2014年9月13日 (土)

フリー懇談会を開催

7月に「組合活動への疑問や批判」という記事を投稿していました。その記事の最後に私どもの組合では9月にフリー懇談会と称した場を持つことをお伝えしていました。昨年10月には職場委員会議長と直近の経験者に呼びかけ、率直な意見交換の場とした懇談会を開きました。このブログでも「若手組合員との懇談会」 という記事タイトルで取り上げたところです。その際、「組合のことがよく分からない」という言葉が最も印象に残る結果となっていました。

そのため、よりいっそう組合の活動や方針の伝え方の工夫に努めることや、フェース・ツー・フェースの場をいかに多く持てるかを課題としてきました。特に紙媒体だけで組合の認知度を高めていくことの難しさを知る機会となり、そのような考え方のもとに昨年の懇談会の発展形として、今回、広く組合員全体に呼びかけ、テーマはフリー、参加もフリー、フリー懇談会と称した場を企画しました。

年に1回、定期大会という組合員全員の出席を呼びかけた会議を開き、1年間の活動を振り返り、新たな方針を確認し、信任を得た組合役員が主体となって日常活動を進めています。今年は11月12日午後6時30分から市民会館で開きます。定期大会の中でも質疑応答や意見交換を行なえるようになっていますが、「なぜ、組合が脱原発に取り組んでいるの?」「職場課題に絞った活動に専念すべきなのでは?」等々、あまり踏み込んだ質問は出しづらいものと考えています。

そのような問題意識もあったため、今回、初めての試みとして組合活動全般に対し、率直な疑問や意見を組合役員にぶつけられるフリー懇談会の開催に至っていました。さらに組合方針を説明するための場にとどめず、組合員の中に幅広く多様な声や見方があることを受けとめる機会にも位置付けました。したがって、これまでの組合方針にこだわらず、率直な質疑や議論が交わせることも想定していました。

このような位置付けもあり、組合役員も可能な限り参加するように呼びかけていました。組合員からの率直な声を組合役員一人ひとり直接耳にして欲しかったからです。ちなみに「匿名でなければ本音の声はつかめない」「面と向かって厳しい批判はできないのでは」という見方もあろうかと思います。確かに本音の声の集約だけを目的とすれば匿名アンケートのほうが有効であることは間違いありません。ただ今回はフェース・ツー・フェースの場を重視する中で発案していますので、お互い顔を突き合わせる中で懇談する設定としていました。

やはり取り組むのであれば、一人でも多くの参加者を得られるほうが望ましいことです。若手組合員が多く担っている職場委員全員に案内を出したらどうか、そのような意見が執行委員会の中で示されていました。あくまでも本人の関心の度合いによる自発的な参加、つまり参加するしないも文字通りフリーという位置付けを私自身はこだわっていたため、義務感を与えがちとなる職場委員あての個別通知は見送っていました。組合ニュースでの宣伝を中心に参加者を募っていた中、9月に入っても自発的な参加申込者はごくわずかでした。

前述したような組合役員側の問題意識や姿勢について、組合ニュースで大きく扱うだけでも意義があることだと考えていました。参加者が少なかったとしても、このような場を持つこと自体に組合員一人ひとりに対するメッセージを込めたつもりでした。とは言え、あまりにも一般組合員の参加が少なく、組合役員のほうが多いような場では「せっかく申し込まれた方に申し訳ないな」と思うようになっていました。そのため、開催日が近付き、ようやく私からも直接声をかけ始めました。急な誘いにもかかわらず複数名の方に急きょ参加いただき、水曜夜、13名で催すことができました。

少人数の場でしたので、参加者全員から何らかの発言を得られ、いろいろ貴重な意見交換に繋がったものと思っています。今回の記事はマイナーでローカルな話題です。さらに懇談会の中味に入る前の話を長々と綴ってしまいました。すでに読み飛ばされている方々も多いものと思っていますが、もう少し続け、懇談会の中味にも触れさせていただきます。なお、録音や詳細なメモを取っていた訳ではありませんので、すべてを網羅した報告には至らず、会話内容や言葉使いなども意訳としてご理解いただけるようよろしくお願いします。

