2014年7月19日 (土)

組合活動への疑問や批判

コメント欄から距離を置くようになり、詳しい説明が必要な問いかけに対しては記事本文を通してお答えするように努めています。きめ細かく対応できている訳ではなく、たいへん恐縮ですが、これまで寄せられた一つのコメントを題材にした記事本文の投稿も少なくありませんでした。ようやく今回、一緒にされて迷惑さんから以前の記事「自治労と当ブログについて」のコメント欄に寄せられた問いかけにお答えする形で新規記事を書き進めさせていただきます。

一緒にされて迷惑さんが抱いているような組合員意識の多様化を踏まえながら、このブログを長く続けています。そのため、一緒にされて迷惑さんから寄せられたコメントを通し、自治労に所属する職員組合の活動への疑問や批判にお答えしていくことは、多くの皆さんにも理解を求めていくべき論点だと考えています。ちなみに直近のコメント投稿であれば、右サイドバーの名前をクリックすることで当該のページへ一気に飛ぶことができます。その機能も使えないため、原文(青字)をそのまま紹介しながら私の考え方や説明を順次加えていきます。

東京のある地方公務員で、組合員です。民間3年からのジョブチェンジを経て現在、花の20代です。特定の宗教、思想に囚われることなくアーバン生活を満喫しています(笑) 唯一残念なことが、職労が特定の思想を押し付けてくることです。ノーマルな同期や先輩方(職員の大多数)は、マジであなた方に辟易していますよ。お忘れなく!あなたたち職労の活動が、職場におけるストレスの上位にランクインしている事実、これは職労に意見せねば!労働条件を改善してもらわねば!と思い、意見します。

うちの職労も自治労よろしく、日々脱原発だの憲法9条改正反対だので、闘争(自称)しています。はっきり申し上げましょう、自治労しかり、左傾化していますね。自治労新聞も職場で配布されていますが、しんぶん赤旗と話題、主張は何ら変わりがなく(まあ、共産党員の集いですし)、見事なまでの協調路線ですね。これで共産党員とは違うといって納得する人は、職労の執行委員くらいでしょう(笑)

後述された内容から一緒にされて迷惑さんが区職労の組合員であることが分かりました。確かに自治労は脱原発や集団的自衛権の問題での活動にも力を注いでいます。そのあたりは当ブログの記事を通して数多く取り上げています。いわゆる右か、左かで言えば、左に位置することも間違いありません。ただ「左傾化」イコール批判の対象という図式は控えるべき見方であり、個々人の価値観が多様化する中で、どのように組織が対応するかどうかの問題だと思っています。

なお、『しんぶん赤旗』と話題や主張が同じかどうかと問われれば少し疑問が残ります。共産党員の集いという見方は、もっと疑問が大きくなります。ちなみに自治労は連合系で支持協力関係が緊密な政党は民主党です。もしくは社民党という関係となっています。区職労の中には自治労連に加盟している組合があり、自治労連は共産党との支持協力関係が強い全労連に所属しています。自治労と自治労連、どちらにも加盟しない中立の区職労もあり、中には自治労に加盟しながら執行部内での路線対立が激しい組合があることも耳にしています。

「だから何だ」という突っ込みが入りそうですが、一口に「職労に意見せねば」と言われても自治労に所属する組合だけでも一つ一つ色合いや活動ぶりが違うことを理解いただければと考えています。もちろん改めて足元を見直すための貴重な提言は今後の私どもの組合活動の中で活かしていくつもりです。さらに一緒にされて迷惑さんや周囲の皆さんがストレスを感じられていることは事実でしょうから、組合の役員を務めている者として「どうすべきなのか」自問自答する機会に繋げていかなければなりません。

まず、あなたに言いたいことは、全体の奉仕者とは、何ぞやということです。特定の思想に偏った人間が社会奉仕をするとどうなりますか?その方向への誘導活動になるのが自明では?実際、今の職労は有無を言わせず「平和活動」という名のもと、脱原発、9条改正反対への職場署名、街頭署名と勤しんでいます。脱原発反対の者、9条改正賛成の者が職場、ひいては役所の中にもいるのにもかかわらず、一概に「平和活動」を展開しています。逆の立場の意見など、聞いても聞いていません(笑)

