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2006年1月31日 (火)

公務員になったイキサツ

よく他の方のブログを訪ねていますが、ご自分の過去について綴られた記事を目にする時があります。少々気恥ずかしいところもありますが、今回、私自身の過去について振り返ってみます。この間の「公務員」論議に直接関係しませんが、お時間が許される方はお付き合いください。

私が小学6年の夏、父を亡くしました。もともと経済的に裕福な家庭ではなく、高校は滑り止めなしの都立校一本で受験に臨みました。先生から「絶対大丈夫」と言われていましたが、さすがに前夜の重圧は半端でなく熟睡できなかったことを覚えています。

高校3年間、朝は新聞配達を続け、春夏冬の休み期間も様々なアルバイトを経験しました。その経験したアルバイトの中で、営業としての自分の素質(?)を感じたものがありました。ある清掃器具の契約セールスの仕事でした。短い期間で運が良かっただけかも知れませんが、大学生も多かった50人ほどのアルバイトの中で上位の成績を維持できました。

高校入学当初、アルバイトの関係から本格的なクラブ活動は敬遠しようと考えていました。必須授業の時間に選んだのは「歩きクラブ」でした。要するに学校近辺を散歩するだけのクラブで、意外にも人気があり部員の数は確か100人を超えていました。

それでも高校1年の秋頃になると少し余裕を感じ始め、ちょうど部員を募集していた剣道部へ入部しました。やり始めると熱中するタイプであり、その後、自分なりに「剣道一直線」の高校生活を送ることになりました。レギュラーにはなれませんでしたが、昇段試験は順調で、高校3年春には二段まで合格できました。

高校3年の夏、ほとんどの友人が大学受験をめざしていました。私は高校卒業後、すぐに就職しなければなりませんでした。もともとマスコミ関係の仕事に就きたい希望があり、そのためにも大学を卒業したい気持ちが強まっていきました。

先生や先輩のアドバイスで、夜間大学へ通うのには公務員が最適と勧められました。やはり定時に帰りやすいイメージ(実際その通り?)があったものと思います。幸にも公務員試験は国と東京都、両方合格することができました。

だめもとで受けた今の市役所の採用試験、想定外の合格通知が届き、小躍りしたことを思い出します。現在、地方自治体の賃金は国並に平準化されていますが、当時、市役所の高卒初任給は国や都より圧倒的に高かったことが印象に残っています。距離的な通いやすさもあり、迷わず今の市役所へ就職しました。

大学受験の方は、すでに就職が決まっている余裕から高校受験の時とは大きく異なり、ノン・プレッシャーで臨めました。英数理が苦手なため、早い段階で公立大学は「オリンピック精神」に切り替えていましたが、本命としたC大学法学部には何とか入ることができました。この時期に運を使いすぎたような気がしないでもありません。

希望する職業へステップ・アップする手段としての公務員志望だったのに加え、高校生の頃の自分は公務員に魅力を感じていませんでした。職場の雰囲気が堅くて、非常に窮屈な先入観を強く抱いていました。大学を卒業したら本気で転職するつもりでした。

今の市役所へ入り、配属された職場は「水道部業務課」。それまでの公務員のイメージが初日から吹き飛びました。良い意味でのカルチャー・ショックでした。迎えてくれた先輩たち一人ひとりの強烈な個性、そして、何よりも暖かみあふれた職場の雰囲気に驚きました。

当時の市役所の中でも、その課は際立って個性的だったことを後から知ることになりますが、勝手な思い込みがあった分だけ新鮮な感動でした。さらに何とも意志が弱いことになりますが、配属後、数日間で「永久就職でいいかな」と人生設計を変えてしまったほどの素晴らしい職場との出会いでした。

考え方を変えることになった理由が、もう一つありました。大卒者が大半だった同期入所の方々の中にT大、S大、K大などの有名大学出身者が多かったことに驚きました。ほんの少し前まで受験生だった自分にとって、雲の上の大学だった出身者の方々と一緒に働けることにミーハーな満足感を得たことも一つの理由と言えました。

一方、主客逆転した大学は「せっかくだから卒業しよう」程度の存在となり、3回生になってからは試験日ぐらいしか行っていませんでした。「たまには顔を出すか」と久しぶりに行ってみたら創立記念日で休校だった…、これは実話です。それでも何とか「5回生」まで通って卒業することができました。

あまり難しい解説は加えず、公務員を選んだ理由や現在まで続けている経緯(タイトルはカタカナでイキサツとしました)を簡単に振り返ってみました。「やっぱり市役所の仕事は余裕があるから、そんな雰囲気の職場があり得た」とのご指摘があるかも知れません。また、もしかしたら自慢話のように聞こえ、不愉快に感じられた方もいらっしゃるかも知れません。

実は今回、公務員を客観的に見る一つの方策として、公務員でなかった頃を思い出してみました。誤解がないよう付け加えますが、決して職場の雰囲気や労働条件を「ぬるま湯」と感じたから「永久就職」と決めた訳ではありません。第一はアット・ホームな職場が気に入ったからですが、実際、市役所に働き、その仕事の大切さやおもしろさを感じた点も強調させていただきます。

最後に一言。今の自分の職場において、新規採用で配属された後輩に対し、新鮮な好印象を与えているかどうか甚だ疑問です。四半世紀前に比べて、市役所全体に「余裕」がなくなりつつあります。しかし、新人の方々へ仕事の大切さはもちろん、それと同じように人間関係の暖かさを伝えていく重要性は今も昔も変わらないはずです。今回の投稿は、そのようなことを改めて思い返す機会となりました。

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2006年1月29日 (日)

変わるべき時は、いつ?

このブログの記事を通して、コメント投稿者同士の議論が白熱することは歓迎すべきことです。ただ最近、「熱い」議論が気まずい雰囲気を招いてしまったようです。それでも、一人ひとりのご意見や、その後の皆さんの対応は真摯なものでした。

結論そのものは相手と違っても「そうかぁ、そんな考え方もあるんだ」と立場や年齢を超えて、お互いの意見を気遣える場になれるよう願っています。いずれにしても、このブログへコメントを寄せてくださる方が皆、真剣であり、いわゆる「荒らし」的な方が一人もいないことに心から感謝しています。

さて、前回前々回の記事は「バカの壁」(養老孟司・著)を踏まえ、窓口開庁時間や公務員の人件費削減問題の論点整理を試みてみました。このブログは、もともと多様な視点や考え方があることを前提に投稿を重ねています。したがって、ことさら「バカの壁」を強調しなくても記事のスタンスは基本的に同じであるため、そのタイトルで続けるのは「Part2」で終わりにしました。

直近の二つの記事をお読みいただいた方は「具体的な事例に対する結論が曖昧」「すべて労使交渉に委ねている」との印象を抱かれたかも知れません。「変わるべき時は変わり、守るべきものは守る」の言い方も、結局は「何も変えたくないための言い訳」だと思っている方もいらっしゃるかも知れません。

今回、それらの疑問に対してお答えします。私たち市役所職員の誰もが「自分たちの労働条件や働き方が絶対正しく、一切変える必要がない」とは考えていないはずです。しかし、具体的な事例に対して「どのように、どこまで変えるのか」との議論になると、一人ひとりの判断は大きく分かれるものと思います。

「市役所の窓口は夜10時まで開けるべきか、否か」「給料は多い方が良いけれど、少し下げられても仕方ないか、否か」「もっと明確な成績主義が必要か、否か」など、それぞれ職員個々人によって考え方は違うはずです。

組合側の主導で答えを一つにして、市側に投げかける方法もあり得ます。しかし、やはり労働条件のマイナス面の変更の場合、市側から提案が示され、その是非を検討していくことが多くなります。

提案された後、組合執行部は職場組合員と話し合いの場を持ち、問題点の有無を検証していきます。組合員の労働条件の問題、現場を熟知した視点からの市民サービスの問題などを多角的な検討を加えることになります。

その際、組合員の中に多様な視点や意見があることは、市側の提案に対する的確なチェック機能を果たせることであり、組合の強みと考えています。したがって、組合役員が先走って個別課題に対する結論を決め付けるのは、なるべく控えようと心がけています。

「変わるべき時は変わり、守るべきものは守る」などと精神論的な言い方が多くなりがちですが、「変わるべき時」や「襟を正すべき点」は組合員全体の合意形成を大事にしながら判断すべきものと考えています。実際、ここ数年、このような手法を大事にしながら組合員とともに厳しい判断を下し、見直した具体例が数多くあることを申し添えさせていただきます。

