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2006年1月26日 (木)

「バカの壁」を踏まえた論点整理

ここ数日、たくさんの方からコメントやトラックバックいただき、たいへん感謝しています。また、厳しい目線で「公務員」を評価している若手経営者さんのブログへも、たびたび、おじゃまさせていただいていました。

すると相互リンク「公務員試験日記~その向こうへ行こう~」のめだかさんの「これが『バカの壁』なのでしょうか」とのコメントが目に留まりました。そのコメントに触発され、養老孟司さんの「バカの壁」を踏まえ、この間、白熱している論点を整理してみようと考えました。

「話せばわかる」なんて大うそ!やっぱり問題は「壁」だった…が、その本のキャッチ・コピーでした。この一文だけ目にすれば、立場や基本的な考え方が違う者同士、いくら話し合っても無駄なように聞こえます。しかし、その本を手にしていただければ、いろいろな問題に対して答えは一つでなく、多様な角度から考えていくことが大切であるとの作者のメッセージが伝わってくるはずです。

なぜ互いに話が通じないのか、そこにある「バカの壁」を知ることで見方が変わってくると作者は説いています。自分の考え方が唯一の正解と決めてしまうと、自分と違う立場のことは見えなくなり、当然、話は通じなくなると本の最後で結んでいました。

さて、その趣旨を踏まえ、このブログの位置付けを改めて訴えさせていただきます。今までの公務員のあり方や労働条件を絶対的なものとして、そのことの理解を広く求めようとして開設した訳ではありません。このブログを通して厳しい批判や意見をいただき、襟を正すべき点は正す機会につなげようと考えました。その上で、オールorナッシングではなく、公務員組合側の主張すべき点は主張しようと思っていました。

続いて、具体的な事例の論点整理を進めます。若手経営者さんは「役所の窓口は、最低限夜10時まで開けるべき」と主張されていました。それに対し、私は市民の利便性を高めることは重要であると認めた上で、費用対効果も押さえる必要性を訴えました。

すると「職員がやりたくない言い訳である」「シュミレーションもしないで不経済と決め付けている」との反論が示されました。確かに私は「時間延長や交替制勤務に従事する職員の負担も無視できない」と強調していました。この点については、組合役員として当然の発言であるとご理解ください。

その一方で、充分な職員数が確保できないと一番来庁者が多い日中の時間が手薄になり、結果として市民サービスが低下する側面も指摘したつもりでした。今回、補足させていただきますが、私どもの市の駅前にあるセンター開設に向けては、綿密なニーズ調査や費用対効果などの検討を数多く重ねています。その結論として、夜8時までと日曜日の開庁を決めた経緯があります。

さらに付け加えますが、その時間帯でも来庁できない方々に対して、各種証明書の郵送申請サービスもあります。私の係の仕事である市民課関連では、印鑑登録証明書以外、基本的にすべて取り寄せることができます。なお、この郵送サービスなどについて、最近のトラックバック「人にやさしく」で、o4mさんが詳しく紹介されていました。時間延長論議のポイントなども的確につかまれている記事内容であり、ぜひ、合わせてご覧ください。

このように私どもの市でも、できる限りの努力を重ねています。若手経営者さんの描くレベルからは話にならないかも知れませんが、駅前センターの機能は全国的にも平均以上の水準で、とにかく一歩踏み出しています。若手経営者さんの満足いくレベルに到達するかどうかは別にして、今後も機能充実の問題などについて、費用対効果と労働条件確保のバランスを取りながら検討を進めていくことになるはずです。

まずは時間延長の問題について、「バカの壁」を意識しながら自分なりに論点を整理してみました。端的に言えば、「10時まで簡単にできる」と「それほど単純ではない」が対立点であり、それぞれの視点や立場が「バカの壁」なのではないでしょうか。

論点整理すべき具体的な事例として、2日前にあきらさんたちから「(正規の)公務員」のあり方に関するコメントが寄せられていました。今回、やはり少し長くなりましたので、次回以降の宿題とさせていただきます。

最後に、この記事の投稿直前、ハンドル・ネーム民間労働者を改めたエニグマさんから民間の厳しい実情を訴えたコメントが届きました。エニグマさんからすれば、今回の論点整理も「ぬるま湯」の中からの発言だと冷笑されるかも知れません。もっと、もっと抽象的な言葉だけではない「何か」をさぐり、今後、「バカの壁」を少しでも崩せるような「何か」を発信できればと思っています。(Part2へ続く)

