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2006年1月24日 (火)

赤字自治体でも権利要求?

前回の記事「窓口開庁時間の延長問題」へのコメント欄が過去最高の伸びをみせています。また、議論の中味も非常にヒートアップしています。投稿していただいた皆さん、ありがとうございます。

ここで管理人として、一言だけお願いがあります。コメントされている皆さん一人ひとりが確固たる信念をお持ちで、いつも参考になるご意見を頂戴し、たいへん感謝しています。それぞれ私も含めて立場や考え方が異なるため、意見が対立していくのは当然だと思っています。また、その率直な意見交換できることがブログの利点であり、この「公務員のためいき」を始めた大きな目的の一つでした。

ただインターネットを介しているとはいえ、相手が存在する普通の会話だと考えています。特に不特定多数が相手であるため、私自身は普段以上に気を使っているつもりです。テーマがテーマでもあり、このブログのサブタイトルにある「謙虚」さを極力打ち出してきました。「少し謙虚(卑屈?)すぎるんじゃないの」との声もいただいたことがありました。

すみません、また一言が長くなっていますが、ぜひ、立場の違いなどは認め合いながら冷静な意見が交わせることを願っています。言葉はラフでも、コメントの内容そのものは厳しくても、お互いの意見の違いを尊重し合える場となることを理想としています。熱い議論に水を差すものではありませんが、ぜひとも、ご理解ご協力をよろしくお願いします。

さて、民間労働者さんから最近の記事「『既得権』にもメリハリが必要」へ次のようなコメントをいただいていました。群馬県太田市役所の徹底的な経費節減に触れた上で、こう問いかけています。

例えば、赤字の役所であっても、あなたがおっしゃっている大事な、労働者として譲れない既得権益は維持していくべきなのでしょうか。

単刀直入に答えれば「YES」です。これで終わってしまうと言葉足らずで、強い批判にさらされてしまいます。まず私は、その記事を通して「既得権」にも幅があることを主張したつもりです。違法なものは言語道断、さらに社会情勢の変化の中で襟を正すべきものは即座に正すべきものと考えています。

公務員賃金には、他の自治体や民間賃金との均衡原則という法的な側面があります。それに基づいた人事院勧告などで示された水準は、公務員として基本的な権利だと思っています。したがって、その範囲内である限り、組合として権利要求することが当然の責務となります。ちなみに、ここ4年間は下がることがあっても、上がることがない公務員賃金であることを付け加えさせていただきます。

民間労働者さんも「赤字自治体だから給料をゼロにしろ」と言っている訳ではないものと思います。それでは「いくらなら適当なのか」という話になった際、法律や制度面に基づくモノサシが重要なはずです。

もう一つお答えすべき点として、赤字自治体で働く職員も、きっと組合も「赤字のままで良い」とは思わないはずです。そのため、経費節減や人件費削減にも努力していくはずです。その際、職員賃金のみに赤字の責任を転嫁させないためにも、労使交渉は重要だと考えています。

そのコメントの中で民間労働者さんは、労働組合についてネガティブな評価を下されていました。この「公務員のためいき」全体を通して、私は「労働組合って大事ですよ」とのメッセージを発信してきています。ぜひ、その一言をもって、数々の思いをおくみ取りいただけたら幸です。

今回の記事内容も、まだまだ言葉が足らなかったり、立場性などの違いから賛否両論各人様々だと思います。冒頭で述べさせてもらいましたが、いろいろな考え方をぶつけ合っていくことは大歓迎です。さらに正解を出すのは簡単でなく、もしくは正解は一つだけではないかも知れません。ぜひ、多くの方のコメントをお待ちしています。

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コメント

さまざまな意見ありがとうございます。しかし話はかみあわないものだなあと思いました。

そして最大の問題は、ブログの中で「赤字でも公務員の労働者の権利を守るべきか?」の問いに対し「YES]と答えられたことです。

民間では許されません。赤字=倒産であり、雇用側も被雇用側も即職を失うのです。ですから民間において労働運動がすたれていったのは当然でした。そのようなことを言っていたら共倒れです。いわば国共合策しかなかったのです。その結果、「実力主義」というものが台頭したのです。