最後に一言。時には労使交渉において、組合員から信任を受けている執行部の責任による判断や、強いリーダーシップを発揮する場面も必要です。しかし、なるべく小泉首相の手法を反面教師としながら私どもの組合では、組合員の声を重視した組織運営に最大限努力していこうと考えています。

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2006年1月27日 (金)

「バカの壁」を踏まえた論点整理 Part2

このところ記事本文を凌駕する幅広い観点からのコメントをいただき、たいへん恐縮しています。また、以前にも話しましたが、記事内容に関連する場合はコメントされた方同士での意見交換も大歓迎です。おおいにご利用ください。

ここで少し、申し開きさせてください。本来、せっかく頂戴したコメントを受けとめた内容にすべきなのかも知れませんが、最近の記事は身近な題材のものが続いています。世の中全体の動きのもとで公務員が今、どのような位置に置かれているのか掘り下げる視点も非常に重要なことだと考えています。

私自身、今までに「誇大妄想」と揶揄されるような視点での記事も投稿してきました。今後も一つの問題提起として、そのような視点での記事も書き込んでいくつもりです。ただ自分たちの日常的な働き方が問われている時に「小泉構造改革がいけない」などと話を広げた場合、論点のすり替えや逃げている印象を与えかねません。したがって、より具体的で身近な題材を取り上げた際は、あまり話を広げないように努めています。

WontBeLongさんから「役場の窓口の人から各省庁事務次官、総理大臣まで、みんな公務員」のご指摘がありました。そのあたりが確かに、ごちゃ混ぜになると論点がかみ合っていきませんので、なるべく注意していこうと思います。なお、最近の記事で対象としている公務員は、言うまでもなく私たち市役所職員であることを申し添えさせていただきます。

さて、最近の記事「窓口開庁時間の延長問題」へ本当に多くの方からコメントをいただくことができました。そのコメントの中で、あきらさんが「窓口の証明書交付などの業務は正規の公務員である必要がない」とし、正規公務員の仕事は企画立案・マネジメントのみにして人件費を削るべきと提言してくれました。なお、あきらさんは労働者の待遇がどうあるべきかは「また別な話」とも付け加えていました。

その直後のコメントで、literacyさんは「本当になすべきことは、正規雇用を不正規雇用に近づけることではなく、不正規雇用を正規雇用に近づけていくこと」とし、「民間労働者の労働条件が悪すぎる」と発言されていました。

お二人のコメントを切り口として、公務員の総人件費削減のための手法をいくつか例示しながら、それに対する公務員組合側(つまり私)の問題意識や論点を整理してみます。

まず、あきらさんが取り上げた正規公務員の仕事を非正規の職員(又は民間)へ委ねていく手法です。定型的な住民票の発行は自動交付機で充分まかなえています。しかし、第三者請求などで複雑なパターンの時、確かな知識と経験が重視されます。

そもそも正規公務員が証明書発行だけの仕事にとどまることはなく、バックヤードで様々な業務も担当しています。その他、バックナンバー「市役所の窓口業務も民間参入?」でも、いろいろな問題を提起してきたところです。要するに、この手法の採用にあたっては、正規公務員の役割を総合的に検討した上で判断すべきものと思っています。

正規公務員以外に委ねれば経費節減となる大前提は、非正規職員や民間労働者の待遇が正規公務員より下回っている場合です。literacyさんの問題意識と同様に自治労は、社会的な「均等待遇」原則の実現をめざしています。バックナンバー「民間委託は『安上がり』の悩ましさ」でも様々な思いを書かせていただきましたが、この「均等待遇」が実現できれば正規公務員以外に委ねても経費削減につながらなくなるはずです。しかし、残念ながら現実的な道のりは非常に遠く感じています。

次にクローズアップされるのは、公務員賃金の水準を引き下げる手法です。官民比較を基本にした人事院勧告は、ここ数年ずっとマイナス勧告が続いています。最近、さらに大胆な引き下げを企図したルール自体を見直す動き(バックナンバー参照)が強まっています。

この記事の論点を少しまとめてみます。総人件費削減の主な手法は「正規公務員の数を減らす」「公務員賃金を引き下げる」の2通りです。それぞれ慎重な検討を加え、妥当もしくはやむを得ないものと判断できるのならば、公務員組合側も受け入れる覚悟を持つべきものと私は考えています。

よく最近使う言葉は「変わるべき時は変わり、守るべきものは守る」でした。その最も守るべきものは、労働条件の問題は労使対等な交渉で決めるという原則です。その交渉を通して、かつ組合員との合意形成がはかれた際は、厳しい結果でも真摯に受けとめていく姿勢が重要です。

最後に、誤解がないよう申し添えなければなりません。公務員への厳しい風当たりにひるみ、初めから引き下がることを覚悟している訳ではありません。主張すべきことは毅然と主張し、労使の「バカの壁」を尊重した上で、結論を引き出すための徹底的な論戦が欠かせないものと考えています。したがって、このブログを通し、私と同様なご意見の方が少なくないことを知り、大きく勇気付けられていることを付け加えさせていただきます。

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2006年1月26日 (木)

「バカの壁」を踏まえた論点整理

ここ数日、たくさんの方からコメントやトラックバックいただき、たいへん感謝しています。また、厳しい目線で「公務員」を評価している若手経営者さんのブログへも、たびたび、おじゃまさせていただいていました。

すると相互リンク「公務員試験日記~その向こうへ行こう~」のめだかさんの「これが『バカの壁』なのでしょうか」とのコメントが目に留まりました。そのコメントに触発され、養老孟司さんの「バカの壁」を踏まえ、この間、白熱している論点を整理してみようと考えました。

「話せばわかる」なんて大うそ!やっぱり問題は「壁」だった…が、その本のキャッチ・コピーでした。この一文だけ目にすれば、立場や基本的な考え方が違う者同士、いくら話し合っても無駄なように聞こえます。しかし、その本を手にしていただければ、いろいろな問題に対して答えは一つでなく、多様な角度から考えていくことが大切であるとの作者のメッセージが伝わってくるはずです。

なぜ互いに話が通じないのか、そこにある「バカの壁」を知ることで見方が変わってくると作者は説いています。自分の考え方が唯一の正解と決めてしまうと、自分と違う立場のことは見えなくなり、当然、話は通じなくなると本の最後で結んでいました。

さて、その趣旨を踏まえ、このブログの位置付けを改めて訴えさせていただきます。今までの公務員のあり方や労働条件を絶対的なものとして、そのことの理解を広く求めようとして開設した訳ではありません。このブログを通して厳しい批判や意見をいただき、襟を正すべき点は正す機会につなげようと考えました。その上で、オールorナッシングではなく、公務員組合側の主張すべき点は主張しようと思っていました。

続いて、具体的な事例の論点整理を進めます。若手経営者さんは「役所の窓口は、最低限夜10時まで開けるべき」と主張されていました。それに対し、私は市民の利便性を高めることは重要であると認めた上で、費用対効果も押さえる必要性を訴えました。

すると「職員がやりたくない言い訳である」「シュミレーションもしないで不経済と決め付けている」との反論が示されました。確かに私は「時間延長や交替制勤務に従事する職員の負担も無視できない」と強調していました。この点については、組合役員として当然の発言であるとご理解ください。

その一方で、充分な職員数が確保できないと一番来庁者が多い日中の時間が手薄になり、結果として市民サービスが低下する側面も指摘したつもりでした。今回、補足させていただきますが、私どもの市の駅前にあるセンター開設に向けては、綿密なニーズ調査や費用対効果などの検討を数多く重ねています。その結論として、夜8時までと日曜日の開庁を決めた経緯があります。

さらに付け加えますが、その時間帯でも来庁できない方々に対して、各種証明書の郵送申請サービスもあります。私の係の仕事である市民課関連では、印鑑登録証明書以外、基本的にすべて取り寄せることができます。なお、この郵送サービスなどについて、最近のトラックバック「人にやさしく」で、o4mさんが詳しく紹介されていました。時間延長論議のポイントなども的確につかまれている記事内容であり、ぜひ、合わせてご覧ください。

このように私どもの市でも、できる限りの努力を重ねています。若手経営者さんの描くレベルからは話にならないかも知れませんが、駅前センターの機能は全国的にも平均以上の水準で、とにかく一歩踏み出しています。若手経営者さんの満足いくレベルに到達するかどうかは別にして、今後も機能充実の問題などについて、費用対効果と労働条件確保のバランスを取りながら検討を進めていくことになるはずです。

まずは時間延長の問題について、「バカの壁」を意識しながら自分なりに論点を整理してみました。端的に言えば、「10時まで簡単にできる」と「それほど単純ではない」が対立点であり、それぞれの視点や立場が「バカの壁」なのではないでしょうか。

論点整理すべき具体的な事例として、2日前にあきらさんたちから「(正規の)公務員」のあり方に関するコメントが寄せられていました。今回、やはり少し長くなりましたので、次回以降の宿題とさせていただきます。

最後に、この記事の投稿直前、ハンドル・ネーム民間労働者を改めたエニグマさんから民間の厳しい実情を訴えたコメントが届きました。エニグマさんからすれば、今回の論点整理も「ぬるま湯」の中からの発言だと冷笑されるかも知れません。もっと、もっと抽象的な言葉だけではない「何か」をさぐり、今後、「バカの壁」を少しでも崩せるような「何か」を発信できればと思っています。(Part2へ続く)

  

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2006年1月25日 (水)

2本のレールなのか…?

