し入れた内容を表明できれば、自治労の存在感や影響力は非常に増したものと思います。

話題となるニュースは、黙っていてもマスコミが取り上げてくれます。しかし、取り上げてもらいたい地味なニュースは、売り込んでいく努力や工夫が必要ではないでしょうか。決して「小泉劇場」のように過剰な演出やメディア対策を望んでいる訳ではありません。ぜひ、今までの労組常識にとらわれず、先駆的なマスコミ戦略を自治労本部が練ってほしいと個人的には考えているところです。

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2006年2月13日 (月)

組合の魅力アップへ暗中模索

最近の記事「学校給食のあり方、検討開始」「このブログを始めたイキサツ」へ多くの方からコメントをいただきました。たいへんありがとうございます。記事本文で展開すべき貴重な内容が寄せられていますが、たいへん恐縮ながら今回、ある気になった短いコメントにスポットを当てさせていただきました。

このブログへのコメントはプロフィール欄でも説明していますが、メールアドレスやURLがなくても投稿できます。逆にコメント内容とともにハンドルネームかニックネームだけは記していただくようお願いしています。前回記事へ名前欄も空白だったコメントがあり、内容は「はっきり言うと、最近の新採の加入率は最低です。ぜんぜん組合に魅力無し」とされていました。

このブログは組合を身近に感じてもらうことも目的として開設しています。様々な題材の記事を投稿することにより、自分のところの組合員やそれ以外の皆さんにも、少しでも組合の大切さを感じていただけるよう願っています。

「2ちゃんねる」的な呼び方となりますが、その投稿者を名無しさんと呼ばせていただきます。あまりにも短いコメントであり、名無しさんが私どもの組合員かどうかも分かりません。全体の組合加入率は99%を維持していますが、この2年間で確かに新人の未加入者を数名出しています。

その数名の未加入者に対し、継続的に働きかけを行なっていますが、残念ながら思うような進展を得られていません。組合加入の有無にかかわらず個別な労働条件は同じであり、当然、組合も同じ職場の方々も「村八分」のような陰湿なことは絶対考えません。

そうすると組合の存在そのものの大切さの理解を得られない場合、月3千円前後の組合費を払わないことが得しているように見られがちです。もともと組合に魅力も期待もしていない方にとって、組合費を払っていない方が数名いたら「最近の新採の加入率は最低」と思ってしまうのかも知れません。

自治労全体でも新規採用者の組合加入に対して苦慮していることを聞いていますので、私どもの組合員のコメントではないのかも知れません。いずれにしても100%により近付く加入率をめざし、引き続き、きめ細かく未加入の方と話し合っていくつもりです。

そのためにも名無しさん、なぜ、どのような点が組合に魅力を持てないのか、再度のコメントをお待ちしています。そのご意見を受けとめ、魅力ある組合になるための大きな参考にしたいと考えています。ぜひ、よろしくお願いします。

もしかしたら通りすがりの方で、名無しさんからは二度とコメントを得られないのかも知れません。したがって、名無しさん以外で組合に魅力を感じていない方、もしくは組合の魅力アップのためのアイデアがある方、ぜひ、率直なコメントをお寄せください。このテーマを暗中模索してみようと思っています。

最後に報告です。前回記事で触れた大分県日田市の共働き職員の給料2年間2割削減の条例案は見送られました。日田市長は「総務省次官がコメントを出したため、慎重を期したい」と説明したそうですが、全国的な批判の嵐も無視できなかったはずです。

さらに付け加えますが、この件で自治労本部も大きな力を発揮していました。その経緯は単組へ届いたファックスで知ることができました。その力に敬意を表した上での要望は、このような自治労の動きが大きくアピールできれば素晴らしいことだと考えています。

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2006年2月11日 (土)

このブログを始めたイキサツ

すみません、また「イキサツ」かと思われた方は読み流してください。さて、実際に「公務員のためいき」を始めたのは昨年8月で、その経緯は以前の記事「秋、あれから2か月」シリーズで報告させていただきました。

