公務員の福利厚生
大阪市のスーツ支給問題などが注目を集め、公務員は恵まれすぎているとバッシングが全国的に高まっています。ヤミ時間外勤務手当の支給など行きすぎた面は、早急に是正すべきものと考えます。ただ非常に頭が痛いのは、福利厚生予算への公費支出を全面的に否定するような動きには「ちょっと待って」と言いたくなります。
地方公務員法で「地方公共団体は職員への福利厚生を実施しなければならない」と定められています。職員間の会費だけで自分たちの福利厚生をすべて賄うのならば、その法律の趣旨に反してしまいます。ほとんどの民間会社でも会社から経費の一部が社員への福利厚生に充てらているはずです。それが公務員の場合、税金の一部が充てられる構図となるため、一円も駄目だと言われては困ってしまいます。
一方でバブル経済がはじけてから続いている息苦しい不況により、リストラや倒産で苦しむ人たちが数多くいることは忘れてはなりません。したがって、その不景気な時代を踏まえ、常識的な範囲内での福利厚生予算でなければ確かに市民の皆さんから理解が得られないものと思います。当然、仮に度がすぎているようならば、ただちに見直さなければいけないものと考えています。
| 固定リンク
コメント
福利厚生をすべて否定するものではありませんが、2つほど問題点を指摘させ
て頂きます。
まず多数のレクリエーション要素に多額の支出がされています。映画鑑賞券、
スキーリスト券、遊園地入園券、その他数多くの遊び的要素が驚くほど用意さ
れています。さらには職員が所属するクラブ活動(例をあげると野球部、サッ
カー部、果ては囲碁や将棋の類まで)への運営助成もされています。つまりは
趣味を楽しむ事に支出されています。そして何より交礼会と称し、忘年会や新
年会の飲み食いに支出されているところもまだまだ多くあると聞いています。
これらの支出が本来の福利厚生の趣旨に合っているかと考えた場合、十分に度
が過ぎています。
ただ福利厚生への支出を全面的に否定することはありません。例えば公務員の
場合、事業主負担の健康診断が非常に充実しています。通常の健康診断に加え
て半日ドック、脳検診等があると聞いています。ただ法で定められている健康
診断義務は通常の健康診断で十分ですので、事業主負担をそれに限定してそれ
以上の診断費用は福利厚生で負担する等の支出は認められると思います。
福利厚生の支出は業務遂行効率の維持・向上に直接的に沿うものに限定するべ
きというのが現状ではベターな選択でしょう。
次に福利厚生の支出が特定個人へ偏りすぎているという問題があります。これ
はどこの組織でもある問題ですが、すでに福利厚生の存在意義が薄れてきてお
り、それは使うのは少数の個人になってきています。若い人は後ろめたさから
利用を避けているという面もあります。
多数の人と市民が会費を負担するが、少数の人のみ利益を享受する現状の福利
厚生は存在する意味が無いだけではなく、不平不満の温床になります。そうい
う意味でも、福利厚生の支出は業務遂行効率の維持・向上に直接的に沿うもの
に限定し、広く公平に分配するというのがベターな選択となるでしょう。
投稿: むかし民間、今・・ | 2009年9月29日 (火) 19時33分