やはり単刀直入の「YES」は刺激的だったようです。前回記事「赤字自治体でも権利要求?」に対し、すかさず若手経営者さんから厳しい反論のコメントをいただきました。特に前々回記事「窓口開庁時間の延長問題」で、激しい議論がわき上がっている最高潮の時に火に油を注ぐ記事内容だったかも知れません。

私としては、その「YES」の先に様々な思いを託し、前回記事を投稿したつもりです。残念ながら私の表現力不足で真意が伝わらず、もしくは伝わっていたとしても立場性の違いから若手経営者さんの怒りを倍加させてしまったようです。

前回記事の内容を補足しますが、赤字自治体の組合が法外な賃上げ要求したり、正すべき「既得権」を放置するのを容認したものではありません。現在の公務員制度の中で保障された最低限の賃金水準を「守るべきもの」と言ったにすぎません。

さらに加えて「赤字自治体解消のために職員や組合も努力していくはずである」と書かせてもらいました。その上で、労働条件に関わる問題は労使交渉で決めていくことが重要であり、そうならないとフェアではないものと思っています。

国家財政は毎年、30兆円規模の赤字国債を発行しています。だから「国家公務員の処遇を無権利状態にすべきである」とは考えないはずです。「民間労働者も公務員も生活がある」との側面とともに、官民問わず賃金とは「簡単に削れない必要コストである」と押さえられないでしょうか。

このように書いてくると「公務員だけ倒産しないから、ぬるま湯につかり続けたいがための屁理屈だ」とお叱りを受けるのでしょう。また、「官民問わず…」と書けば、「何をきれい事」と批判されるパターンだと覚悟しています。

とにかく強調させていただきますが、国家や地方財政を再生させなくては絶対いけないと自覚しています。そのために公務員も自ら身を切ることも惜しむつもりはありません。しかし、公務員給料の「適正」さや「適正」人数を決めるためには、当事者の代表と位置付けられる労働組合との協議も不可欠であると再三訴えてきたところです。

若手経営者さんの苛立ちに対し、さらに刺激した記事になったかも知れません。民間の方々の批判を覚悟の上で、公務員組合側、その単位組合の一役員の立場で、これからも主張させていただきます。永久に交わることがない2本のレールなのか、そうでなくなる時が訪れるのか、わかりません。それでも、まだまだ「公務員のためいき」は続けていくつもりです。

念のため、今日は用事があり、休暇を取っていました。そして、戻ってパソコンに向かったところ若手経営者さんの反論を目にしました。と言う訳で初めて、このような時間に記事を投稿したことを付け加えさせていただきます。さらに付け加えます。この記事を書き上がり、投稿直前、アンディ・ベムさんからコメントをいただきました。この私の記事より、的確に問題点を掘り下げてくださっています。ぜひ、合わせてご覧いただけたらと思います。

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2006年1月24日 (火)

赤字自治体でも権利要求?

前回の記事「窓口開庁時間の延長問題」へのコメント欄が過去最高の伸びをみせています。また、議論の中味も非常にヒートアップしています。投稿していただいた皆さん、ありがとうございます。

ここで管理人として、一言だけお願いがあります。コメントされている皆さん一人ひとりが確固たる信念をお持ちで、いつも参考になるご意見を頂戴し、たいへん感謝しています。それぞれ私も含めて立場や考え方が異なるため、意見が対立していくのは当然だと思っています。また、その率直な意見交換できることがブログの利点であり、この「公務員のためいき」を始めた大きな目的の一つでした。

ただインターネットを介しているとはいえ、相手が存在する普通の会話だと考えています。特に不特定多数が相手であるため、私自身は普段以上に気を使っているつもりです。テーマがテーマでもあり、このブログのサブタイトルにある「謙虚」さを極力打ち出してきました。「少し謙虚(卑屈?)すぎるんじゃないの」との声もいただいたことがありました。

すみません、また一言が長くなっていますが、ぜひ、立場の違いなどは認め合いながら冷静な意見が交わせることを願っています。言葉はラフでも、コメントの内容そのものは厳しくても、お互いの意見の違いを尊重し合える場となることを理想としています。熱い議論に水を差すものではありませんが、ぜひとも、ご理解ご協力をよろしくお願いします。

さて、民間労働者さんから最近の記事「『既得権』にもメリハリが必要」へ次のようなコメントをいただいていました。群馬県太田市役所の徹底的な経費節減に触れた上で、こう問いかけています。

例えば、赤字の役所であっても、あなたがおっしゃっている大事な、労働者として譲れない既得権益は維持していくべきなのでしょうか。

単刀直入に答えれば「YES」です。これで終わってしまうと言葉足らずで、強い批判にさらされてしまいます。まず私は、その記事を通して「既得権」にも幅があることを主張したつもりです。違法なものは言語道断、さらに社会情勢の変化の中で襟を正すべきものは即座に正すべきものと考えています。

公務員賃金には、他の自治体や民間賃金との均衡原則という法的な側面があります。それに基づいた人事院勧告などで示された水準は、公務員として基本的な権利だと思っています。したがって、その範囲内である限り、組合として権利要求することが当然の責務となります。ちなみに、ここ4年間は下がることがあっても、上がることがない公務員賃金であることを付け加えさせていただきます。

民間労働者さんも「赤字自治体だから給料をゼロにしろ」と言っている訳ではないものと思います。それでは「いくらなら適当なのか」という話になった際、法律や制度面に基づくモノサシが重要なはずです。

もう一つお答えすべき点として、赤字自治体で働く職員も、きっと組合も「赤字のままで良い」とは思わないはずです。そのため、経費節減や人件費削減にも努力していくはずです。その際、職員賃金のみに赤字の責任を転嫁させないためにも、労使交渉は重要だと考えています。

そのコメントの中で民間労働者さんは、労働組合についてネガティブな評価を下されていました。この「公務員のためいき」全体を通して、私は「労働組合って大事ですよ」とのメッセージを発信してきています。ぜひ、その一言をもって、数々の思いをおくみ取りいただけたら幸です。

今回の記事内容も、まだまだ言葉が足らなかったり、立場性などの違いから賛否両論各人様々だと思います。冒頭で述べさせてもらいましたが、いろいろな考え方をぶつけ合っていくことは大歓迎です。さらに正解を出すのは簡単でなく、もしくは正解は一つだけではないかも知れません。ぜひ、多くの方のコメントをお待ちしています。

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2006年1月22日 (日)

窓口開庁時間の延長問題

ヒューザーのおじま社長は山と鳥の「小嶋」じゃないんですか、…と指摘を受けました。

前々回の記事「耐震偽装事件の巨悪は…」の中で、私は「小島」と記していました。日頃から誤字には注意するよう努めてきました。また、直接「戸籍」業務を担当していませんが、所属職場の仕事柄、特に人名には神経を使うように心がけてきたつもりでした。

そのため、「小島」とした時もマスコミの表記を確認した上で投稿していました。ただ改めて新聞各紙を点検したところ圧倒的に「小嶋」でした。そこで元巨人軍監督の長嶋茂雄さんも、「長島」とされる場合があることを思い出しました。

念のため、戸籍を担当する職員に聞いてみましたが、やはり「島」と「嶋」の字は両方OKとはならず、どちらかが間違いであることを確認しました。したがって、朝日や読売新聞など圧倒多数が「小嶋」ですので、ヒューザー社長の「小島」は誤りだったようです。前々回記事の漢字は訂正させていただきましたが、たいへん失礼致しました。

さらに付け加えると濁音と半濁音にも、充分注意していきたいと考えています。前回記事で「旗ぴらき」や「パランス」とした箇所があり、投稿翌日の昼休みに指摘され、あわてて修正させていただきました。重ねて失礼致しました。

またまたタイトルと異なる内容の書き込みが多くなりました。雑記風のブログでもあるため、大目に見ていただけたらと思います。さて、「お正月、フランスとドイツは…」の記事以降、公務員の働き方に対して論議が高まりました。

様々な角度からのコメントが寄せられる中、何人かの方が役所の窓口開庁時間の延長問題を取り上げられていました。まず若手経営者さんの次のコメントが口火でした。

窓口を土日も開けて、夜は24時間とは言いませんが、せめて夜の10時までは開けるべきでしょう。こんなこと簡単です。シフトでやれば労働基準法には抵触しません。またすべての部署がやることではないので明日にでもできることでしょう?なぜしないのですか?

