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2005年11月26日 (土)

骨っぽい挨拶の菅直人さん

前回投稿した記事のとおり賃金闘争は徹夜の末、明け方に決着しました。当局側の検討結果を待っている時間、少しだけ横になれましたが、結局のところ一睡もせず朝を迎えていました。早く帰って眠りたいところですが、その日の夕方、連合地区協議会の幹事会などが予定されていました。

車で通勤していたのですが、「寝不足だから自分で運転して帰るのは危ないかな」と考えました。そのように自分の行動を正当化(?)し、過酷なスケジュールにもかかわらず、協議会役員の皆さんと会議が終わってからの焼肉屋へもご一緒させていただきました。

睡眠不足で体は弱っていても、頭の中のテンションは上がり気味だったかも知れません。ほろ酔い気分になった頃、前日に開かれた連合三多摩定期総会での菅直人衆議院議員の来賓挨拶が話題に上りました。私自身が「さすがに菅さん、骨っぽい挨拶で一味違う」と感じた印象を話したところ、やはり皆さんも同じように受けとめていました。

ホリエモンかホームレスになるのか、すべて自己責任とした政治を小泉首相は推し進めている。外交面では排外的なナショナリズムをあおっているだけである。それでもテレビの影響力を巧みに使うことにかけて天才である小泉さんは、無党派層以外の票も取り込んで先の総選挙では自民党を圧勝させた。民主党も同じテレビでの効果を求めていくのか、私は原点に返って運動のエネルギーを大事にすべきと思っている。

今までの歴史の中で、社会を動かしてきたのは農民運動であり、労働運動、学生運動、市民運動だったはずである。今後、非正規労働者や退職間近である団塊の世代(1947~49年生まれ)の潜在的な運動エネルギーの受け皿作りが重要である。特に、この三多摩は新たな運動のエネルギーを発信できる地域だと考えている。これからも民主党は、働く者、納税者、生活者の代表として、連合の皆さんと力を合わせていきたい。

以上が連合三多摩定期総会における来賓挨拶で、菅さんが話された内容の要旨です。完璧なメモをもとにしていませんので、言い回しなどが多少違っている点はご容赦ください。まず「ホリエモンかホームレスか」の言葉はインパクトがあり、聞き手をひき付けることが得意な菅さんらしい明確な例えに感心しました。

そして、小泉首相と同じ土俵で戦わないという毅然としたメッセージが「運動の提起」であり、さらに「団塊の世代の退職後のエネルギー」を注目していることに強く感銘しました。菅さん自身のホームページでも「団塊党」として紹介されていますが、この話は木曜の夕刊紙の記事にも取り上げられていました。

地区協議会役員の皆さん、つまり民間組合幹部の皆さんたちと話す中で、このように小泉自民党と明確な違いを打ち出す菅さんへのシンパシーは共通なものであることを強く感じました。労働運動と相通じるものがある市民運動出身である菅さんだからこそ、その場だけ取り繕うような挨拶ではない力強さを真摯に受けとめることができます。

ここから先は少々酔っ払った中での私自身のボヤキですが、地元民主党のN代議士の話題にもなりました。総選挙で惨敗後、手の平を返したように見受けられた自治労との付き合い方について、再三、直接会った際に真意を尋ねました。すると必ず「誤解があるようで今度じっくりお話に伺わせてください」と答え、前原代表もN代議士自身も決して官公労を外すことを考えていないと説明していました。

国会議員を呼びつけるほど組合役員は偉くなく、そんな傲慢さも持ち合わせていませんが、相手から訪ねて行きたいと言われたまま梨のつぶて。最近、開設したN代議士のブログを垣間見ると、やはり官公労とは縁を切りたいように見受けられます。

総選挙戦の際、組合員から「なぜ、公務員の総人件費削減をマニフェストとした民主党を応援するのか」などの厳しい声に対し、私をはじめ組合役員側は民主党支持の必要性を愚直に訴えてきました。したがって、組合役員と組合員との信頼関係の重さを考えるからこそ、今のような曖昧さに苛立ちを覚えています。

酒席とはいえ、このような愚痴にお付き合いいただい地区協議会役員の皆さん、ありがとうございました。また、火曜夜に連合三多摩主催で前原民主党代表との懇談会が予定されていますが、あまり期待せず、率直な聞く耳を持って参加するつもりです。