余談ですが、先日、労働環境改善のための職場陳情会が催されまして、「本来の労働組合の目的(雇用主との労働条件向上の交渉等)」を外れた「平和活動」は特定の政治団体の思想(共産党)と同様で、そのプロパガンダの以外何物でもないので、純粋に本来の目的に専念すべきと意見したところ、自治労の活動目的に反しないので何ら問題がない、との回答を得ました。まあ、役人らしい回答だこと。私の指摘に何も答えていないってのがミソね(笑)

話を元に戻します。全体の奉仕者に求められる資質としては、個人の信条、思想等を業務上では出さず、右傾化、左傾化を排した「中立の立場」をとれることです。それがプロというものでしょう。(公務員のプロといえばおかしな響きですが)うちの部の上層部は軒並み公明党の支持母体となる方々ですが、誰一人として、その思想を口にはしません。仕事中はもちろん、仕事の後の飲み会でも一切個人的な思想を主張したり、押しつけたりすることはありません。そして、べろんべろんに酔っぱらった時におっしゃられたことですが、政治と宗教、そして思想の話題は、職務関係者の間では絶対にしてはいけない、してしまえば業務上、人間関係が原因でこじれが生じ、後にフラットになることは決してないということです。若輩者として、プロたる者はこうあるべきと感銘を受けたところです。

このブログを開設した頃の記事の中で「国家公務員も地方公務員も、使用者であるトップは基本的に政治家が務めています。クルクル変わる省庁の大臣、4年ごとに選挙がある首長、それぞれのトップの意向を公務員は当然受けとめて職務に従事します。しかし、そのトップが公務員のクビを簡単に切れる権限を持っていたら、トップが変わるたびに公務員は自分の雇用を心配するようになってしまいます。さらに公務員は首長のために仕事をするのではなく、全体の奉仕者として行政の継続性や安定した市民サービスを大事にしなければなりません」と綴っていました。

特定の政治的立場に職員自身は影響を受けず、加えて、どのような政治的な立場の住民の方と接する場合でも公平公正な職務の遂行が求められています。このように「全体の奉仕者」という意味合いを理解しています。その上で「再び、地公法第36条と政治活動」の中でも記していますが、組合役員を担っていたとしても政治的な中立性は個々の職務の中で貫かれているはずです。住民の皆さんと接する中で、政治的な立場をかもし出す職員が存在するような話を耳にしたことはありません。

仮に、このような峻別をわきまえられない職員が存在した場合、即刻免職の対象となってしまうのではないでしょうか。一緒にされて迷惑さんが指摘されている職場署名などは、あくまでも労働組合の活動の中で許された範疇だと判断しています。もちろん職務を通して住民の皆さんに署名協力を求めていた場合は論外な話ですが、そのような場面が横行しているとは到底想像できません。さらに公務員も一定の範囲内において政治活動の自由が保障されている点は法的にも国際的にもスタンダードな姿であることも付け加えさせていただきます。

公明党の支持母体に関わる上層部の方々の話が紹介されていますが、比べる事例としては少し論点がずれていくように思っています。職務上の話で言えば上記のとおりの峻別が職員全体に欠かせず、繰り返しになりますが、組合役員も逸脱していないはずです。その上で組織として決定している活動方針を組合員に周知し、理解を求めていく試みは必要な取り組みだろうと考えています。その試みが押し付けという印象を与えてしまうのかどうかは私どもの組合にも引き付け、手法や丁寧さなどを改めて考えていく機会としています。

一方で、ぜひ、一緒にされて迷惑さんにも考えていただきたい大事な点があります。所属されている区職労への批判は、すべてご自身の「答え」が正しく、区職労や自治労の活動方針はすべて間違っていることを前提にしているという点です。当然、これまでの自治労の活動方針が完璧で、見直すべき問題点は一切ないと言い切るつもりもありません。それぞれの「答え」の正しさを主張し合い、より望ましい「答え」に近付けていくことが本当に大切な試みだろうと考えています。