そのコメントに対し、WontBeLongさんが次のように反論されています。

役所に出向く用事というのは、個人の利益や楽しみのためではなく、生活上必要な用事のはずです。そのような用事を、本来、休養や趣味など個人的な目的のために使うべき休日を使わなければならないことが間違っていると思います。一般の労働者は、役所に対して休日や夜間のサービスを求めるのではなく、自身の雇用者に対して、平日に生活に必要な用事を足す時間を与えるよう要求するべきだと思います。

さらにハマーさんが次のようなコメントを寄せられました。

市民課の後輩に、「延長窓口10時までやったらどうよ」と提案したら、「現状(PM7時までやってる)でも午前中の時間が手薄で、20分待ちのお客様が出てしまっている。これ以上シフトだけじゃ対応しきれない。」とのことでしたよ。人を増やさず、サービスを充実するのは難しいということです。

それぞれ貴重な問題提起となるコメントありがとうございました。立場や個々人の考え方の違いにより、どなたのご意見に一番共感するのか大きく分かれるものと思います。

私は市職員の実体験に基づき、ハマーさんのご意見に近い立場となります。市民の皆さんの利便性向上を否定する訳ではありませんが、交代制勤務の問題は費用対効果の面などを充分留意すべきものと思っています。

私どもの市でも、JRの駅に隣接し、基本的な窓口サービスを担える出張所が2年前にオープンしました。平日は夜8時、日曜も開いている窓口サービスセンターです。「たいへん便利になった」と市民の皆さんから歓迎されている施設です。

組合は開設前から開設後の現在まで、この施設の職員体制などについて重要な労使協議の対象職場としています。多岐な業務を取り扱い、非常にアクセスが良く利用者が多い施設であるため、職員の負担は半端ではありません。これまで、その負担が少しでも緩和できるよう職場組合員の皆さんと節目ごとに連携をはかってきました。

交代制勤務の職場は、文字通り誰かが交代で休んでいるため、職員全員が揃う時間が皆無であることを認識しなければなりません。しかし、それを前提とした職員数の配置について、組合つまり職場要求と人事当局との判断に大きな隔たりがあります。

市全体の行革方針として、一人でも職員数を減らしたい市側の姿勢があるためです。それでも開設以降、組合要求をもとに具体的な増員など何らかの改善策を引き出してきました。まだまだ現場組合員からは厳しい実態の声が寄せられ、来年度に向けた組合要求の前進をめざしているところです。

このように充分な職員数の確保が簡単ではない行革方針のもとでは、よりいっそう費用対効果の面を押さえる必要があります。本庁舎で窓口開庁時間を延長した近隣市の例として、当番で残った職員数よりも来庁者数の少ない日が珍しくないとも聞いています。コスト・パフォーマンスを軽視し、市民に対するパフォーマンスを重視した窓口時間の延長の動きは歓迎できません。

その意味で、私の市の駅前センターは非常にコスト・パフォーマンスが高いはずです。それを支えているのは、濃密な業務を担っている職員一人ひとりの努力です。組合にとって市民サービスの向上と職員の労働条件確保は車の両輪だととらえ、どちらも疎かにできません。したがって、このセンターが窓口サービスの象徴的な施設として、いっそう充実していくためにも、配置された職員の職場環境改善は欠かせないものと考えています。

今回も長い記事となり、たいへん恐縮です。最後にお知らせがあります。最新のコメントとして、民間労働者さんから“「既得権」にもメリハリが必要”へ厳しいご意見をいただきました。コメント欄で取り急ぎ、お答えしようと思いましたが、やはり記事本文の中で取り上げるべき内容だと考え直しました。次回以降の記事の中でお答えしますので、ぜひ、ご注目くださるようお願いします。

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2006年1月19日 (木)

「新春旗びらき」での主催者挨拶

ここ数日で、いろいろな方からコメントやトラックバックをいただいています。また、この「公務員のためいき」で取り上げたテーマを経由し、別な方のブログで議論が交わされている記事も拝見しています。投稿を重ねていく上での大きな励みとなっています。ありがとうございます。

記事本文の中で取り上げるべき貴重なご意見が多く寄せられていますので、機会を見てご紹介していきたいと考えています。なお、このブログは、労働組合を身近に感じてもらうことも一つの目的としています。そのため、これまで日々の組合活動を報告する「日記」的な記事も織り交ぜてきました。今回、一般の方には、あまり耳慣れない言葉である「旗びらき」について取り上げてみました。

今夜、私どもの組合は「新春旗びらき」と称したイベントを催し、多くの皆さんにご来場いただきました。参加された皆さん、また、ご来賓の皆さん、ありがとうございました。

さて、「旗びらき」とは組合員を対象にしたいわゆる新年会です。組合員の親睦、それも職場を越えた交流の場に位置付けています。合わせて地域の組合や推薦議員の皆さんとの交流も目的としています。

組合方針にそった機関手続きを経て、各級議会選挙での推薦候補者を決めています。現在、市議会や地元選出の都議会と国会、すべて推薦した候補者が現職で活躍されています。それぞれ皆さん、たいへん多忙な中、私どもの「旗びらき」へ駆けつけていただきました。特に衆議院議員の長島昭久さんは、今月23日に国会での代表質問を直前に控えた出席となるハードな日程でした。

自治労都本部や連合三多摩など、組合関係の来賓の皆さんも多数いらしていただきました。組合によっては、演壇の上でご挨拶いただく人数を絞り、来賓の多くをご紹介のみにとどめる場合があります。私どもの組合は、お忙しいところ出席いただいた来賓の皆さんからは、やはり一言ずつでも全員マイクの前でご挨拶いただこうと考えています。

ただ立食形式でもあり、あまり乾杯前に挨拶の時間が長すぎても、参加された組合員の皆さんにとって厳しいものがあります。かと言って乾杯した後、歓談の時間中にご挨拶いただくのも、来賓の皆さんへ失礼にあたる場合がありました。その悩ましさを少しでも改善するため、数年前から次のような工夫を試みてきました。

毎年、「旗びらき」で福引抽選会も行なっています。ある程度、お腹もふくらみ、抽選会に関心が移る直前、ご紹介のみにとどまっていた来賓の皆さんから改めてご挨拶いただく方式を定着させました。それでも乾杯前に挨拶いただく方の人数は、今回、8名を予定していました。仮に8名が5分平均で話すと40分…。

ここで、もう一つ心がけたことがあります。一番最初に演壇に立つ主催者代表、つまり私の挨拶をより簡潔にすることです。主催者挨拶が長くなると、来賓の皆さんもバランスを考え、あまり短いと失礼にあたると思い、長い挨拶が続く傾向となります。

一方で主催者挨拶は、多くの組合員の皆さんへ直接話すことができる貴重な機会でもあります。それにもかかわらず、まったく形式的なもので、中味がないのも少々問題です。また、私たち市職員の置かれた現状など訴えたい内容の題材は尽きません。そのため、どうしてもアドリブで話し始めると長々と続けてしまう心配がありました。その対策のためには、やはり原稿を用意することでした。

ここまでは前説なのか、ここまでも含めて今回記事の主な内容だったのか、よく分からない投稿となりましたが、「旗びらき」で私が挨拶した内容の要旨を紹介します。

私たち市職員のとりまく情勢は、かつてない厳しい局面を迎えています。国全体で、公務員の存在や「官」の役割について否定していく動きが強まっています。私どもの市の行革プランの中でも、常勤職員数を5年間で10%以上削減する計画を定めています。今後、そのプランに基づき、組合にとって厳しい提案が矢継ぎ早に示される見込みです。

それらの動きに無抵抗で押しつぶされた場合、労働条件がないがしろにされ、結果的に市民サービスの低下を招くおそれもあります。逆に適切かつ的確な仕事の改革を実行できるのは、現場を熟知し、市民サービスの最前線で働く職員、つまり組合員の皆さんだと確信しています。

ぜひ、自信を持って組合へ結集いただき、主張すべき点は毅然と主張していきましょう。最近、よく使わせてもらうフレーズがあります。「変わるべき時は変わり、守るべきものは守る」との言葉です。変わるべきものも、守るべきものも、ぜひ、組合員の皆さんと率直な議論を進め、しっかりとした対抗軸を打ち出していきたいものと考えています。

また、私たちの運動が孤立せず、民間の皆さんや地域の皆さんたちとも共感を得られる運動に広げるためには、幅広い方々との「絆」が重要です。その意味で、本日、多くの来賓の皆様にいらしていただけたのは本当に心強く思っています。

2006年、たいへん厳しい年となりますが、ひるまず前へ進みましょう。ぜひ、よりいっそう組合活動へのご理解、そして、結集をよろしくお願いします。

以上は、挨拶原稿として用意したものですが、これを読み上げた訳ではありません。したがって、あくまでも要旨としてご理解ください。つまりアドリブな話も盛り込んでしまいましたが、それでも自分自身は3分程度でまとめられたと思っています…?