実は春闘本番を迎えた最近になって、昨年2月に開かれた会議の中での自分自身の発言内容を改めて思い出しました。と言うよりもメモを見つけました。その会議とは春闘方針を議論した自治労都本部の中央委員会でした。その時に発言した要旨は次のとおりです。

最近、マスコミによる社会保険庁や大阪市へのバッシングが強まっています。そこで疑問に思うことは自治労の存在感の無さです。当該組合の判断や意向を尊重しているのでしょうか。もしくは反論することにより、火に油を注ぐという考えなのでしょうか。

例えが適当かどうか分かりませんが、「従軍慰安婦」関連の番組への政治介入問題で、現在、真っ向から対立しているNHKと朝日新聞の例を考えてみます。真実は一つなのでしょうが、どちらか一方の報道だけ見聞きすると相手が悪いとの印象を持ってしまいます。

要するに、この間の一方的な報道だけでは大多数の国民が「労働組合は悪」とのイメージを抱き、自治労の組合員さえも同様に思い込んでしまう心配があります。確かに組合側も襟を正すべき点は即座に正す必要があります。

しかし、福利厚生や安全衛生の面など組合員のために確信を持ち、労使交渉のルールの中で決めてきた事項が多いはずです。オールorナッシングで否定されていく動きは非常に憂慮すべきことだと思います。

ぜひ、このような時だからこそ、一単組だけではどうすることもできない重大な問題に対して、本部機能を発揮し、言われ放題、打たれ放題の事態から反撃してもらいたいと強く願います。

関連して付け加えさせていただきますが、組合員動員型の決起集会、地域や駅頭でのビラ配布行動も重要ですが、単組の役員や組合員の負担が大きいわりに多くの人たちへのアピール効果が薄いものと感じています。

従来型の汗をかく、体を動かす運動の大切さを否定するものではありませんが、効果的な方法によるマスコミ対策、影響力のある学者や議員団との連携、インターネットの利用など、予算を集中的、効率的に使う費用対効果を考えた運動の工夫、検討も行なっていただきたいと考えています。

以上は自治労都本部に対し、このような趣旨の意見反映を自治労本部へ行なうよう求めた発言でした。この発言内容は比較的、好感を持って受けとめていただけたようでしたが、全体的な運動スタイルに大きな変化をもたらす一石にもなり得ませんでした。

このような1年前の経緯があり、ささやかな試みとして、このブログを始めたのが昨年夏のことでした。本当に自己満足的な取り組みですが、「襟を正すべき点は正す」ための率直な意見を聞く場であり、「主張すべき点は主張する」ブログとして半年が過ぎました。

最近、大分県日田市の共働き職員の給料を2年間2割削減の問題、共済年金を改悪する動きなど、この「公務員のためいき」の題材とすべきニュースが立て続いています。当然、様々な見方があり、多面的な議論があり得るものと思います。しかし、このブログでは残念ながら力不足、時間不足で、すべてフォローできないのが現状です。

最後に、自治労本部に大きな期待を持っているからこそ、改めての要望です。ぜひ、臨機応変にマスコミを通して自治労の考え方がアピールできる機能を備えてください。また、従来型の運動だけではなく、ぜひ、費用対効果、労力対効果が目に見える運動を築いてください。一単組役員の僭越で、身勝手な難しい要望かも知れませんが、ぜひ、よろしくお願いします。

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2006年2月 9日 (木)

学校給食のあり方、検討開始

最近は内輪ネタの投稿が続いているせいか、一時期の白熱ぶりが嘘のようにパタッとコメント件数が減りました。ずっとハイテンションの議論が続くのも息切れしそうですので、このような凪の期間も時には必要だろうと思っています。

一方、「公務員」論議の仕掛人だった若手経営者さんのブログは非常に精力的です。現在、ホームレスの話で賛否両論のコメントが飛び交っています。また、若手経営者さんは数多くの方のブログへトラックバックをされている様子であり、そのバイタリティにも驚かされます。

中には「テーマに関連のないトラックバックはご遠慮ください」とコメントを返される方がいますが、多くの方が「トラックバックありがとうございました」と返事をされています。やはりブログを開設している大半の方は、自分のブログへ一人でも多くの方からアクセスいただくことに対して悪い気がしないようです。どちらかと言えば私も、明らかに営業目的や迷惑なものでない限り、新規訪問者からのトラックバックを歓迎しています。

