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2005年9月 1日 (木)

「公務員はいいね」に一言

景気がいいと学生の就職活動で地方公務員は人気が落ち、不況になると堅実な(?)地方公務員が脚光を浴びる一つのサイクルがあるようでした。過去形なのはバブル経済(1985年から1990年の初め頃まで)がはじけ、先が見えない不景気が続いているからです。そのため最近は、ますます「公務員はいいね」という言葉が多くなり、ついに「恵まれすぎている」というバッシングが始まってしまいました。

このブログの何回か前に人事院勧告について触れ、公務員賃金は民間の賃金水準を相場にして決められていることを紹介しました。ここでは、さらに掘り下げて公務員は本当に恵まれすぎているのかを検証してみます。

公務員にクビはない、確かに整理解雇や使用者が勝手にクビを切れないようになっています。国家公務員も地方公務員も、使用者であるトップは基本的に政治家が務めています。クルクル変わる省庁の大臣、4年ごとに選挙がある首長、それぞれのトップの意向を公務員は当然受けとめて職務に従事します。しかし、そのトップが公務員のクビを簡単に切れる権限を持っていたら、トップが変わるたびに公務員は自分の雇用を心配するようになってしまいます。さらに公務員は首長のために仕事をするのではなく、全体の奉仕者として行政の継続性や安定した市民サービスを大事にしなければなりません。そのためにも一定の身分保障があり、雇用の安定が確保されていると言えます。その分、守秘義務や個人情報保護などの法令に対して厳しく縛られ、ひとたび法律違反を犯した時の処分やマスコミによる報道も大きく扱われてしまいます。

もっともっと収入を得たいと思っても公務員はアルバイトができません。兼業が禁止されています。それは職務に専念する義務があるからです。つまり夜間のアルバイトをして、昼間の公務に支障が出ることが絶対許されないからです。その代わり余程ぜいたくをしない限り、生活に困らない賃金が保障されていると言われています。もっと付け加えれば、賄賂などの汚職に手を染めさせないためにも、公務員賃金は一定の水準を確保するというのが国際的な定説とも言われています。しかしながら、その賃金水準に対する実感は人によって様々で、さらに財政状況の悪化を理由に公務員賃金の引き下げが矢面に立つことに立腹している公務員は少なくありません。

とにかく強調したいことは、バッシングすべき対象は公務員なのか、「負け組」同士の足の引っ張り合いをさせられていないのか、じっくり見つめ直したいと思っています。公務員の既得権を守るような戯言ばかりではなく、できれば次回以降、皆がハッピーになれるような話題(ヒント?)を提供したいと考えています。

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コメント

ゆっくりとですが、少しづつ読ませて頂いています。また、こういうブログを
長年続けておられることに敬意を表します。

さて「公務員賃金は民間の賃金水準を相場にして決められている」とのことで
すが、書き方があまりにも反感を招きやすいものになっております。
10月のエントリーの人事院総裁のコメントには全面的に賛同しますが、現状
であっても民間の上位数%(地方においては1%未満)の事業所の賃金相場で
比較したものを、「民間賃金水準との均衡」と言ってしまうのには違和感があ
ります。これだけ充実したブログですので、おそらくその意味付けと詳細につ
いては、どなたかがコメントで書いているだろうと思いますので省略しますが、
組合関係者の特徴的な物言いで、「嘘は言わないが意図的に全部を話さないで、
相手が都合よく思い込んでくれる様に誘導する」という匂いを感じてしまいま
す。

さて現状の地方公務員の賃金についてですが、民間の感覚でみるとその仕事内
容に対する対価としては、相当に高いと言わざるを得ません。
ただ逆に若年層は相当に安いという実態もあります。まずは年寄りの給料を思
い切って下げて、その一部分で若年層を上げてという事が必要ですが、組合か
らそういう話が出ることはありません。

また副業の事を書いておられますが、民間の大部分も就業規則で副業を禁止さ
れており、また禁止と明記されていなくても副業などする余裕がないのが現実
ですので、こちらの書き方も反感を招くだけです。
逆にアパート経営などで副収入を得ている比率は、むしろ公務員の方が高いか
と思います。公務員は信用を得やすく銀行等から融資を受けやすいためこうい
うことが起こると銀行員に教えて頂いた事があります。また同じ理由で同居家
族が商売を営む例も多いようです。
資産運用と副業は違うと言われればそれまでですが、公務員のこういう姿を周
りは見ています。それらが積み重なって今があると知ることが必要です。

当初の数か月分を読ませて頂いた感想として、「襟を正す」「言うべきは言う」
という言葉が何度も出てきておりますが、襟を正しているところがここまでで
一度もないと思うのは私だけでしょうか?あらゆる意味で組合関係者らしいと
感じております。


さて、当方恵まれた職に就かせて頂いてはおりますが毎日帰れる立場でもない
ため、コメントは飛び飛びになりますことを予め申し上げておきます。

投稿: むかし民間、今・・ | 2009年10月 2日 (金) 08時18分

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