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2006年1月17日 (火)

耐震偽装事件の巨悪は…

本日午後、耐震強度偽装マンションの問題で、自称「オジャマモン」こと小嶋進ヒューザー社長が衆議院国土交通委員会で証人喚問されました。昨日は「ホリエモン」こと堀江貴文ライブドア社長の関連会社を東京地検特捜部が強制捜査し、そのニュースが世間を騒然とさせました。

昨夜の私の記事は、投稿の機会を暖めていた「映画にもなった『県庁の星』」でした。今、考えると時事ネタがあふれている中、まるでニュースなど見ていないと思われるようなタイミングの記事内容だったと少し反省しています。

だからと言う訳でもありませんが、今夜は旬な題材で投稿させてもらいました。以前投稿した記事「耐震強度偽装事件からの警鐘」の中で、この事件を「官と民」の役割を考えるための切り口として取り上げてみました。また、その後の「『はめられた公務員』の警告」では政官業癒着の疑惑があるため、この問題で与党の姿勢が及び腰であることを批判してきたところです。

ライブドアの強制捜査や宮崎勤被告の最高裁判決など大きなニュースが重なった日でしたが、私にとって一番の関心事は小嶋社長の証人喚問でした。特に伊藤公介・元国土庁長官をはじめとした森派政治家との癒着が明らかになり、一気に巨悪があばかれることを期待していました。

当然、生中継で見ることはできず、さらに帰宅も8時過ぎになる予定だったため、夕方のニュース番組「イブニング5」を予約録画しました。ある程度、インターネットのニュースなどから結果は知っていましたが、帰宅し、さっそく再生してみました。すると案の定、トップはホリエモンでした。その後、NHKやテレビ朝日「報道ステーション」なども、どうもライブドアの方が目立っていた印象でした。

民主党議員の鋭い追及により、小嶋社長と安倍官房長官の関係などが具体的になりましたが、その件に対するマスコミの反応は今のところ非常に淡白です。さらに自民党議員は二人とも森派であり、やはり「想定内」の質疑だった気がしています。

実は、このブログへコメントやTBをいただいていた「踊る新聞屋-。」さんの記事から最近、「きっこのブログ」と出会いました。きっこさんの記事は強烈な起爆力を備え、現在、非常に注目されているブログであることを知りました。すでにご存知の方が多いかも知れませんが、百聞は一見にしかずと言いますので、ぜひ、上記のリンクからご覧になってください。

お二人のブログを拝見していたため、証人喚問への興味が倍増していました。さらに、なぜ、証人喚問が今日だったのか? なぜ、ライブドアの強制捜査が昨日だったのか? 昨年の総選挙で「小泉劇場」をプロデュースした権力ある方の辣腕ぶりに驚かされていました。いずれにしても、この事件が簡単に幕を引かれないよう注意深く見守る必要性を強く感じています。

最後に、この問題を「公務員」論議の話に引き寄せてみます。それは日本の社会の中で改革すべき核心部分を放置したまま、公務員問題を象徴的な標的にして、財政破綻のツケを払おうとしているように以前から感じていました。そのシナリオ作りに巧妙な情報操作があるのかどうか分かりませんが、権力側のしたたかさや怖さが半端でないことを改めて実感している今日この頃です。

念のため、補足が必要です。上記の発言は、決して公務員の「既得権」維持を主眼としたものではありません。公務のあり方や仕事の進め方について、引き続き、見つめ直していく局面だと考えています。その上で、「襟を正すべき点は正し、主張すべき点は主張する」の一環として私見を述べさせていただきました。

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2006年1月16日 (月)

映画にもなった「県庁の星」

このブログの題材になればと思い、少し前に「県庁の星」という本を読みました。その「県庁の星」が映画化され、今年2月25日に公開される予定です。おもしろく読めた本でしたが、「踊る大捜査線」や「ホワイトアウト」のような派手さはない舞台設定でしたので、織田裕二・主演で映画化されるとは意外でした。

いつものことですが、このブログは映画の紹介や書評が目的ではありませんので、一公務員の立場から印象に残った点を中心に書き込みます。この本から「公務員はこうあるべきだ」とストレートな主張はありませんでしたが、民間と対比した公務員の姿をパロディ化した作品だと感じました。

県の職員人事交流研修として、民間企業へ一年間派遣される6名の中の一人が主人公でした。主人公は2万9千人の県庁職員の中から選ばれた31歳のエリート青年の設定で、プライドが高い「典型的なお役人」として描かれていました。

物語の冒頭は県庁のオフィスで、派遣前に後輩へ仕事を引き継ぐ主人公。「前向きに検討しますは、何もしないと同じだから」「書類がまともに書けない業者の認可など待たせておけばいい」「稟議書の順番一つ間違うと印をもらえないから」と、小説だからこそ誇張されたパロディ…?

自分で「典型的なお役人」と書きましたが、上記のような発言を堂々とする公務員は今や化石に近いものと信じていますが…。作者の桂望実さんや多くの市民の皆さんから見た公務員は、このようなイメージなのだろうと冒頭から思い返した一場面でした。

主人公が派遣されたのは従業員数72名(そのうち多数はパート)のスーパーマーケットです。派遣当初、組織図や業務マニュアルがないことに驚いたり、スーパーの従業員を見下した態度をとったり、倉庫仕事に対して「もっと僕を有効に使ったほうがいい」など不平不満をもらし、浮きまくる主人公の姿が滑稽なものとして描かれていました。

空回りしていた主人公も、そのスーパーで懸命に悪戦苦闘していきながら、最後は他の従業員の人たちの中へ溶け込めたエンディングを迎えます。実際に売り上げを伸ばすためには、机上の理論だけでは通じないことを身をもって学び、主人公は一年間の研修を終えて県庁に戻っていきました。そして、最後に主人公は「魂を洗われて、新鮮な空気を入れてもらった」と振り返っています。

大雑把なストーリーは以上のとおりですが、「県庁の星」は完全なフィクションなのか、現実にそったセミドキュメントなのか、見方が分かれるかも知れません。現実の公務員の立場からすると物語を盛り上げるため、極端に誇張されていると思いたいところですが…。

その上で、このブログで続いている「公務員」論議の参考材料として、いくつか考えてみました。この物語の舞台であるスーパーマーケット、つまり民間企業は利益を出すことが最大の目的であり、かつ従業員共通の目的です。そこでは確かに結果がすべてと言えます。

一方で、公務員の仕事は言うまでもなく、利益が目的ではありません。一つ一つの仕事すべてが法律や条例規則に縛られています。そのため、答えや結果を出すためには「過程」が重視されます。その「過程」において、対象者によって対応を変えてはいけない、「公平」「公正」さが求められることになります。

その「民」と「官」の違いが過剰に際立ってしまうと、「形」ばかりこだわって、「実」のある仕事をしていない公務員像が出来上がるのかも知れません。さらに公務員は頻繁に人事異動があるため、担当者によって運用が変わらないようマニュアルが重視され、前例踏襲主義が強く押し出される場合があります。

以上の点について、公務員の仕事すべてがそうであるとか、「官」と「民」の役割や性格の違いもあるため、必ずしも否定的に見ることは乱暴だと考えています。が、公務員側の仕事の進め方について、変えるべき点が明らかにあるのならば、大胆に変える発想の転換も必要だと思っています。

最後に余談ですが、「県庁の星」から昨年末の「紅白歌合戦」に話を飛ばしてみます。ご存知のとおりNHKは視聴率回復のため、司会にみのもんたさんを起用しました。結果、視聴率は微増。しかし、みのさん自身、不完全燃焼ともらし、自分を充分活かし切ってもらえなかったと評していました。