さて、私ども組合の各調理職場の代表が集まり、学校給食のあり方を検討する委員会が発足しました。昨日夕方、その第1回目の会議が開かれ、委員会の位置付けや役割分担などを決めました。今後、毎月1回は会議を開き、学校給食のあり方について現場を熟知した職員の目線で検討を加えていくことになります。

現在、小学校給食は直営(自校方式と共同調理場方式の併用)で、後から始まった中学校給食は民間業者へ委託しています。今年度策定された市の行革プラン(5か年計画)の中で、「小学校給食も民間委託化を検討」と書き込まれました。そのプランに基づき労働条件の変更が伴う場合、組合と事前に協議する確認を交わしています。

したがって、当局側から学校給食の見直し提案が示されるのは必至と判断し、今回、現場組合員が主体的に参加した「学校給食のあり方検討委員会」を立ち上げる運びとなりました。今後、どのような提案が当局側から示されようとも、しっかり対峙できる組合側の橋頭堡となる組織に位置付けています。

以前の記事「学校給食への安全責任」でも述べましたが、組合は「民」の役割そのものを否定している訳ではありません。また、「民」が担うとBSE問題などで食の安全が脅かされ、給食の質も低下するなどと言った話は民間の方々へ失礼だと思っています。

耐震強度偽装や東横インの問題などは一部の不届き者の仕業であり、例外なのかも知れません。しかし、利益追求を目的とする「民」へ、今まで行政が責任持ってきた分野を委ねる場合、慎重かつ多面的な検討が欠かせないものと考えています。

食の安全や食育の問題などを踏まえれば、学校給食に対して直営責任を貫くことは非常に重要であるはずです。イギリスの事例として、1980年代から急速に学校給食の民営化が進み、今ではフライド・ポテト、チキン・ナゲット、ピザ、ハンバーガーが主流となり、材料は冷凍食品か缶詰、野菜や果物はほとんど付かない給食内容となっていました。

その結果、肥満児童が急増し、野菜が畑から取れることを知らない子どもが出るほど、食に対する教育の貧弱さを招いていました。ようやくイギリス国民も危機感を持ち、昨年あたりから給食改善運動が全国的な広がりをみせてきました。元毎日新聞の阿部菜穂子さんが、その動きをレポートしていますので、参考までにリンク先をご覧になってください。

また、学校給食職場においても「変わるべき時は変わり、守るべきものは守る」が当てはまります。自分たちの仕事に対し、付加価値を高めていくためにも学校が休み期間の業務のあり方が問われています。その期間、メンテナンスや研修などを集中的に行なっていますが、どうしても給食実施日との労働密度の差は否めません。

この問題が取り沙汰されるため、以前から民間委託化の話がクローズ・アップされがちでした。その指摘に対し、組合側として一つの案を検討しています。夏休みなどに、学童保育所への給食サービスの実施です。夏冬春休み、朝から学童保育所は開いていますが、その期間は弁当持参となります。このサービスが実施できれば、とりわけ働いているお母さんたちから大歓迎されるものと思います。

学校給食の直営責任の意義を広く市民の皆さんへご理解を求めながら、このように職員側が率先して市民サービスの向上に努めていくことが非常に重要です。単に「自分たちの職場を守る」だけの運動では、市民の皆さんからの共感は得られづらいものと思っています。今後、「官から民へ」の激しい流れに対抗するためには、学校給食職場にとどまらず、改めて自分たちの足元を見つめ直す機会とする必要性を痛感しています。

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2006年2月 4日 (土)

変わろうとする息吹き、アンダー35委員会

昨日、毎日新聞の岸井成格さんの講演を聞く機会を得ました。昨年の総選挙前の森前首相と小泉首相との「ひからびたチーズ」対談の裏話から始まり、今後の政局を分析した興味深い講演内容でした。この話題は別の機会に譲り、今回、私の市役所に関するローカル・ネタを報告させていただきます。