確かに平和や政治活動よりも労働組合の本務である労働条件の問題に力を注ぐべきという声は私自身も頻繁に耳にしています。それに対し「労使交渉だけでは解決できない問題があるため、多くの組合が自治労や連合に結集し、政治的な活動にも関わっています。このような意義を踏まえ、今後も主客逆転しない範囲で政治的な活動にも対応していくつもりです」とお答えしています。加えて、組合の活動方針一つ一つが組織的な手続きを経て決まっている点を説明する場合もあります。

個々の組合員の意識が多様化している中、その活動方針が組合員全員から支持されているのかどうか、残念ながらそのようになっていないことも感じ取っています。力強い組合活動を展開するためには、組合員全体の支持や理解が欠かせません。全員が賛成しない課題には取り組まないという手法もあり得るのかも知れませんが、通常、組織の活動方針は構成員多数の意思によって決められていきます。言うまでもありませんが、組合の活動方針を支持しない組合員が増えていくことは深刻な問題だと受けとめています。

一緒にされて迷惑さんが所属している区職労の役員の皆さんも、このような点について説明されたのではないでしょうか。ただ一緒にされて迷惑さんにとって納得できない回答であり、このブログのコメント欄にも疑問や批判を加えられたものと理解しています。そもそもオープン・ショップ制であり、活動方針等が気に入らなければ組合を脱退するというカードもあり得ます。しかし、そのような点を一緒にされて迷惑さんは一切示唆せず、いろいろ提案されていました。そのように力の入ったコメントだったため、機会を見て必ず記事本文でお答えしようと考えていました。

さて、以上をふまえ、自治労、そしてその下部団体の現状はいかがなものでしょう。職労の執行委員の方々が口々に語る「我々は共産党員ではない、あくあで平和のために云々」という主張は、私をはじめ、若年層に言わせると、「いやいや、左傾化した共産党員以外のなにものでもないんですが(笑)どうか、私に関わらないでね!」としかいえません。社会においての評価は、第三者がするものです。自己評価など自慰行為に等しく、何の生産性もありません。上記の場合、評価者は組合員となります。

あなたには以上で述べた若輩者の意見が理解できないと思うので、一つ提案があります。若年層にYES/NO形式アンケートを取ってみましょう。若年層の後継者不足でお困りでしょう?ならば、若年層の心のうちを知ることが肝要です。項目があまり長いと若者は今の職労に対し、さらに倦厭、忌避するきらいがあるので、5項目くらいがよろしいのではないかと。以下、ご参考までに。

1 職労は本来の労働条件の向上のみに専念すべきである。
2 現在の職労の活動目的は特定の思想に偏って中立とは言えないと思う。
3 メーデーの街頭行進や「平和活動」への執着・主張は異常だと思う。
3 組合活動には関わりたくない。
4 組合には半ば強制的に入らされたうえ、組合費が高い
5 活動目的決定の際、周知や多数決をとらないのはおかしい。

最後に、今後、職労が評価されるであろうこと(望みは極めて薄い)を書いて寝ます。それは、人事院勧告を当然のごとくはねのけ、さらに、職員の給与アップを実現することです。これは、職員の待遇向上に直結することなので、極めて高い評価を得られること間違いなしです。まあ、無理でしょうが。少し考えればわかることですが、公務員になる者は様々な理由で公務員になっています。

・教授の口利きで簡単になれたから(バブル世代談)
・公務員の仕事に魅力を感じたから(生真面目公務員談)
・身分保障のためと余暇が民間より圧倒的にあるから(私はじめ転職組)→仕事は必要十分にして自分の時間最優先!組合活動なんてあほらしい、薄給だからそんな時間あったら副業で経済投資するわ!
・総合的に見て、自分の時間をしっかりとれそうだから(いわゆるゆとり世代談)

おそらく、区職労が今後勧誘するなかで一番手こずるのは、いわゆるゆとり世代、その下の悟り世代でしょう。名門大学卒の者が多く、当然ながら賢く、中立的なものが多い。純粋であると同時に、異質なものにはとても敏感で、表向きはおとなしいが、ぶれない芯があります。その芯をあなたたち職労の執行委員は見透かすことはできないでしょう。おとなしさ、従順っぽさ、はあくまでポーズなのですよ。職労の目的や活動に対する思いをぶつけるだけではだめなんですよ。