年明けの「紅白歌合戦」舞台裏ドキュメントの番組が、精密なタイムスケジュールと完全な台本が出来上がっていたことを伝えていました。そのため、司会のみのさんもアドリブが入れづらく、お笑いタレントなどの話は一切台本通りで、乾いた笑いしか取れなかった訳がよく分かりました。

要するに「官」とみなせるNHKは、結果を求めながら「形」に強くこだわり、番組の成功イコール「緻密なマニュアル通りの進行である」と考えていたようでした。ちなみに舞台裏ドキュメントは、それらの点について一切問題意識を持たない単なる「舞台裏」の紹介だったことも付け加えておきます。

あまり長い記事は控えようと思いながら、「県庁の星」と「紅白歌合戦」を強引にコラボした長文を書かせていただきました。本当に雑談的な話でしたが、「官」と「民」を考えていくための一つの素材となれば幸です。

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2006年1月15日 (日)

「既得権」にもメリハリが必要

「公務員は働いていない!?」のタイトルは、前回で一区切りさせていただきました。そのことで、そのテーマの議論を終わりにさせようと思った訳ではありません。同じタイトルで「Part5」などとして続けていくと、その時の記事がどのような内容だったか振り返りづらくなります。投稿した記事内容が、後から分かりやすくなるよう「Part」は3程度にとどめようと考えています。

そもそも、このブログは公務員以外の方々との率直な意見交換の場になることも願っていました。その意味で、前回記事「公務員は働いていない!? Part4(最終回)」へ寄せられたコメントは大事に取り扱うべき問題提起として受けとめています。

民間労働者さんから改めて「私が公務員を非難する最大の理由は、給与(権利)は上場企業並を標榜するくせにその見合い(義務)は比例していないことにあります」とコメントが示されました。さらに若手経営者さんから「この先の増税を控え、既得権を残してはならないし、正当化を許すべきでもない」と公務員の「既得権」問題をクローズアップしたコメントが加えられました。

この間、Part4まで続いた議論の口火は、最近の記事「お正月、フランスとドイツは…」への若手経営者さんと民間労働者さんからの公務員に対する厳しいコメントからでした。私自身、前回までの記事の中味で、お二人から示された問題提起に対して的確に答え切れたとは思っていません。ただ「頑張っていれば良い」だけでは済まない時代だと認識し、キーワードとした「変わるべき時は変わり、守るべきものは守る」をどう実践していくのかが問われているものと自覚しています。

その上で、今回、指摘された「既得権」問題を取り上げてみました。まず「あなた方は非常識な家賃で社宅に住めるのでしょうが、我々は売上が、利益が出せなくなったらそういった福利厚生がなくなるし、文句も言えないのです。なぜだかわかりますか?国や自治体と違って売上が減れば使える、もらえるカネも減るからです。我々はそれを知っているから必死になるのです」の言葉は、重く受けとめなくてはなりません。

「労働条件や権利を主張しぎて、会社がつぶれてしまっては元も子もない」と耳にすることがあります。確かにその通りかも知れませんが、経営者側が常套句とした場合、労働者側が不当な条件を強いられる懸念も見過ごせません。そのため、様々な労働法制が整備され、労働組合が誕生してきた歴史(バックナンバー「なぜ、労使対等なのか?」参照)を注目すべきものと思っています。また、極端な格差社会への一因となったアメリカの労働運動の衰退(バックナンバー「ニューヨークで25年ぶりのストライキ」参照)も押さえる必要があります。

一方で、バブル崩壊以降、雇用問題などで苦しい時代を乗り越えてきた民間会社の労働組合が数多くあることも忘れてはなりません。その労苦を公務員の組合が「他人事」とした場合、連合の中での官民の結束は表面的なものと言わざるを得ません。つまり今、公務員の組合も時代情勢の厳しい変化をとらえ、乗り越えるべき壁に直面していることを体感すべきものと思っています。

しかし、だからと言って、オールorナッシングではないはずです。どうしても「既得権」という言葉にはマイナス・イメージが付きまといますが、労使交渉の結果、獲得してきた公務員の労働条件すべてが「非常識」だと決め付けられるのは心外です。私たちの賃金や福利厚生の予算は、確かに税金を原資としています。そのことは常に意識しなければなりませんが、やはりメリハリをつけた「既得権」見直しが必要だと考えています。

ここで誤解がないよう申し添えます。一切の「既得権」見直しを拒否するために弁明している訳ではありません。実際、数年前から私どもの市では労使で率直な協議を重ね、当時の時代背景の中では許されてきた様々な「既得権」の見直しを進めてきました。「襟を正すべき点は正す」とした問題意識やとりまく情勢を組合員相互に共通理解し、給料袋の中味(明細)が減っていくことを受け入れてきています。

今回も「既得権」というキーワードに絞って書き込みましたので、お二人の問題提起に対して充分に答え切れていないものと思います。あせらず、今後、いろいろな角度から投稿を重ねることにより、少しでも相互の理解が得られるよう努めていくつもりです。

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2006年1月12日 (木)

公務員は働いていない!? Part4(最終回)

同じタイトルで「Part4」まで続けたのは、今回が初めてです。簡単に答えを言い切れない難しいテーマであることが大きな理由でした。記事のタイトルそのものにも、「!」マークと「?」マークを付けていることが自問自答の表れです。

もう一つ、別な角度から意識したことがありました。当たり前の話ですが、私の市の組合員の方からはブログのコメント機能を使わず、直接ご意見をいただく機会が少なくありません。最近、それぞれ別な方から「始めた頃に比べて、どんどん記事が長くなっているね」「ブログとは思えない力の入れようですね」と感想をいただきました。

必ずしも否定的な意見だった訳ではありませんが、確かに少し長すぎるかなと振り返っていたところです。あまり長いと気軽に見てもらえず、読み流されていたり、リピーター定着のチャンスも逃しているかなと考えていました。

…と書き進めながら、今回も本題に入る前に前置きが長くなりました。まぁ、このように個人的なブログですので、あまり長い短いは考えすぎず、徒然なるがままに今後も投稿させていただきます。ぜひ、これからも気楽にお付き合いください。

さて、本題です。自分の務めている役所の中で、ほぼ定時に帰れる職場と非常に残業の多い職場があります。年休を完全消化できる職場と非常に取得しづらい職場があります。大半の職員が人事異動で、そのどちらの職場へも配属される可能性があります。

当然、組合の役割として、すべての職場での時間外勤務縮減や年休が完全取得できるようめざしています。また、組合は公務の中で「成果」を評価することは難しいものと考えています。人事評価制度のあり方について、労使の継続課題としたまま結論が出ていない現状です。

適切な例かどうか分かりませんが、自分の職場での具体的な事例を紹介します。全員が記載されている戸籍謄本も、どなたか一部のみの戸籍抄本も、手数料は同じ450円です。

郵送申請で家族4人分の戸籍抄本4通、手数料1,800円が届きました。使用目的はパスポート取得のためでした。パスポート申請を家族が同時に行なう場合は、戸籍謄本1通で済むことを私どもは把握していました。

財政が厳しい中、少しでも手数料収入を高めることも大切です。しかし、私たちは迷わず、申請者へ電話します。その電話で確認できれば、戸籍抄本4通申請を戸籍謄本1通に切り替え、手数料1,350円をお返しします。

もしかしたら「余計な世話を焼いて、手間をかけ、歳入を減らした」と思われる方がいらっしゃるかも知れません。いずれにしても役所の仕事は千差万別で、さらに「車を何台販売できた」とのような成績を数字で示しづらいものが多いことをご理解ください。

このタイトルも今回を最後としますが、少しだけまとめのような話で締めたいと思います。公務員の中でも、過酷に働いている人や働かされている人、労働者としての権利取得がスムースにできている人(=働いてない人と決め付けないでください)がいます。

また、必死に頑張っても、割り当てられた任務を無難にこなすだけでも、それほど賃金の差が出ない制度設計になっています。「だから楽をしよう」と考える職員はいないはずですが、今までの人事制度が万全だとは決して言い切れません。ここでも1回目の記事で訴えた「変わるべき時は変わり、守るべきものは守る」の言葉につながります。今後、業績評価の制度化など簡単ではありませんが、とにかく労使で良い知恵を出し合っていくことになります。

最後に一言。自治労など組合の力が強いから公務員は楽している、との批判は的外れだと改めて言わせてください。民間企業も含めて社会全体で守るべき公正労働基準について、私どもの組合は組合員全員が守れるよう一所懸命努力しています。その上で、「襟を正すべき点は正す、主張すべき点は主張する」と「変わるべき時は変わり、守るべきものは守る」だと考えています。ぜひ、ご意見をお待ちしています。

