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2005年10月 4日 (火)

政治課題の難しさ

前回の記事は「避けて通れない拉致問題」でした。いただいたコメントに対する回答という流れですが、かなり公務員の課題から離れ気味と言えます。と言いながらも個人の責任によるブログですので、あまり枠にとらわれず今後も臨機応変な内容にしていくつもりです。

その私の記事を取り上げた「平和も、拉致被害者救出も」というトラックバックをいただきました。結論部分は好意的な扱いでしたが、次のようなご指摘も受けました。

原則論としては、労働組合が平和運動に参加したり拉致被害者の救出に取り組んだりするのは少し違う気がする。労働組合は各職場で労働者の利益を守るためにあるので、それと関係のない課題に入り込みすぎないほうがいいと思うからだ。

労働組合が政治課題に取り組む意義については、バックナンバーの「組合の平和運動」を参照いただけたらと思います。したがって、まったく取り組まない方が良いとは考えていませんが、ご指摘のとおり労働組合の最大の役割は職場における労働条件面での活動であることは言うまでもありません。労働組合が政治課題に力点を置き過ぎて、職場課題がおろそかになるような主客転倒は絶対避けなくてはなりません。

そして、組合が政治課題を取り組む際、何よりも留意すべき点は組合員との情勢認識や問題意識の共有化です。その上で率直な議論を交わし、徹底的な組合民主主義を経た方針確立が非常に重要であると考えています。少数の組合執行部だけで方針を決め、組合員に「○○を反対しよう」などとした運動のトップダウンは言語道断です。

どのような場面でも組織が一定の影響力を持つためには、その組織を構成している人たちの考え方がまとまっていることが大切です。伝統的な組合用語で言えば、団結。組合にとって組合員の団結が重要な点は今も昔も変わらないはずです。ただ現在、非常に難しいのが平和運動や政治活動の進め方です。

様々な情報があふれ、個々人の価値観が多様化している中、政治課題で一つの結論を出すことは前述のとおり懇切丁寧に進める必要があります。丁寧な手続きを踏んで出した結論であっても、多くの組合員が疑問や不満を残すようでは団結にヒビが入る要因となってしまいます。

自民党と社会党の55年体制時代、その政治的な評価は別にして、組合が社会党を応援しても今より組合員から違和感が発せられなかったものと思います。ぜひとも、組合員が一体となってスッキリ応援できるような政治的な枠組になることを心から願っています。

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コメント

こんにちは。丁寧な返答ありがとうございます。

「組合員が一体となってスッキリ応援できるような政治的な枠組」、今では夢のような話になっちゃいましたね。しかし労働者が減ったわけでも課題が消えたわけでもないので、反転のチャンスはあると信じたいところです。

投稿: kazhik | 2005年10月 7日 (金) 21時49分

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