熱い討議で自治労方針確立
九州は台風の影響を直接受けず、暑さも東京に比べてそれほどでもなく過ごせました。しかし、自治労大会が開かれた鹿児島アリーナの会場内は非常に熱く、怒号に包まれた討議が交わされました。
地域給導入や全国一般労働組合との産別統合の問題など、自治労本部の進め方に対する批判意見がいくつかの県本部から出されました。しかし、最大の争点となったのは憲法9条をめぐる自治労のスタンスの問題でした。この問題で4県本部から修正案が出され、さらに数多くの代議員から本部の姿勢をただす意見が質疑討論の時間に示されました。要するに「連合は自衛隊を容認しているようだが、自治労もそうなるのか。自衛隊は違憲とした方針を転換するのか」というのが批判する意見の主なポイントでした。
この問題が大きな対立点となっているため、人見本部委員長の冒頭挨拶から草野連合事務局長や仙石民主党政調会長ら来賓の皆さんへも野次が飛び、決して行儀の良い大会ではありませんでした。それでも本部が再三答弁した「自衛隊を違憲とする自治労のスタンスは変わらず、その立場で連合内でも発言していく」という基本的な考え方を受けとめ、修正案は取り下げられました。最終的には圧倒多数で本部原案が可決され、今後、2年間の自治労方針が確立しました。
やはり公務員や自治労をとりまく情勢が厳しい中、対立点を激しく議論しても最後は一致団結しなければという各県本部の賢明な判断が働いたものと思います。加えて、委員長選挙に対立候補が出て、一時は新委員長の選出をめぐっても大きく自治労内が割れる事態が生じていました。しかし、再選をめざしていた人見委員長の決断により、禍根を残しかねない選挙戦を避け、自治労全体がまとまり副委員長だった岡部さんを新委員長として選出することができました。いろいろな意味で印象深い大会となりました。今後、「雨が降り、地が固まった転機の大会だった」と言えるよう確立した自治労方針を実践する努力が求められています。
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