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2006年1月11日 (水)

公務員は働いていない!? Part3

このタイトルの記事は今回で3回目となります。「Part3」としていますので、あえて言うまでもないのですが…。この間、ハマーさん、miffyさん、フォローとなるコメントありがとうございます。また、若手経営者さん、ご自分のブログの記事「特番!!!」の中で真正面から受けとめていただき、ありがとうございました。

その若手経営者さんのブログへ訪問したところ、このテーマに関連し、公務員志望であるめだかさん(相互リンク「公務員試験日記~その向こうへ行こう~」の管理人)がコメントを投稿されていました。以下は、その一部抜粋です。

現在の公務員批判といわれるものにも共通して感じるのですが、よい部分と悪い部分の棲み分けができていないままでは、よりよい前進というのは難しいのではないでしょうか。頑張っている公務員もいれば、頑張っていない公務員もいる、これが現実ではないでしょうか。また、公務員の根本的な部分に対する批判であったとしても、民間の論理が至上のもので、それをそのまま公務員に当てはめることができるのかということも考え直す必要があるのではないかと感じました。

このコメントを受け、若手経営者さんも最新記事「公務員の階層化と下流思想」の冒頭で、「公務員は○○だ。」という言い方はいささか乱暴かも知れないと述べられていました。その上で、これから階層化が進んでいく中、若手経営者さんは公務員の働き方に対して警鐘を鳴らしています。

頑張っている公務員もいれば、頑張っていない公務員もいる点について、十人十色の言葉がある通り全員が同じように頑張っているとは確かに言い切れません。ここで、以前の記事「なるほどハイパフォーマンス・ガバメント」へのコメントを紹介します。

未だに多くの現場では「休まず、遅れず、働かず」です。与えられた仕事『だけ』をこなす、前向きな提案は仕事を増やすものとして(あるいは変えるものとして)つぶされる。新たに希望を抱いて加わった人もだんだん侵されるか、疲れていく・・・・。

新年早々にいただいた、おひょいさんからのコメントの一部抜粋です。うるう秒の話などもあった興味深い内容でした。私どもの市の組合員かなと受けとめ、即座にコメント欄を使い、次のようにお答えしました。

「官の責任と役割」を公務員ではない方たちから支持を得るためには、私たち自身もある面で変わる必要があるものと思っています。つまり今後、自分たちの仕事の付加価値を高めていくことが非常に重要な試みとなります。その一方で、労働条件の維持・向上とのバランスも無視できないのが組合の役割だと考えています。

自分の文章まで過去のコメントを引用させていただき、非常に省エネな記事となりました。自分自身、少しまとまりが悪い記事だなと反省しています。そして、まだまだ言い足りないことがありそうです。貴重な議論につながるテーマですので、このタイトルで明日以降も続けてみようと思っています。ぜひ、いろいろな方のコメントをお待ちしています。

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2006年1月 9日 (月)

公務員は働いていない!? Part2

前回記事「公務員は働いていない!?」に対し、さっそくハマーさんと若手経営者さんからコメントをいただきました。それぞれ議論が深まる提起であり、ありがとうございました。

少なくない職員が深夜・休日に及ぶ勤務の中で、過労死orうつ病→自殺に追い込まれるまで働かされている実態なのに、ウソを垂れ流すマスコミ報道や、悪意をもった市民のおかげで、真実が捻じ曲げられていますよ。

民間の方だと伺っているハマーさん、いつも歯切れの良いコメントありがとうございます。悪意があるかどうかは横に置かせてもらいますが、確かに市民の皆さんの考え方には様々なものがあるはずです。したがって、前回記事の「市民の皆さんとの信頼関係」と一括りにした表現は言葉足らずでした。個別の行政サービスの対象となる「市民の皆さん」を想定した表現だったと補足させていただきます。

前段のご指摘にある過労死などの話は、私自身も非常に意識した上で前回の記事を書いていました。「変わるべき時は変わり、守るべきものは守る」と訴えた中味が、この労働条件の問題を強く意識したものでした。

若手経営者さんからは、ご自分のブログに私の記事を全面展開した上でコメントをお寄せいただきました。次の内容は、その一部抜粋です。

税収に余裕がある時代であれば結果が出なくても、一生懸命がんばればよい時代もあったでしょう。しかし世の中の民間企業はこの15年、血のにじむような苦労をしてがんばってきました。上のハマーさんがおっしゃるように深夜・休日に及ぶ勤務の中で、過労死orうつ病→自殺に追い込まれるまで働かされている実態が事実行われ、交通事故の死亡者の3倍の人間が自殺に追い込まれる世の中であったことは知ってのことでしょう。われわれはこれを超えてきました。必死にがんばって、「結果」を勝ち取ってきたのです。今度はあなた方公務員の番なのです。公僕の本当の意味と役割をあらためて確認する必要があるのです。

いろいろ問い直す機会となる貴重なコメント、たいへんありがとうございます。まず公務員にとっての「結果」とは広い意味で考えれば、政治家である首長の政策実現への推進力となることです。絞ってとらえれば、自分の担当する業務で「安全」「「安心」「公正」な市民サービスを提供することだと思います。

若手経営者さんが意識的に使われている「公僕」という言葉ですが、一部の勢力に組しない意味での「全体の奉仕者」であって、「しもべ」が強調されるとしたら正直違和感を持たざるを得ません。ちなみに、公務員は「公権力を行使」する者という点を強調するのも必要最低限にすべきものと感じています。

私の言い分が、公務員だけ「ぬるま湯」につかっていたいと思われないよう気を付けなければなりません。当然、職員一人ひとりがスキルアップに努め、市民から信頼される行政をめざすべきものと考えています。しかし、ここで改めて「変わるべき時は変わり、守るべきものは守る」の話に戻ります。

私たち公務員も現状に立ち止まらず、変わる必要がある場合は変わらなければなりません。その一方で、健康を害するような職場環境は絶対避けるべきものと断言します。そのことは、民間企業でも同様なはずです。人の命を犠牲にまでして、勝ち取るべきものとはあり得るのでしょうか。

「公務員は甘い。公務員の組合だから、そんなきれいごとを言っていられるんだ」と批判される方がいらっしゃるかも知れません。繰り返しになりますが、公務員だけの問題ではなく社会全体で、過労死や自殺者を出さない労働環境の実現をめざすべきものと思っています。そう願いながら、守るべき自分たちの職場環境や労働条件を守っていくつもりです。

難しいテーマであり、まだまだ言い足りない点が多いようで、うまく論点もかみ合っていないかも知れません。このタイトルで、もう少し掘り下げていく予定ですので、ぜひ、ご意見ご感想をお寄せください。

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2006年1月 8日 (日)

公務員は働いていない!?

前回の記事「お正月、フランスとドイツは…」に対し、4人の方からコメントをいただきました。いろいろ貴重なご意見、ありがとうございました。若手経営者さんと民間労働者さんのコメントは、このブログにとって非常に重い意味合いがあるため、記事本文で取り上げさせていただきました。

このブログを開設した目的は公務員側の言い分の発信でした。当然、その言い分に対して、公務員以外の方から痛烈な批判にさらされることを覚悟していました。逆に公務員以外の方からのコメントが少ない場合、アクセスの幅広さがないのか、相手にされないような貧弱な内容なのか反省すべきことかも知れません。

幸(?)にも、これまで何人かの方から手厳しいコメントをいただきました。その都度、こちらの考え方を改めてお伝えし、一方通行としない意見交換に努めてきました。一気に相互理解が進むほど単純な問題でない事例ばかりでしたが、ていねいな返答に好感を持っていただいた方もいらっしゃいました。とにかく立場や考え方が違う方々と率直な意見を交わせることがブログの利点だと思っています。

まず若手経営者さんからの「公務員は間違いなくサービス業です。平日しかやっていないため、納税者がわざわざ休みを取って役所に行くなど間違っています。すべてシフト制にして365日あけるべきです。自分たちが楽をしたいがために理論を展開するのはいかがとおもいますが?」のご指摘に改めてお答えします。

確かにフランスとドイツの例を出したことで、ご指摘のような受けとめ方をされるかなと感じながら記事を書いていました。しかし、ハマーさんの「フランスやドイツでは民間企業を含めた社会全体のことを言っているのに」のコメントのとおり、決して公務員だけ楽をしたいために外国の例を紹介した訳ではありません。働く側の視点、家族とのふれあいなどの面から社会全体を見つめ直す発想の転換も大切だと思ったからこそ、前回記事のような提起をさせていただきました。