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コメント

こんばんは。東松島かろかっくと申します。
トラックバックさせていただきました。

私のブログの方に、コメント&TB返しを
いただきまして、ありがとうございました。

私のブログでも書かせていただきましたが、
相互リンクについては、今後の検討課題と
させていただきます。ご了承ください。

それでは、失礼致します。

投稿: 東松島かろかっく | 2005年11月26日 (土) 19時58分

 毎日ご苦労様です。私は政治のこと、よく分からないのが本音なのですが、このHPを見つけ、思っていることを書いてみようと思いました。お時間がありましたら、読んでください。
仕事をしながら 就学前の子ども2人を育てております。ごくごく普通の家庭です。が、仕事で子どもたちのお世話をしています。交代勤務も勿論あります。この間職場で、「公立で出来ることは何か」という議題で話し合いがもたれました。民営化される中で、公立として生き残るためには・・・。各機関との連携、休日保育、保育時間の延長、障害児枠の拡大、出張保育等、案が出ました。私は公立としてこのようなことはやっていかねばならないと思っても、子育てできない母、自分の子育て省みず、責任転嫁する親が多い中で、これ以上母から子を時間的に引き離してよいのだろうかと疑問です。もっと子育ての文化を次世代に伝えて行かないと、日本は益々犯罪が増え、いろいろね面で歪が益々起きてくると思います。(少子化問題も含む) また、自分の子どもも心配です。仕事で帰りが遅いと、親子で接する時間が益々減ります。今でさえローテーションがきついのに、もっととなると、仕事を辞めざる終えません。子育て中の母にはもう少し緩和されると、3人も四人も生んでもいいのだけれど・・・、とおもうことも。
 公立は民間よりも、子育て経験のあるスタッフが揃っていると思います。それは何よりも子育て文化を伝える大事な人材だと思いませんか。そういうことを男性の政治家にも分かって欲しいと思います。
 長く仕事を続けられるのは安定した給与と、休暇の保障、が大きいと思います。また、子ども達の定員も公立では守られているので、それも重要だと思います。(ただ、今の定員に対するスタッフの割合が適当かどうかは疑問ですが)
 働く女性にとって、働きやすいよう条例を出しても実際は取れているかどうかは疑問です。今いる職場でも、妊婦さんがおりますが、お腹が張っても周りに迷惑がかかると思っているのでしょう、休息をとっていません。休息を取ると、そこに一人スタッフが入らなければならず、誰も代わりがいなければ、休めませんよね。その気持ちは良く分かります。生きた子ども達を相手にしているのですから。怪我させないように、事故に合わせないように常に気を配り、命を守っている仕事です。子育てはそういう仕事だということを、もっと分かってもらいたいと思います。

 支離滅裂ですが、今思うことを書きました。
 また書きたくなったらよろしいでしょうか。
 

投稿: asaやん | 2005年11月27日 (日) 02時24分

「asaやん」さん、保育現場で働く方の切実な思いが伝わるコメントありがとうございました。
最近、このブログは組合活動や政治的な話が中心となりがちでした。これからは保育や窓口サービスなど具体的な職場について、いろいろ考えていける記事を増やしたいと思っています。
ぜひ、今後も気軽にコメントをお寄せください。

投稿: OTSU | 2005年11月27日 (日) 11時29分

日々の活動、ご苦労様です。
「asaやん」さんのカキコを見て、思っていることをカキコみしたいと思います。
OTSUさま、この場を利用して、そうしたカキコを行うことをお許しください。
自治体に働くものとして、また、労働組合の役員を担っているものとして、「公立の仕事」について、否応なく考えさせられる実態があります。
保育所や給食調理の仕事は、まさに民間委託提案の渦中にあります。「公立として何ができるのか」は大きなテーマであり、多くの自治体の組合で悩んでいることです。その一つの答えとして「公務労働の拡大」があると思います。
個人的に「公務労働の拡大」に反対するつもりはありません。しかし、その「落とし穴」としてasaやんさんがカキコされるように、そこで働く労働者保護がないがしろにされたり、結果として「労働強化」や「辛くてもモノが言えない」実態が生み出されると考えます。
また「公立として何ができるのか」というテーマは、時に「民に負けないサービスの提供」に変わり、「官対民」の議論になります。
春闘などでは「官民一体となったたたかい」と言いながら、実態は民間は官の仕事を奪う「敵」になっていないでしょうか?
「職場を守ること」、「組合員の生命と権利を守ること」、「労働者として連帯すること」等々、スローガンと実態のズレ?(上手く表現できず、すいません)があるように感じています。
なんか、ダラダラしたカキコになり、まとまりがなくなってしまい申し訳ありません。

投稿: アンディ・ベム | 2005年11月28日 (月) 09時20分

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先日の内閣改造の際に少しだけ触れた、菅直人氏の「団塊党」構想について、 思うところを述べたい。 [続きを読む]

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