やはり昨日、アンダー35委員会と銘打った庁内プロジェクトの報告会が開かれました。アンダー35委員会とは昨年2月、原則35歳以下の職員を募り、市役所の仕事を若手の視点から見つめ直す場として発足しました。メンバーは新入職員から中堅職員まで幅広く集まり、オーバーエイジ枠若干名含めて総勢34名で「より良い役所」をめざし、様々な検討を重ねてきていました。

出席しようかどうか迷っていた時、その委員会の事務局から「ぜひ、組合役員の方も出てほしい」と言われ、私も参加者の一人となりました。まず出席者の顔ぶれを見て、少し驚きました。助役をはじめ、部長の大半が参加していました。全体でも100名近く集まっていたようであり、この報告会に向けた委員会メンバーの意気込みが充分伝わってきました。

活動報告書は100頁に及び、具体的な提案内容も多岐にわたり、メンバーの方々の一年間の努力に頭が下がる思いでした。話し合ってきた内容を単なる提案にとどまらせず、自ら責任もって行動していくことを目的としたそうです。その手始めとして「あいさつ運動」や「電話マナーアップ運動」が具体的に委員会から提起されていました。

そのため、委員以外の職員から「今さらあいさつ運動でもないだろう」「今まで自分たちが出来ていなかったじゃないか」などと冷ややかな声も聞こえていました。委員会が発行してきた通信の名前は「はじめのい~っぽ!」でした。この報告会に出て、改めて「あいさつ運動」などは初めの一歩だったと受けとめることができました。

具体的な提案は「予算全額執行慣習の改善」など、今までも課題認識しながら充分解決できなかった事項を委員会として具体的な検討結果を示しています。その前提として、委員会メンバーは自分たちをとりまく現状について、次のように分析していました。

逼迫する財政状況や多様化する市民ニーズを指摘した後、お役所主義や前例踏襲主義の風潮が残っていると分析していました。そして、乗り越えなければならない組織文化として次の6点をあげていました。

  1. 官僚制の理論 : 今までこういうやり方でやってきたのだからいいだろう
  2. ボトムライン : この程度までやっておけば良い
  3. 手続き主義 : 過度のコンセンサス要求による非効率化
  4. 公務員文化 : 外からの情報に対して耳をふさいでしまう
  5. シニシズム : 同僚や上司の目があって、結局は今まで通りに流れてしまう
  6. 時間 : 時間がないことを理由にする

民間経験者や入所後数年の職員が多いアンダー35委員会の現状分析、長く役所に勤務する職員にとって耳が痛いか、「それほど、ひどくない」と受け流すのか、受けとめ方に差が出るかも知れません。

この間、このブログを通して熱い「公務員」論議を重ねてきた経緯からも、その声を私は真摯に受けとめるべきものと考えています。参加者の意見交換の際、私は組合としての立場を表明させていただきました。委員会の活動報告に敬意を表した上での発言のつもりでしたが、検討結果に対して水を差すように聞こえたかも知れません。

ここで改めて組合の立場を述べさせてもらいます。より良い仕事に向けて改革していくことに対し、決して組合は抵抗勢力ではありません。労働条件の調和をはかることが組合の立場であり、さらに1,500組合員の多様な視点でのチェックをかける役割があります。場合によって、一つの方向性に対してスローに感じさせる結果を生じさせるかも知れません。

「変わるべき時は変わり、守るべきものは守る」の言葉を紹介したため、このブログのPRまで行なってしまいました。少しフライング気味だったと反省したところですが、より良い市役所にしていきたい気持ちは共通しています。その上で労働条件に対する組合の立場や役割について、少しでも理解いただけるよう発言したつもりでした。いずれにしても、この報告会に参加し、若手職員の皆さんから「変わろうとする息吹き」を率直に感じることができました。

最後に、委員会のメンバーの皆さんに対し、非常に感心したことがあります。助役や多くの部長の出席を得たことにとどまらず、それぞれから一言ずつ感想を求めていました。すると大半の方が各報告の実現に向けて前向きな姿勢を示されていました。せっかく練り上げた提案を具体化するためには、その意味で今回のような報告会は効果的だったろうと思います。アンダー35委員会の皆さん、一年間、本当にお疲れ様でした。これからも、ぜひとも頑張ってください。