しかし倒産しない(今までは)公務員の方は、その認識が無く、労働運動などという眠たいことをいまだにやっておられます。「赤字」である場合、本来その会社の労働者は会社の存続のために全力を持って働くか、賛同できなければ「やめる」という選択肢しかないのです。そのどちらも選ばずにのうのうとしていられる点が問題なのです。

この根本原則を理解しないで何を言おうとまさに「机上の空論」でしかないわけです。赤字でも労働条件の向上を求めるか?の問いにYESと答える時点で、公務員の問題点のすべてを表しているのではないでしょうか?

公務員の方々の「会社」は倒産はしません。しかしそのぐうたらの付けは「市民・国民」に来るわけです。だから国民は怒っています。「増税」など論外です。まず公務員の給料を「適正」な状態まで是正して人数も公務員の方々が考える「適正」人数ではなく、民間のオブザーバーでも入れて、彼らの言う人数にまで減らすべきでしょう。その結果、公務員の方々は苦しまれるでしょうが、仕方ありません。あなたたちの番です。甘受すべきだし、しなければなりません。

国民はそう望んでいるのです。いかがでしょうか?

投稿: 若手経営者 | 2006年1月25日 (水) 11時35分

なんとなく、今回のテーマも白熱しそうな予感がしますね・・・。
さて、若手経営者さんは「最大の問題は、ブログの中で「赤字でも公務員の労働者の権利を守るべきか?」の問いに対し「YES]と答えられたことです」と書き込まれていますが、この部分だけをとらえて議論すると、またかみ合わなくなるのではないでしょうか?
OTSUさんが書き込まれている内容を全て読めば、若手経営者さんが書き込まれている論点にはならないと思うのですが・・・。
また「「赤字」である場合、本来その会社の労働者は会社の存続のために全力を持って働くか、賛同できなければ「やめる」という選択肢しかないのです。」とありますが、個人的にこの意見については異を唱えさせていただきます。
労働者が、会社の存続のために全力を尽くしても赤字にはなりますよね?それは何故ですか?
労働者は会社の存続のために全力で働いても、赤字になれば経営者が会社を存続させるために解雇させられます。賛同できなければやめるという選択肢もあるでしょうが、辞めるというよりも辞めさせられる=解雇されるという場合が圧倒的ではないですか?雇用者と労働者は、50対50ではありません。雇用者の方が圧倒的に強いのです。若手経営者さんの会社では、対等かもしれませんが・・・。
中小企業は違うかもしれませんが、労働者は倒産により職を失う前に、倒産させないために先に職を失う場合が多いのです。
ところで、会社が赤字になる場合は、労働者が全力で働かないからですか?私の思いでは経営者の責任である場合の方が多い気がするのですが。
国や自治体の財政状況が悪いのは公務員の賃金(人件費)が高いからですか?
私の自治体だけでなく多くの自治体では、労働組合が中心となって財政分析を行っています。
その結果、人件費は過去10~20年ほとんど同じ水準で移行しています。公務員の人数は、ここ数年数万人単位で減少しています。そのかわり、公債費とよばれる借金の返済はかなり大きくなっています。
その理由は、バブル崩壊後に国が主導した公共事業政策にあります。要はハコモノと呼ばれる施設を多く作ることにより建設業界を中心に景気回復をしようという政策のため、自治体は借金をし、その借金返済のための金額が増えているということです。
こうした政策失敗の責任の多くは、政治家や首長にあります。彼らは、それこそ「辞めればすむ」ことですが、残されたものは違います。
だから働き方を変えなくてもいいというつもりはありません。
公務員がぐうたらだから、そのツケが国民に回ってくるという考えは受け入れられないということです。
増税の問題にしても、国策を誤ったツケを回収するために行うという本質に気づかず、「公務員の賃金が高い」という公務員バッシングや「改革」という響きのいい言葉、マスコミの扇動にごまかされていませんか?
いささか乱暴な言い方ですが、無能な政治家や首長、増税を進める自民党を選挙で選んだ私たち国民の責任はまったくないのでしょうか?