続いて若手経営者さんと民間労働者さんの次の内容のコメントに対して、私なりの考え方をお答えします。「公務員とは公僕なのです。みなのためにいかに身を粉にして働けるか?これが評価のすべてです。みなのために働くから賃金や身分を保証されるのです」「私は公務員、特に区役所や県税事務所の職員などは自分たちと比較して労働者としての質のレベルが著しく低いと思います」「私たちはさまざまな創意工夫をして利益を出しております。公務員はそれをしておりますか?身分の保証がされているから危機感などがないのではないでしょうか?」

お二人から伝わってくる共通した思いは「公務員は働いていない」との不信感です。それぞれが体験から基づいた根強い不信感であり、当然、簡単に拭えるとは思っていません。したがって、あまり気負わず個人的な考えを披露させていただきます。

公務員は賃金や権利保障に見合った働き方をしているのか、私の知る範囲内では「皆、懸命に頑張っている」と答えさせていただきます。しかし、ここで重要な点は市民から見て、そのような評価を得られているかが肝心な時代を迎えています。もし、市民側から見て不充分な評価だった場合、自ら自分たちの仕事を見つめ直し、必要ならば変わる努力を怠ってはいけないものと思っています。その上で、市民の皆さんと充分な意志疎通をはかり、信頼関係を築いていく努力が非常に重要です。

このブログのコンセプトと言える「襟を正すべき点は正し、主張すべき点は主張する」の意味合いは、「変わるべき時は変わり、守るべきものは守る」につながります。抽象的な言い方が続いて恐縮でしたが、近いうちに、もう少し具体的な話を織り交ぜた記事を投稿したいと考えています。ぜひ、また率直なコメントをお寄せください。

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2006年1月 5日 (木)

お正月、フランスとドイツは…

のんびり過ごせた正月休みが明け、仕事始めの日から一転して多忙な日が続きます。1月1日を基準日とした人口統計関係の報告や資料作りが多くなり、自分の担当業務が繁忙期を迎えています。その一方で、組合関係の任務のあわただしさは相変わらずです。普段よりいっそう時間を効率的に使い、集中力を高めて頑張っていくつもりです。

さて、「最近、お正月らしさが薄れた」との声を何人かの方から聞きました。その共通した理由として「元旦から開いている店が増え、街が静かな雰囲気ではなくなった」と指摘しています。確かにその通りだと私も感じていました。

元旦から食料など必要なモノが買えるため、保存性が高いおせち料理を用意する必要性が薄れています。いつも通り買い物や遊びに出かけられるため、凧揚げやカルタ取りなどのお正月らしい遊びの風景も減っているようです。

お正月でも、いろいろなお店が開いていることは確かに便利かも知れません。ただ忘れてはいけないことがあります。元旦から開く店が増えていると言うことは、元旦から働く人が増えていると言うことを気にとめる必要があります。本来、元旦を一緒に過ごしたかった父親や母親が仕事でいない、さびしい家庭が増えている点を思い返すべきものと思います。

このことをお正月に限らず、少し広げて考えてみます。セブン・イレブンの登場で便利になったなと思っていたら、いつのまにか24時間営業のコンビニが当たり前になっていました。今、サービス業は限りなく24時間365日に向かっています。そして、市役所の窓口まで、その方向を求められる時代になっています。

フランスやドイツは、原則として法律で日曜の労働を禁止し、さらに午後8時以降の商店の営業を禁止しています。したがって、お店は日曜に閉まっているのが当たり前な風景となっています。お店を営業していても、家族そろって日曜日に行楽へ出かけられるのがフランスやドイツです。

便利さを我慢し、家族が一緒に過ごせる時間を増やす、同じ会社の仲間が一緒に遊びに行ける機会を増やす、それも大事なことではないでしょうか。ちなみにフランスは、そのような法制化によって一つの少子化対策にもなったと言われています。

皆が一斉に休むことのメリットはもう一つあります。冷房設定28度とするクールビズなどより、休みの日はその施設を無人とする、イコール電気も冷暖房も使う必要がない、非常に効果的な省エネとなるはずです。

お正月の話から広がり過ぎたかも知れません。でも、いろいろな意味で発想の転換が必要だと考えています。スローライフという言葉も脚光を浴び始めています。便利さや効率化の言葉の裏側を検証することが、重要な時機を迎えているものと思っています。

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2006年1月 1日 (日)

逆風にひるまず、謹賀新年

あけましておめでとうございます。kadomatsu

今年もよろしくお願いします。

この「公務員のためいき」は昨年8月16日から始め、今回の記事で69タイトル目を迎えました。私どもの組合員やそれ以外の方も含め、たくさんの方がお読みいただいていることが大きな励みとなり、ここまで投稿を重ねてくることができました。また、このブログへ今までに多くの皆さんからコメントやトラックバックをいただきました。改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。

日頃から記事の文章には神経を使ってきましたが、本文の字のカラーも一色だったり地味な印象のブログだったと思います。サムネイル(縮小表示)の写真さえ、数回挿絵的に入れてきた程度でした。タイトルのイラストなども年末に初めてマイナーチェンジしたぐらいで、ほとんどレイアウト面はワンパターンな雰囲気で続けてきました。今回、せめてお正月ぐらいは、少しでもカラフルになるよう工夫してみました。

実は今回、このブログへ初めてご訪問いただいた方が増えていることを期待しています。これまで何人かの方から、このブログを積極的にPRすべきであるとのご意見をいただいていました。その声に励まされ、元旦に届く私ども組合の機関紙に改めて「公務員のためいき」を紹介する囲み記事を掲載しました。また、個人的にお送りした年賀状の挨拶の中でも、せっかくの機会と思い厚かましくも宣伝させていただきました。それらを手にされ、さっそくご覧いただいた方、ありがとうございます。ぜひ、これからもお気軽にご訪問ください。

ところで年末のマイナーチェンジで、プロフィールの内容も更新しました。そのプロフィール・ページを使い、このブログに対するコメントの送信方法など《お願い》を付け加えています。ぜひ、右サイドバーのプロフィールをクリックし、ご覧いただければと思います。

さて、このブログは激しさを増す公務員バッシングに対し、襟を正すべき点は正しながら主張すべきことは主張しようと考え、地道に投稿を重ねています。その中で、労働組合があることの重要さ、官と民の責任と役割、組織としての政治活動の必要さ、小泉構造改革の問題点など、様々な切り口からの記事を投稿してきました。

日記形式のブログであるため、単発の記事をお読みいただい方には充分思いが届かず、誤解を招く場合があったかも知れません。とはいえ毎回、同様な趣旨の内容が入るのも芸がなく、常連の方には飽きられてしまいます。そのため年賀状バージョンの今回、少し趣向を変え、バックナンバーの紹介を試みてみました。

これまで投稿した記事の中で、ぜひ、皆さんへ紹介したいタイトルを20点選びました。初めは10点に絞るつもりが、欲張って倍になってしまい、たいへん恐縮です。なお、あくまでも改めて皆さんに読んでいただけたらとの思いから選び、いわゆる「ベスト20」ではありません。したがって、20点の並びも投稿日順としています。もちろん、すぐ各記事へ飛べるようリンクをはってあります。ぜひ、お時間が許される方は、のんびりご覧になってください。

  1. 時間内組合活動について
  2. なぜ、労使対等なのか?
  3. 「公務員はいいね」に一言
  4. 公契約制度の改革って?
  5. 便宜供与と不当労働行為
  6. 組合の平和運動
  7. 「国家の罠」と「国家の自縛」を読み終えて
  8. 改めて「公務員のためいき」をよろしく。
  9. 秋、あれから2か月
  10. 大胆な改革、オランダのダッチ・モデル
  11. 喜怒哀楽、組合役員の改選期
  12. 組織の力、大事な力
  13. 拉致問題を考える
  14. 市役所の窓口業務も民間参入?
  15. 前原民主党代表と語る会
  16. 12月議会始まる
  17. 学校給食への安全責任
  18. 民間委託は「安上がり」の悩ましさ
  19. 保育園民営化の問題点
  20. ニューヨークで25年ぶりのストライキ

Inu以上の20点ですが、何かご意見やご感想がありましたらコメントをお願いします。また、様々な考え方やご批判があることも覚悟の上でのブログですので、率直な厳しいコメントもお待ちしています。お答えが必要な場合は、コメント機能や記事本文の中で必ず返事するよう心がけています。

今年は、公務員の総人件費削減の動き(前回記事参照)や私どもの市の行革プランとも真正面から向き合う正念場の年となるはずです。公務員をとりまく情勢は冷たい逆風の中ですが、ひるまず、前向きに進みたいと決意しています。これからも、どうぞよろしくお願いします。

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