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2006年2月 2日 (木)

組合役員になったイキサツ

前回記事は「公務員になったイキサツ」でした。今回、その続編のような話となります。高校を卒業して市役所へ入り、配属された職場の人間関係が非常に暖かく感じたことを紹介しました。

その先輩たちの中に組合役員で、青年婦人部を担当している方がいました。略して青婦部と呼んでいましたが、若手と女性組合員を対象とした組合の下部組織でした。その後、青年女性部と名称変更を経て、現在ではユース部と女性部に独立しています。

その先輩から見れば、当時、十代だった自分は青婦部の幹事へ引き込む絶好の標的でした。入所前、私は組合に対してネガティブなイメージを抱いていました。したがって、あまり組合とは関わりたくないと思っていました。

それが組合役員を務めている明るい先輩たちと出会い、勝手な思いこみと単なる無知なだけだったと考え方を改めていました。それでもプライベートな時間が削られる青婦部幹事になることだけは、絶対避けたいものと考えていました。

決して真面目な大学生でなかったにも関わらず「夜間、学校があるから引き受けられません」と言い訳し、何とか1年目は逃れることができました。2年目の職場の忘年会、その先輩からまたしても口説かれ、やはり初めはキッパリと断っていました。それが酔い(注:この時点では20歳です)が進むうちに「やってみてもいいかな」と言ってしまったようです。

翌日、しっかり新幹事の一人に名前を加えられていました。幹事会は毎週1回、午後6時からでしたが、ほとんど出られませんでした。実際、まだ語学など出席を取る授業が多く、2回生である翌年3月までは比較的よく学校へ通っていました。

少し横道にそれますが、4回生まで単位は順調に取得できていました。卒業に向けて、致命傷となる必修単位を落としてしまい、5回生を経験することになりました。結構な人数が落とされ、内定していた就職先を棒に振った方が何人か出るほどでした。

さて、3回生になった春以降、出席を取る授業がなくなり、大学への足は遠のいていました。が、相変わらず青婦部幹事会への足も遠のいたままでした。したがって、ほとんど「幽霊幹事」のまま任期一年が終わろうとしていました。

それでも時々は青婦部幹事として参加した行動もありました。ある16ミリ映画会に興味を持ち、幹事の先輩数人と出かけました。その映画の題名は「光州は告発する」でした。

チョン・ドハン元韓国大統領の軍事クーデターに反対し、光州市民が大規模なデモなどを行ないました。それに対してチョン元大統領は軍隊を出動させ、自国民に銃口を向け、力ずくで鎮圧をはかりました。その虐殺の模様を記録した映画が「光州は告発する」でした。

それまでも原爆やアウシュビッツ強制収容所の話などを知ることにより、戦争への嫌悪感は人一倍持っていたと思います。ただベトナム戦争も現在進行形の世代ではなく、私の戦争に対する思いは「過去の事実」との認識でした。

それが同じ瞬間、それほど距離が離れていない半島で、戦車でひき殺される人たちがいたことに大きな衝撃を受けました。さらに今から思えば、その北の国でも非人道的な行為を繰り広げていたことになります。

この映画を見たことにより、少し考え方に変化が出ました。だから何ができるか分かりませんでしたが、青婦部幹事になって一年間、何もしなかったし、何も分かろうとしないで辞めるのも何だなと思い返すようになりました。

結論として、2年目の青婦部幹事については自らの意志で続けることになりました。その時点では、まさか組合の執行委員長まで引き受けることになろうとは夢にも思っていませんでした。その後も様々な節目で迷った場面もありましたが、組合活動を経験できて本当に良かったと振り返ることができます。

また機会がありましたら、その後についても書き込みたいと考えています。とにかく初めから組合の支持者でなかったことが、ある意味で自分自身の強みだと思っています。組合に距離を置こうとしている方たちに対しても、自信を持って「組合って、大切なんだよ」と呼びかけられるからです。

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