投稿: アンディ・ベム | 2006年1月25日 (水) 15時54分

長々とカキコミした上に、補足です。文章が長くなってすいません。

補足1
個人的な思いですが、民間の労働者のみなさんは「会社を存続させるために」一生懸命働いているのですか?
私としては、「会社が倒産して生活の糧が得られなくなるから」、「より多くの賃金を得たいから」一生懸命に働いて、結果、会社のために働いているのかな~と思っています。
補足2
公務員でも警察官、自衛隊員は増えています。
補足3
公務員といえど、雇われ人です。地方自治体(特に規模の小さな市町村)では、首長や上司に逆らえば冷や飯を食わされます。たとえ、ハコモノ行政に問題があると思っていても、反対しきれない現実があります。部分的には、民間の会社員の方と一緒ですよ。

投稿: アンディ・ベム | 2006年1月25日 (水) 17時07分

過熱気味なので一旦距離を置くつもりだったのですが,加熱が止まらないようなので,せっかくなのでまた参加させていただきます。

アンディ・ベムさんが若手経営者さんの「雇用者と労働者は50対50」を否定されましたが,私は違う意味でこれを否定しつつ肯定する考えを述べたいと思います。

「労働者と企業は運命共同体」これは企業が作り出した虚像だと思います。
労働者がいないと企業は成り立ちません。だからストが「権利」なのです。
日本は終身雇用が基本でしたから,「運命共同体」と言われるとそんな気がしてしまうのですが,労働者と雇用者は「独立して対等」が正しい姿だと思います。しかし,労働者は数が多く,簡単には次から次へと職を移れないから,実際は雇用者の立場が強くなってしまっています。

企業の経営状態が悪くなったら従業員も等しく損を被るべき,というのは経営者の甘え,または自己中心的な論理ではないでしょうか。
経営者は,企業を運営することで報酬を得ます。労働者は,自身の労働力を提供することで報酬を得ます。経営者は,企業の状態に関わりなく労働者の労働に見合った報酬を払う義務があるのです。
だから,中小企業が傾いて,社長が自殺して従業員は次の職を探す,という事態が起こるのです。

つまり,「運命共同体」という意味での50対50ではなく,「独立かつ対等」という意味で50対50だと思います。
しかし,アンディ・ベムさんの言うように実際は雇用者が強い,それを是正するのが,労働者が「団結」という力で対抗するための労働運動であって,雇用者と労働者をあるべき姿に保ち,健全な社会を保つために労働運動は必要不可欠なのではないでしょうか。

「労働者と雇用者は運命共同体」という虚像を労働者が信じてしまうのは,「和を以て尊しとなす」日本人DNAの悪影響の部分だと思います。

投稿: WontBeLong | 2006年1月25日 (水) 21時28分

連続コメント失礼します。
ちょっと誤解を受けそうなので補足です。

私は,旧来の日本的経営を否定するものではありません。雇用者と労働者が決定的に対立することは好ましいとは思いません。
雇用者と労働者が信頼し合って,お互いに困ったときは助け合って,その結果として企業が活気を持って成長していく,これが理想的だと思います。あらゆる企業でそのような状態が実現されれば労働運動は不要でしょう。
しかし,人は時として,意図する,しないに関わらずいろいろな過ちを犯します。
だから,少なくとも最低限の労働運動がきちんと行われることで,雇用者と労働者の適度な緊張感を保つことは必要だと思います。

投稿: WontBeLong | 2006年1月25日 (水) 21時45分

コメントくださった皆さん、様々な視点でのご意見ありがとうございます。
今後、いろいろ考えていく上で、大きな参考にさせていただきます。とにかく、このように多様な考え方を披露し合えるのがブログの利点だと考えています。ぜひ、これからもよろしくお願いします。

投稿: OTSU | 2006年1月26日 (木) 07時10分

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