「最初から組合にはあまり期待していない」という意見が真っ先に示されました。「どのような厳しい意見でも批判でも結構ですので、自由に発言してください」という呼びかけにしっかり答えていただいた発言でした。「皆が入っているから深く考えずに入っている人が多いのでは?」という意見の後、「それでも国税の労組に比べれば職場の課題によく取り組んでいます。国は人事院勧告で何でも決められてしまい、労使交渉の幅がまったくなかった」という前職が国税局勤務だった方から国の組合と比較した評価も寄せられました。

私どもの組合費の上限3,500円に対し、国税は最高で6千円ぐらいだったため、安く感じたという感想も続きました。すると前職がゼネコンだった方からは「その頃、組合費は月600円から800円だったので高く感じた」という真逆な意見が示されました。組合役員の一人からは「安い!産別に加盟していないのでは」という驚きの声が漏らされています。すぐ別な方から「高いか、安いかは活動ぶりや、いかに成果を出せるかどうかではないでしょうか」という意見が続き、うなづかざるを得ない議論の流れでした。

少し間が空いたタイミングで、進行役を務めていた私から一番最初に参加申込された方に尋ねてみました。「この懇談会に出てみようと思った理由は何だったのでしょうか」という問いかけに対し、「組合は職場と社会を繋ぐ役割を持っているものと考えています。3年前、出版社に勤めていた友人が過労のためだったのか、自殺してしまいました。自分なりにいろいろな問題意識を持つようになり、もう少し組合について知りたかったので」という非常に重く、深刻な答えを返していただきました。

心の健康の問題に話題が繋がり、ある方からは降格に関する質問がありました。現在、係長職は試験制度の対象になっていないため、本人の意思に関係なく、主任から係長に昇任する場合があります。先輩職員の一人が係長の職責の重さに耐えられず、早期退職に追い込まれてしまったという事例を紹介した上での質問でした。私から「病気等の事情があった場合、部長から係長職までのポストに降格制度を導入したいという提案があり、労使協議中であり、そのような観点も踏まえて判断していきたい」という説明を加えていました。

参加した組合役員は、なるべく聞き役に徹するようにお願いしていました。ただ普段から「議論好き」の顔ぶれのため、やはり組合役員が発言する機会も多くなっていました。もともと制約をあまり設けないフリー懇談会ですので、私から組合役員に対して自制を促した場面は結果的に1回だけにとどめていました。その中で、もっと注意すれば良かったと反省しなければならない場面が懇談会の最後のほうで起こりました。

女性組合員の方が「私も原発はないほうが良いと思っていますが、エネルギー問題を考えた時、脱原発という運動の難しさもあるのではないでしょうか」という言葉を選びながらも率直な問題提起を行ないました。事前の組合ニュースの例示の一つにしたほどでしたので、私としては貴重な提起をいただいたものと歓迎していました。すると複数の組合役員から「原発推進は絶対ダメ」という説得調の発言をかぶせてしまい、いわゆる二項対立的な議論の流れを強めてしまいました。

「今回は原発の是非を議論する場ではありませんので…」という説明を私から加え、ある程度のところで話題転換をはかっていました。翌日、女性組合員がどのような印象を持ったのか気になったため、この件について尋ねてみました。すると「異論は許さないという雰囲気でしたね」という予想以上に厳しい言葉が返されてしまい、「反論している組合役員側にそのような意識はないはずだけど、すみませんでした」とお詫びしながら深く反省点として心に留めたところでした。

最後の最後に「7年ぶりに引き上げ、人事院勧告」の中で報告した問題がクローズアップされました。私どもの自治体の地域手当支給地域が3級地から4級地に下げられてしまった結果、現行の支給率12%が据え置かれ、来年度以降の基本給2%削減という給与制度の総合的見直しの痛みが直撃する見通しです。それに対し、ぜひ、組合の力を発揮し、純減の痛みをやわらげられるように頑張って欲しいという声が参加者一同から寄せられました。それこそ組合の真価が問われていく課題であることを意思一致し、2時間近くに及んだフリー懇談会を終えていました。

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