  

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コメント

はじめまして、公務員関係のブログを書いてる者です。
いろいろと参考にさせていただきます。


公務員になると組合活動なども大変なようですね。自分は合格して公務員になっても組合には入らないようにしょうと思いますが、
現役公務員の方が、それは厳しいとも言ってました。

投稿: ちょび | 2006年1月27日 (金) 18時10分

ちょびさん、はじめまして。コメントありがとうございました。
少し誤解されているようですが、組合に加入すると必ずたいへんな組合活動が待っている訳ではありません。一組合員の立場だったら出来る限りの協力や参加で充分なはずです。
組合によって多少(?)雰囲気が違うかも知れませんが、ぜひ、組合の存在は大事ですから入るようにしてください。

投稿: OTSU | 2006年1月27日 (金) 19時40分

コメントありがとうございます。そうなんですか。

やはり入るようにした方がいいんですね。
参考にさせていただきます。

投稿: ちょび | 2006年1月27日 (金) 23時32分

TBとコメントありがとうございます。OTSUさんと若手経営者さんのやり取りに横からちゃちゃ入れてすいません。私あまり知識がありませんので、具体例を述べることしか出来ません。

やり取りの中感じたのは、自分のキーワードに固執してるから噛合わないように見えるのかなということ。お互いの「こう思う」の次に普通具体的な論議に入っていく筈なのに「やっぱその考えダメだよ」に戻っている。建設的でない。と言うか個別事例に反論(燃料?)が来ないので私としては火が消えそうです。TBはいただくんですけどね。あれっぽさ(笑)

私も実は1年目に組合の役員の端くれをやりましたが、その時の体験があまり良いものではなかったのです。でもこれから、こちらの記事を読んで勉強させていただきます。

議論の方頑張ってください。

投稿: o4m | 2006年1月28日 (土) 00時32分

o4mさん、コメントありがとうございました。
この間の記事は若手経営者さんとの議論のようでもありますが、私自身、その議論内容を題材にした不特定多数の方への発信だと位置付けてきました。その曖昧さから「議論がかみ合っていない」との印象を持った方が多かったようです。お読みいただいた方々へ「モヤモヤ感」を与える結果となり、申し訳ありません。
したがって、若手経営者さんとの議論に勝つことを目的としていませんし、とても勝てるような簡単な壁ではないものと思っています。
全員が同じ考え方になる社会などあり得ず、あったら不気味なことです。たくさんの方が多様な視点や考え方に触れる機会が大切であり、その過程で公務員組合側の立場を少しでもご理解いただければ願ってもないことです。
これからもo4mさんの鋭い視点でのコメントをお待ちしています。よろしくお願いします。


投稿: OTSU | 2006年1月28日 (土) 07時57分

ここに来られているみなさんに,申し上げたいのですが,OTSU さんはこの記事で書かれているように,役所の時間外の対応などについて,市民のニーズを考慮して柔軟に考えようとされています。
私は基本的に,「そんなことは必要ない」というような論調でコメントしていますが,OTSU さん始めここでの議論の公務員と公務員応援サイドすべてが私と同じ考えではありませんので,誤解のないようお願いします。
公務員でない私が私個人の「公務員論」を述べることで,「だから公務員はダメなんだ」などと思われると,公務員の方に非常に申し訳ないことですので。

投稿: WontBeLong | 2006年1月28日 (土) 11時00分

WontBeLongさん、気配りあるコメントありがとうございます。また、直近の「2本のレールなのか…?」でのめだかさんへのコメント、私もその通りだと考えています。

このブログへコメントを寄せてくださる方が皆、真剣であり、いわゆる「荒らし」的な方が一人もいないことに心から感謝しています。だからこそ今後も、結論そのものは相手と違っても「そうかぁ、そんな考え方もあるんだ」とお互いを気遣える場になれるよう願っています。


投稿: OTSU | 2006年1月28日 (土) 13時56分

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ブログにて多少紹介させていただきましたのでTBさせていただきます。 しかし、主張は一方通行、論点はコロコロ変わるというのでは議論としてはあまりにお粗末ではないかと感じています。... [続きを読む]

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