ひいてみて、彼らが今職労に対してどう思っているのかを聞いてみましょう。もちろん、賢いゆとり君たちは、口を割らないでしょう。だって、職労のあなた方を見透かしているのですから。だからこそ、アンケートが有効と思うんですよ。職労の母体である組合員が今、職労に対してどう思っているのか、その意見をくみとり、変わっていかない限り、次の世代なんて育ちもしないですよ(笑)

以上が一緒にされて迷惑さんから寄せられたコメントの全文です。レイアウト上、段落は整理していますが、これまでも誤字等に気付いても手を加えず、そのまま原文を掲げるようにしています。組合活動や組合役員に対する評価は、第三者ではありませんが、組合員が下すという見方はその通りだと思っています。その上で具体的なアンケートの実施まで提案いただきました。ただ「あなたには若輩者の意見が理解できない」と決め付けられてしまいましたが、アンケートの大半の項目でどのような傾向の「答え」が返るのか予想できるつもりです。

一緒にされて迷惑さんと私自身の予想は、きっと大きな開きがないはずです。要するにアンケートを取らなくても、私どもの組合をはじめ、自治労に所属する多くの職労が置かれた現状は非常に厳しいものと見ています。一方で、昨年秋に「若手組合員との懇談会」を開いた際、「組合のことがよく分からない」という言葉が最も印象に残る結果となっていました。そのため、よりいっそう組合の活動や方針の伝え方の工夫に努めることや、フェース・ツー・フェースの場をいかに多く持てるかを課題として認識していました。

気になった点として、上記のアンケート項目に「活動目的決定の際、周知や多数決をとらないのはおかしい」という設問がありますが、通常、そのような組織運営は考えられません。拍手での承認が「多数決をとらない」と見られている可能性もありますが、以前の記事「自治労は討論しない?」に綴ったような認識の齟齬が生じているのかも知れません。「平和の問題に限らず、基本的な方向性や方針に関しては継続性、要するに従前の内容を踏襲するようになっています。一定の規模の組織であれば同様であり、毎回、方針案を白紙の状態から積み上げることはないはずです」という現状認識に対する行き違いを推察しています。

人事院勧告に関しては給与制度の総合的見直しの問題を提起されているものと思います。圧倒多数の公務員の賃金水準が引き下げられる理不尽な地域給強化などに自治労は総力を上げて反対行動に取り組んでいます。8月の勧告を直前に控え、力及ばず人事院に押し切られてしまうのかどうか正念場を迎えています。その時々の情勢や相手方との力関係などによって、組合の要求が通る場合と断念しなければならない時があります。今回、どのような結果に至るのか、残念ながら現時点では見通せません。ただ国家公務員に準じた平均7.8%もの地方公務員の給与削減問題に際し、3割以上の自治体が「削減なし」で乗り切れたのは組合があり、自治労があったからこそです。ぜひ、このような成果を残していることも留意いただければ幸いです。

寄せられたコメント全文を紹介しながら綴ってきましたので、たいへん長い記事となりました。せっかくの提案でしたが、今のところアンケートの実施は考えていません。実は、それよりも一歩踏み込んだ試みを直近の執行委員会で確認しています。参考までに今回の記事の最後に、組合ニュースの最新号に掲載する内容をそのまま紹介させていただきます。匿名の場ではありませんので、どれだけの参加を得られ、どこまで本音の意見を伺えるのかどうか分かりませんが、組合方針の「結論ありき」ではない場として多様な声に触れ合えることを願っています。

「なぜ、組合は集団的自衛権に反対しているの?」「もっと給料を上げて欲しい」等々、組合活動への疑問や意見に答える「フリー懇談会」を9月10日(水)午後6時から303会議室で開きます。テーマはフリー、参加もフリー、ぜひ、お気軽に顔を出してください。ちなみに組合方針を説明するための場ではなく、組合員の皆さんの中に幅広く多様な声や見方があることを受けとめる機会として考えています。食事を用意しますので、参加希望者は事前に組合事務所までご連絡ください。

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